七つの魔剣が支配する3 /宇野朴人



七つの魔剣が支配するIII (電撃文庫)【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2019年5月刊。
1年生編クライマックス。
更に深く迷宮に進み入り、魔法使いの業と悲しみを目の当たりにする第3巻でした。
すごく面白かったけれど、すごく辛い。

☆あらすじ☆
運命の魔剣を巡る魔法バトルファンタジー、待望の第3弾!
オフィーリアが魔に呑まれ、ピートがその使い魔に攫われた。キンバリーの地下迷宮に消えた生徒数の多さに、学園内は厳戒態勢が敷かれる。学生統括のゴッドフレイをはじめ、上級生らが奪還に向かうも救出活動は難航していた。
迷宮の深みに潜む魔女を相手に、自分たちに何が出来るのか? 苦悩するオリバーらに、ある人物が取引を持ちかける。それは彼らにとっての光明か、それとも破滅への誘惑か。
目指す場所は地下迷宮の更にその奥。想像を超えた環境と罠、恐るべき合成獣たちが行く手を阻む。果たして彼らはサルヴァドーリの工房にたどり付き、友人を取り返すことができるのか──。

以下、ネタバレありの感想です。

 

迷宮にすむ魔女オフィーリア=サルヴァドーリにピートが攫われた。
命をかけて救出を目指すオリバーたちは、蛇眼の魔女ミリガンの協力を得て、彼女の指導のもと迷宮を探索する―― という第3巻。

 

救出組も居残り組も力をあわせてコトにあたる剣花団の絆に感動したり、
意外と(?)親身になってサポートしてくれるミリガン先輩にハラハラしたり、
今まで以上に魔境としての本領を発揮する迷宮の怖さに胸が高鳴ったり。
もちろん囚われたピートの安否を心配する気持ちもあった。
怖い怖い魔女から仲間を取り返すことができるか否かは重要なポイントでした。

 

が、それよりも心に強く焼き付いたのは魔女オフィーリアの恋と悲しみ。

 

もうやだ・・・・・・こんな、こんな可愛い初恋を惨たらしく散らせて、魔法使いとしての彼女の定めにやりきれない思いを抱かせて、そうしてあんな結末を迎えるとか・・・・・・ああああああああ辛いいいいいいいいいい

 

オフィーリアのアルヴィンに対する恋心があまりにも初々しくて、幼気だっただけに、それが反転して泥沼に落ちていくことに、耐え難い悲しみを感じてしまいました。
自分で股間を強打する先輩に笑っていた頃が懐かしすぎて胸が痛い。
あんなラブコメな出会いがこんな悲劇になるとか・・・・・・鬼かな?

 

淫魔の魔導が、純粋な恋心を凄惨に塗りつぶしていく。
なんて悲しいのか。
魔法に心が押しつぶされていくことが魔法使いの抱える業で、オフィーリアが迎えた結末は誰にだって起こりうる未来かもしれなくて。

 

あのオフィーリアの最期、どうしようもなく恋した男に介錯されるのではなく、ずっと彼女を見守っていてくれた幼馴染に連れて行かれるっていうのが、なんというか、「あっ、そっち・・・・・・」って切なくなったんですよね。
彼女の恋は最後まで届かなかったし、報われなかった。でも誰も傍にいなかったわけじゃない。
救いがあるのやら、ないのやら。感情がグチャグチャになりますね。

 

なんだか未来への漠然とした不安を抱かせる1年生編クライマックスでした。
オフィーリアの最期が儚くも美しかっただけに、余計に不安になるんですよね。パッと咲いて散るんじゃないよ・・・・・・そういうのナナオとかオリバーとかがやらかしそうで怖いんだよ・・・!
剣花団の誰もがオフィーリアにならない保証はないし、カルロスになる可能性はもっと高い。だって、こういう悲劇が繰り返されてきたのがキンバリーなんでしょ。もう、本当に怖い。

 

1年生のクライマックスでこれとか。じゃあ2年生はどうなっちゃうんですか。
続きがとてもとても楽しみです。

 

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「七つの魔剣が支配する3 /宇野朴人」への2件のフィードバック

  1. つまるところこの作品はいかにもな悲劇を予感させる設定と状況があって、未来を示唆するような悲劇が繰り返されて、彼らもまたやはりそうなるのか繰り返されるのか、新たな道を切り開けるのかなんですよね。

    前作はあれがあまりにも衝撃的だったので、話としては面白いんだけどちょっとこの先を読むのが怖いです(苦笑)

    1. よっちさん、コメントありがとうございます。

      そうなんですよね。
      思わせぶりなフラグの通りに悲劇が待っているのか、それとも大逆転ハッピーエンドを決めてくれるのか・・・・・・

      前作は、後から後からショックが大きくなって、結局最後まで読めてないんですよね。読まなければと思いつつ。
      本当に怖いです・・・!

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