王女殿下はお怒りのようです1 転生王女と古の力 /八ツ橋皓



王女殿下はお怒りのようです 1.転生王女と古の力 (オーバーラップ文庫)【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年12月刊。
面白かった〜!
1000年後の世界に転生した最強魔術師が、自分を軽んじる周囲に頓着することなく我が道を突き進む転生ファンタジー。
高性能な女性主人公で、美青年がたくさん登場して、前世から大切にしている恋があって―― と、個人的には女性向けラノベっぽい読み味でした。
主人公のマイペースっぷりは読んでいて不思議な心地良さがあり、とても好きなタイプ。
周囲に侮られたり、不審がられたり、褒めそやされたりと、彼女に対する反応は実に様々。しかしその全てに関心はなく、一方で、一度懐に入れた人のことは大切に守り抜く。
良い良い。そのままマイペースに突き進んでくれって思う。
恋愛要素も好きな感じになりそうだし、魔法技術が後退した世界に古の魔術が持ち込まれることで何が起こるのかも気になります。続きが楽しみ。

☆あらすじ☆
戦乱の王女として生まれ、最強の魔術師と謳われたレティシエル。
隣国の侵攻によって家族と伴侶を失い、魔術の力を敵国に奪われないため自ら命を手放した──はずが、目を覚ますとそこは見知らぬ天井だった。
情報をかき集めてみると、レティシエルはどうやら別の人間として千年後の世界に転生していたらしい。
しかも家族や周囲の人間、婚約者にすら疎まれている無能令嬢として。
色々と物申したいことがある中、千年後の世界における魔術の術式を目の当たりにし──そのお粗末さに“魔術バカ”のレティシエルはブチ切れた!?
「この世界の魔術レベル低すぎっっっっ!!!」
常識外れな王女殿下が我が道を突き進む最強魔術譚、開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

数多の国が覇権を巡って争う動乱の時代に生まれた辺境の国の王女レティシエル
隣国によって祖国も愛する家族も蹂躙されたレティシエルは絶望のまま自らの心臓を貫いた。
しかし、ふと目覚めればそこは1000年後の未来。
無能として忌まれる「公爵令嬢ドロッセル」として転生したことに気づいたレティシエルは少しずつ今の時代の情報を集めていく――

 

そうして人や書物から情報を集めていくなかで、レティシエルはタイトル通りに怒るのです。それはもうブリザードが吹き荒れるほどに。

世界最高峰の魔術師であったレティシエルからすれば、あまりにも稚拙な今の時代の「魔法」。
かつてレティシエルたちが駆使した「魔術」は1000年の間に失われ、その代わりに台頭した「魔法」は威力も低く、様々な点で「魔術」とは常識が逆転している。

そんな世界で、魔術オタクでもあったレティシエルは「魔法」を魔改造してやろうと決意するのです。

 

この魔法を魔改造してやるぜ!という話はまだ動き出したばかりなので、1巻では触りだけ。

レティシエルは「魔法」を改造しようとしているけれど、一方で、そんなことをしなくても彼女の知識があれば「魔術」は行使できる。
それは、「魔法」を使えるか否かを権威づけに使っている現代貴族社会において、レティシエルの使う「魔術」は体制を覆しかねない危険性を秘めてしまうことを意味するのです。

今のところレティシアに「魔術」を公にする気はなさそうだけど、彼女の派手な力がそう簡単に隠し通せるとも思えないんですよね。現にラストでは学園長どころか国王にすら察知されているし。
とすれば、今後の展開が気になるというものです。
現代社会においてはオーバーテクノロジーと化している「魔術」を持ち込んだことで、一体世界にどんな混乱が生まれるのか。
それとも世間には隠し通し、レティシア(と彼女の身内)だけのチート技術にしてしまうのか。
どんな方向にも転がりそうで期待が高まります。ワクワクするなぁ!

 

それはさておき。
まだ物語が本格的に動き出していないにも関わらず楽しめたのは、ひとえにレティシアのキャラが良かったからだと思います。
「レティシア」として目覚め、「ドロッセル」としての記憶も知識も一切ないにも関わらず、それを周囲に悟らせない(ばっちり不審がられているが雑な言い訳で押し通す)マイペースっぷりがとても楽しくて。
少しずつ語られていく「ドロッセル」の悲惨な半生も気になるのだけど、それは今の「レティシア」には関係がないこと。なので必然的に「ドロッセル」を見る周囲の目も、彼女の気を引くことはないのです。
孤高という言葉がぴったり。かと言って、人を拒絶しているわけではないから孤独とも違う。
婚約者も家族も敵でしかないけれど、ミラやジークと仲良くなっていくから、レティシアの周囲に寂しさは感じないんですよね。これもまた良い塩梅。

 

婚約者といえば、恋愛脳でわがまま王子のロシュフォードは勝手に突っ走って勝手に自滅したんだけど、アイツはマジで何だったんですか・・・?敵にしても情けなくない?

まぁ父親からもドラ息子扱いされていた婚約者はどうでもいいんですけど。
むしろ姉から婚約者を寝取った妹の気持ちの方が気になる。

 

ロシュフォードとは婚約解消してもらうとして(勝手に確定事項)、個人的に気になるのはジークとの関係。
これってジークは前世の旦那の生まれ変わりだったりします?そうだったらロマンチックだよな〜
幕間で語られたレティシアと夫ナオ(異世界召喚!)の恋と結末が甘くて切なくて大好物なやつだったので、どうにか二人には再会を果たしてもらいたいものです。
余談ですが最初は執事のルヴィクが伴侶の転生かなーとか思ってました。彼はただの優しいお兄さんだったのか。

 

そういえば、前世でレティシアを刺した男は何だったのか。
あのシーンの彼の反応、どことなく意味深だったような・・・?

 

とにかく続きを読みましょう。楽しみです。

 

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