出稼ぎ令嬢の婚約騒動 次期公爵様は婚約者に愛されたくて必死です。/黒湖クロコ



出稼ぎ令嬢の婚約騒動 次期公爵様は婚約者に愛されたくて必死です。 (一迅社文庫アイリス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★☆☆☆
2019年9月刊。
子供の頃に出会った憧れの人に感銘を受けた結果、あちこちで働きまくるようになった貧乏伯爵令嬢。
そんな彼女の婚約にまつわるカラ騒ぎを描いたラブコメです。
誤解と空回りが繰り広げられる話なのだけど、うーん、ちょっと私は流れの不自然さに戸惑ってしまいました。
両片思いなストーカー同士の恋っていう設定は悪くなかったのだけど。

☆あらすじ☆
身分を隠して貴族家で臨時仕事をしている貧乏伯爵令嬢イリーナの元にある日、婚約話が持ち込まれた! 家のための結婚は仕方がないと諦めている彼女だが、譲れないものもある。それは、幼い頃から憧れ、「神様」と崇める次期公爵ミハエルの役に立つこと。結婚すれば彼のために動けないと思った彼女は、ミハエルの屋敷で働くために旅立った! 肝心の婚約者がミハエルだということを聞かずに……。婚約相手を知らずに婚約者の屋敷で働く少女と、婚約者として見向きもされずに四苦八苦する青年のすれ違いラブコメディ! 

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語は貧乏伯爵令嬢イリーナが政略結婚の話を聞いた直後、両親に黙って憧れの公爵令息ミハエルのところに働きに出るところから始まります。

 

なんで婚約者の家に使用人として働きに出たの?と困惑する両親。
なんで婚約者が自分のうちで使用人やってるの?と困惑するミハエル。
なんでミハエル様は使用人の私にやたら構うの?と困惑するイリーナ。

 

本当になんで??????????

 

という、関係者一同仲良く困惑する状況からスタートするラブコメです。
みんなもう少し落ち着いて話し合おうよ!

 

この手の誤解が空回るラブコメに対して「説明すりゃ3分で解決するだろ」というツッコミが無粋なのは百も承知です。
でも言いたい。ミハエルが説明すれば済む話だったじゃないか!
イリーナの回し蹴りを目撃してパニックしてた時は仕方ないと思う。でもそこから黙っておく流れはあまり納得いかないなぁ・・・・・・

 

いえ、イリーナがミハエルに抱いているのは信仰心であり愛ではないからこのまま結婚してもマトモな関係を築けないかもしれないという危惧は分かるのです。分かるけど、それだけでは真実を打ち明けられない理由として物足りない。
もう一声、見て見ぬ振りをしなければならない必要性がほしかったかなぁって。その危惧自体の深刻さが足りないのもある。この茶番をコメディとして楽しむためにも、細かいところにも説得力がほしかった。

 

イリーナから恋愛対象に見てもらえない!っていうミハエルの懊悩自体は悪くなかったんですけどね。
ただ、そのミハエルが「婚約者」名義でお手紙を出し始めたり、一方で婚約者ではなく自分を選んでとアピールしたりと、行動に一貫性があるのかないのか私にはよくわからなくて。
政略ではなく目の前にいる自分を選んでほしいのだろうけど、なら手紙はいらないし、そもそもあのお手紙のくだり自体にどんな意味があったのか・・・・・・
ただ、彼が愛して欲しくて必死なのは伝わるから、そこだけ一貫してれば十分なのかもしれないけれど。

 

加えて、事情を知っている人間がとても多いので、メタ的に見て誰一人まともな説明をしないことの正当性が更に弱く見えてしまうんですよね。
誤解を解いた上でイリーナの真意を聞けば良いという、至ってシンプルな結論を全員が避ける理屈がとても苦しい・・・・・・

 

ラブコメ自体はうまく楽しめなかったものの、イリーナのキャラは良かったと思います。
なんでも出来るチート系使用人って楽しい。
どうせならアイスドラゴン相手にド派手に大立ち回りを見せてほしかったなー。
でもブーツの隠しナイフにはニヤっとしました。スパイしてただけある。
彼女の献身っぷりは微笑ましかったし、恋が実ってよかったし、これからは妻兼護衛として堂々とミハエルを守れるし、綺麗にまとまったハッピーエンドだったと思います。

 

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