天才王子の赤字国家再生術5 そうだ、売国しよう /鳥羽徹



天才王子の赤字国家再生術5~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年10月刊。
空前の好景気にわくナトラ王国と立役者ウェイン。
しかしそこには新たな火種が存在し、それを解決するためにとった一手が新たな戦乱を呼んでしまう第5巻。
安定して面白いです。
計画通りに進むこともあれば、思惑が外れてワタワタと奔走することもある。
貧乏国の望まぬ快進撃から始まった物語は、諸国を巻き込み、一体どこへ向かうのでしょうか。
続きもとても楽しみです。

☆あらすじ☆
西と同盟して一流国家の仲間入りだ!
『やはり手を組むべきは、グリュエールだな、間違いない!』
ミールタースでの騒動を機に、大いに知名度を上げたナトラ王国は、空前の好景気を迎えていた。
追い風に上機嫌なウェインにとって気がかりなのは、西側への玄関口として成長著しいマーデン領の存在。
国内のパワーバランスを調整するため、ウェインはグリュエール王が治めるソルジェスト王国と手を結び国全体を底上げすることを画策する。
折しもグリュエールからの招待を受け、意気込んで外交に向かうウェインだったが、
そこでは予想外の展開が待ち受けていた! 戦雲垂れ込める、弱小国家運営譚第五弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

立地、産業、知名度の三大問題がウェインとフラーニャの活躍により解決し、百年ぶりの好景気が巻き起こるナトラ王国。
ウェインの高笑いが止まらない一方、ナトラの一部となったマーデンの肥大化は頭の痛い問題と化していた。
そこでウェインは一計を思いつくが、事態はナトラ王国、ソルジェスト王国、デルーニオ王国という北の三カ国の思惑が錯綜する波乱の展開へと突入する――

 

調子に乗っても仕事は楽にならず、やっぱり早く隠居を決め込みたいウェイン。
しかしこの戦乱の世で彼の才覚を腐らせるヒマがあるはずはなく。
今回もまた、意気揚々と外交に出た先であっという間に戦乱の火種を発見し、坂道を転がるように開戦に至ってしまうスピーディーな展開がとても面白かったです。

 

外交といえば、今回の話の中でさりげなくウェイン史上最大の敗北があったのでは???
ソルジェスト王国の美食に敗北するウェインが面白すぎてヒィヒィ笑ってしまいました。王子やめても食レポで生きていけるよ!

 

そのソルジェストといえば、やはり国王グリュエールの存在感が圧倒的。
今まで出てきた中で一番魅力的な敵対為政者だったのではないだろうか。
意見の相違を受け入れる器の大きさ、すっとぼけた顔で口約束に応じる胆力、美食と刺激を求める王者の余裕に、巨体を駆使する武人としての迫力。
そして伸び縮みするオモシロ体質と、自分の命を交渉カードにするお茶目っぷり!笑
いやぁ〜〜〜好きだわ〜〜〜
このシリーズの好きなキャラランキングの上位に踊り出ました。
今回の戦ではウェインに負けても、「格」では決して劣らないというか。こういう敵キャラ、張り合いがあってとても良い。

 

自分の命を交渉カードに、という話で思い出したのだけど、今回のウェインの交渉術が本当に「無茶苦茶やりやがって!」と言いたくなるアレでしたね。
あれって内容自体も無茶苦茶だと思うんだけど、机上の空論と言うにはウェインの「コイツはやりそう」感が強い。
なんといっても日頃から売国を目論む輩ですから。国という枠組みに執着しない輩は何やってもおかしくない。
デルーニオ宰相との交渉戦はもはや愛国者VS売国奴みたいな趣があり、一体どちらが主人公なのか・・・笑
あのハッタリのきかせ方は売国王子の本領発揮だったのではないでしょうか。やっぱウェインはヤバイやつだよ。

 

そのやばいウェインがラストでグリエールに何を言ったのか気になるな〜〜〜!なんで伏せちゃうの!
ウェインが抱える獣は世界をどうしようとしてるんだよ!

