最低皇子たちによる皇位争『譲』戦 〜貧乏くじの皇位なんて誰にでもくれてやる!〜 /榎本快晴



最低皇子たちによる皇位争『譲』戦 ~貧乏くじの皇位なんて誰にでもくれてやる!~ (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2019年10月刊。
皇位継承権を持つ皇子たちが継承指名を回避しようとあの手この手で逃げまくる中華風コメディ。
何もかも激しく間違っているのに、何だか熱く盛り上がる4兄弟の奮闘。
読みながら「馬鹿なんじゃないの?」と何度思ったことか。これは馬鹿だわ!曇りなき馬鹿!
正直、全員揃って国外追放が妥当だと思うのだけど、この馬鹿どもは「多忙な皇帝は嫌だけど皇族としての特権は維持しておきたい」というあっぱれな図々しさを発揮。
その思惑が微妙な駆け引きを生んでいて、足の引っ張り合いを楽しく盛り上げていたと思います。やっぱり全員国外に追い出そう?
ふふっと笑える良いコメディでした。オチが綺麗についてるところも好き。

☆あらすじ☆
重責・激務の皇位なんてくれてやる! 回避スキルの無駄使いコメディ!
皇帝の第四皇子・スガンは、ある日、皇帝から次期皇帝の指名を受けるのだが−−。ε=ε=(;p>д<) ヤダ、ニゲロォ! 本人はやる気なし、兄姉もやる気なし!? 継承回避の戦いが今、始まる!

以下、ネタバレありの感想です。

 

次期皇帝の地位をかけて争う四人の皇子。
互いにいがみ合う兄弟だったが、その心は一つだった。
すなわち、絶対に皇帝になりたくない――! 

 

というわけで、次期皇帝指名を回避しようと醜く足掻きまくる骨肉の争いを描いた中華ファンタジーです。

 

末子だからと気楽に構えていたら気づけば皇帝候補筆頭になっていた第四皇子・四玄(スガン)
よほどのことがなければ自分に皇位が回ってくると考え破廉恥罪で堂々と逮捕された第一皇子・一虎(イーフ)
絶世の美女であり先読みや奸計に長け、頭が回るが回りすぎて自滅する第二皇子・二朱(リャウシャ)
仮病を押し通して血糊を撒き散らす、女の子が大好きな卑劣漢の第三皇子・三龍(サウラン)

この四人が世にも醜い皇位継承争いをするのだけど、こうして特徴を列挙してみると主人公である四玄が比較的マシに思えますね(三龍だけは皇帝にしてはいけない)
四玄のヤバいところは一行で収まらないから省いただけなのだけど。

 

3人の兄姉たちと同じく皇位継承にやる気がなく、「でも他のクズどもに比べれば俺が一番優秀だからな〜!皇帝に指名されるのも分かるけどさ〜〜!」とやれやれしつつ、どうにか皇位継承を回避したい主人公・四玄。
この無自覚にアホ度の強い皇子が、皇帝の落胤を名乗る人気義賊を次期皇帝にしてしまおう!と思いついたがために、バカどもの騒乱に巻き込まれてしまうのが義賊であり第五皇子にされてしまった少女・月天丸なのです。

 

全力かつ本気で継承争いに負けたい皇子たち。
アホに関わりたくないのに引きずり回される月天丸。
アホな息子たちの性格を完全に把握して争わせる皇帝パパ。

 

あまりにも熱く燃え上がるバカバカしい戦いと、それをドン引きしつつ傍観する月天丸という構図が楽しい。
四玄の語り口も良いんですよね。「負けるのは――俺だ」とか好き。
何かが180度ズレてる緊迫感と、四玄の無駄に高いクソ自己評価に笑います。なんでこいつこんなに自信満々なの?

 

ところで、この話の一番の被害者は月天丸だと思うけれど、将来的には国民も可哀想で仕方ない。
この馬鹿どもの誰がトップに立つのか・・・・・・国が愉快なことになりそう。
もうパパ諦めて養子とらない?アホは自己申告どおりにその馬鹿力を戦場で生かしたほうが良いと思うのだけど。

 

まぁ個人的には? 月天丸と四玄のラブコメに進むならば吝かではないのですが!? うむ。
そうなっても結局は月天丸が一番ワリを食いそうだけど、すでに兄弟以外はその方向性で納得してるっぽいですし。
確かに真面目な月天丸が舵をきって血筋は四玄が繋ぐのが一番良いのかも・・・・・・

 

争譲戦に巻き込まれた結果、綺麗にオチがついてしまった月天丸がどこまで逃げられるのか見ものですね!

 

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