大預言者は前世から逃げる 三周目は公爵令嬢に転生したから、バラ色ライフを送りたい /寿利真



大預言者は前世から逃げる ~三周目は公爵令嬢に転生したから、バラ色ライフを送りたい~ (カドカワBOOKS)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2019年6月刊。
三度目の転生を果たした元アスリート+元大預言者の公爵令嬢ライフ満喫物語。
ハイテンションな地の文に慣れるのに時間がかかったものの、話が動き出すにつれて物語の面白さを感じるようになりました。
今回は状況説明と主要キャラの顔出しで終わったので、たぶん次巻から本題が始まるのでしょう。少しスロースターターかな?
未来を予言できるというチート性能と、前世の失敗を踏まえて人生を謳歌しようとする前向きメンタル。
主人公の精神的な無双ぶりを楽しみつつ、その裏に潜んでいるモノに意表を突かれたりも・・・・・・
続きがとても楽しみです。

☆あらすじ☆
「大預言者」とバレたら喪女決定!? 絶対に令嬢ライフを楽しんでやる!
女子大生から大預言者に転生したけど生涯喪女。3度目の転生で公爵令嬢になって自由な生活が送れる! と喜んだのも束の間、前世の力も持ったままで……。えっ! バレたら一生独身が確定なんだけど!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

一周目の人生は日本の女子大生アスリート。
二周目の人生はファンタジー世界の大預言者。
そして三周目の人生を、二週目の人生に近いところから始めていたことに気づいた公爵令嬢グラディス・ラングレー(10歳)。

大預言者だった頃の友人たちの孫世代に転生していたグラディスは、国宝扱いで結婚を禁じられた前世の孤独を振り返り、今度こそ幸せで平凡な人生を送ろうと心に決める。

しかし同時に思い出したのは、前世の自分が最期に見たとある未来。
それは、「グラディス」が5人の青年にフラれる予言と、謎の男にナイフでめった刺しにされるというもので―― というストーリー。

 

この作品、グラディスの一人称で語られていくのだけど、これがまぁテンションが高い。
トータル精神年齢80歳近いはずなのだけど、自分でも精神コドモとか言っているだけあって、どうにも落ち着きがないグラディスの語り口。
正直、最初は読みにくいと感じました。

 

ただ、物語が進みグラディスの客観的な人物像が見えてくると、この語り口に愛嬌を感じるように。
元教育者としての側面も強くなっていくからかな。
テンションも序盤がピークでその後は次第に緩やかになっていくので、自然と物語を楽しめるようになっていました。

 

さて、そんなグラディスが語っていくのは、彼女の3周目の人生。
大預言者の能力を引き継ぎ、前世・前前世の未練を晴らすかのように趣味に没頭するグラディス。
不吉な予言があったり、知り合いに転生がバレたら前世の孤独再びの危険があったりと、懸念事項は数あれど、グラディスは楽しそうに「前向きに」人生を謳歌しようとするのです。

 

まさか、この「前向きに」というのがクセものだったとは・・・・・・

 

死後の転生にはロマンがあるけれど、自分ひとりが延々と転生を繰り返す運命だったとしたら、何を思うものなのだろうか。
終わりが見えないというのは、どれほどの恐怖なのか。

 

前世を思い出した直後の、グラディスのテンションの高さ。
あれは、得体の知れない恐怖から必死に目をそらそうとしてハイになっている状態だったのかも。
そう思うと、なんだか彼女に憐れみを感じてしまいます。

 

救いは、そういう彼女の恐怖心を見過ごさない人が近くにいたこと。
ラストで語られたキアラン視点では、彼から見たグラディスの危うさがハッキリと描かれていて良かった。たぶん彼がメインヒーローになるのかな?
グラディスの正体を見抜く人物は何人もいたけれど、彼女自身すら気づいていなかった内面まで見通したのはキアラン一人ですからね。二人の今後の関係に期待が高まります。

 

まぁ個人的にはマクシミリアンも良いと思うのだけど・・・・・・こっそり想い続ける一途な従弟ってツボなんだけど・・・!
でもフラグが立つ気配が微塵もないんだよなぁ、ドンマイ!

 

王都を騒がす魔法陣生贄殺人事件についても気になるところ。
グラディスの死の予言に関わってくるイベントですしね。彼女がこれをどう乗り越えるのか楽しみです。

 

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