 

私としてはウェインがニニムと一緒にのんびり縁側でお茶を飲みながら「今日も暇だわ〜」ってこぼすような楽隠居エンドを希望しているのですが、まぁしばらくは無理でしょうね。
その前に政略結婚をどこまで回避できるのかも分からんし・・・・・・まぁ嫁の前に妹が増えたようですが?
愛妹のプライドにかけてフラーニャがポッと出の妹キャラを駆逐しますように笑

 

次巻も楽しみです。

 

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「天才王子の赤字国家再生術5 そうだ、売国しよう /鳥羽徹」への4件のフィードバック

  1. ウェイン相変わらずぶっ飛んでましたけど、ドン引きの狂気じみな方法採っているのに、なぜか一歩引いてたはずのゼノヴィアまで隣に立ちたいとか言ってる展開に(苦笑)立場からいってニニム正妃とか現状では難しいでしょうし、側妃にもしないでしょう。政治絡むとほんとめんどうくさいですねー。ってことで予想はニニム絡みで平等な差別されることのない世の中とか、王制廃止して民主政治目指すとかそんなとこですかねー。

    ちなみに台風はうち近辺はたいしたことなかったですが、台風翌日に義実家訪問イベントを強行させられて、途中ルートが全て冠水していて引き返すといかいう、分かっていたのに徒労感溢れる無駄な出来事が一番大変でした(苦笑)

    1. よっちさん、コメントありがとうございます。

      ゼノヴィアのオチはちょっと笑いましたよねw
      ドン引きしてついていけないわーって言ってたじゃん!ついていきたいのか!って。でもそれこそ主人公に焦がれるヒロイン感があって、あれはあれで良かった気もします(私はニニム推しですが!)

      ニニムとウェインがくっつくには今の世の中では無理でしょうね。
      王子と被差別民では、たとえ本人たちが望んでも周囲が反対しそうだし、そのたびにウェインがニニム嗤うやつ絶対殺すマンになってしまいそうだし・・・・・・
      王制廃止して民主政治を目指すっていうのは有りそうですね。
      ウェインの思想的にも民と王は近い立場にあるわけだし、彼なら時代を100年単位で早送りして民にバトンタッチしてもおかしくないです。

      台風、よっちさんのところは大丈夫だったんですね!良かったです〜
      それでも道路が冠水していたり、影響は甚大なのですね。早く普段の生活に戻れますように・・・・・・
      普段通り、予定通りの行動が取れないとストレスがたまりますからね^^;

      1. ウェインが抱える獣ですけど、西側を破滅させる策を数年前からやってた件、4巻でのフラム人優遇策とか考えると、「フラム人」がキーワードになるのかなと予測してます。

        王政廃止をもくろむってのもありそうですが、フラム人差別の教義を掲げてるレベティア教の破壊もありそうです。ウェインがこれまでやってきてること、西側に対する攻撃であって東側に干渉してないこと考えると、王政廃止説もちょい疑問があるところです。

        個人的に今回ちょっと切ないなーと思ったのは、政略結婚のくだりで、ウェインは政治的な理由で結婚しないよとかわすわけですが(どうみても本心ではないけど)、そこに、側室なら?とまで、踏み込むニニムさんは何を思ったのかなーと。

        通じ合ってるウェインとニニムだけど、ことが結婚に絡むとどっちも微妙に本心言ってない気がするんですよね。

        1. こうたさん、コメントありがとうございます。

          >フラム人差別の教義を掲げてるレベティア教の破壊

          フラム人の現状にはかなり不満をもっていますもんね。地雷であり逆鱗ですし。
          レベティア教の破壊、ありそう・・・!
          今のところは敵対を避けようとしていますが、このまま力をつければ、いずれは・・・みたいなことを考えているのでしょうか?ドキドキしますね。

          >西側に対する攻撃であって東側に干渉してない

          盲点でした!なるほど。
          そういう風にみるとフラム人の差別問題だけに注視しそうな雰囲気もありますね。

          >通じ合ってるウェインとニニムだけど、ことが結婚に絡むとどっちも微妙に本心言ってない気がするんですよね。

          ああああ〜〜〜(転がる)
          なんかもう毎度の如く「政略結婚」の話がでて、毎度の如くビジネスライクに話を流してる二人ですが、で!本音は!?!?と詰め寄りたくなります(笑)
          心臓と呼ぶほどの関係ではあるけれど、互いへの気持ちに関しては未だにベールが厚いんですよね。ああ、気になります・・・!

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