神華後宮厨師伝 偽りの天は花梨で邂逅す /真楠ヨウ



神華後宮厨師伝 偽りの天は花梨で邂逅す (富士見L文庫)【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年9月刊。
不本意にも女装が似合う可憐な少年料理人が、ひょんなことから公主の厨房を任されることになり、彼女の様々な無茶振りに振り回され後宮内で起こる問題に挑んでいく―― という中華後宮もの。
とにかく元気がいい主人公が魅力的な作品でした。
美味しい料理をつくり出す繊細な味覚を持つわりに、色々と感性が雑なところも好き。
比類なき美しさを持つ豪快甘党公主とのコンビも良かった。最初から最後まで賑やかで楽しかったです。

☆あらすじ☆
公主の菓子担当は可憐なイケメン!? 女装厨師、後宮の暗殺計画を曝く!
とある依頼を受け女装で後宮へ侵入していた天矢は、甘い物に目がない公主に半ば恐喝され、お菓子担当の厨師として雇われる。 開口笑(ドーナツ)、杏仁豆腐、数々の菜を頬張る姫君を横目に、後宮の闇を曝けるか!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

とある宦官により、「後宮で働く君の姉が公主暗殺の犯人に疑われているから、九族皆殺しに遭いたくなかったら潔白を証明するために公主を守り抜いてね!」と言い渡されてしまった厨師の少年・子天矢
仕方なく女装して後宮厨師として潜入したところ、件の公主・神麗珠に盗み食いの現場を目撃され、あれよあれよという間に彼女専属の厨師に任じられてしまう。

後ろ盾がない皇太子候補として、常に命の危険にさらされる麗珠。
麗珠に命じられ、後宮の妃たちが抱える問題に首を突っ込んでいく天矢。

騒がしい後宮の日々が描かれるなか、二人は麗珠を狙う凶手の正体に迫っていくことになるのです。

 

この作品、食材や料理を手がかりに様々な謎を解き明かす中華ミステリーになると思うのだけど、その探偵役である主人公・天矢のキャラクターがとにかく良かった
女装すれば誰も性別を疑わないほど、ちょっと小柄でだいぶ可愛い女顔。
それがコンプレックスになるのも頷けるほど、天矢の内面は普通の少年なんですよね。むしろヤンチャな気質。
後宮内では敬語がデフォだから外からは分かりにくいものの、これがまぁ口が悪いしガラも悪い。
女同士の陰湿ないじめが発生しても、後宮の女の孤独な悲哀が語られても、相手が天矢だから微妙に締まらないんです。何も響かないんだもん、彼。
いうて猫は猫だろ、とかね。情緒もへったくれも本当にないな!笑

 

一方で、天矢の繊細な味覚と、料理人としてのプロ意識はとても格好いい。
厨師の心構えを麗珠に語るシーンとか、材料からの逆算で料理を当てるシーンとか、要所要所で職人としての魅力を発揮しているのが良かった。
その根底にある一途な想いもロマンチックだったし、様々な顔をみせて飽きさせない主人公だったと思います。

 

そんな天矢がつくり出す料理はどれもとても美味しそうでした。
最初のドーナツとかほんと・・・・・・夜中に読むんじゃなかったよ・・・・・・パカッって開くから開口笑かぁ。そのネーミングセンス好き。
麗珠がもりもりと食べるのも分かります。いや、食べ過ぎなんだけど。食い意地はりすぎなんだよ・・・!(過去の境遇ゆえか、生来の気質なのか)

 

妖怪じみた甘党のお姫様である麗珠もまた面白いヒロインだったと思います。
人外じみた美貌と、驚愕の戦闘能力。なんだこの最終兵器。
天矢がお姫様だっこして逃亡したシーンはヒロインしていたのに、次の瞬間には釘をぶっ飛ばしてゴロツキを殲滅してたんだけど、そのやり方が怖い。骨すら貫通する飛び道具って・・・!震
正直、こういうヒロイン大好きです。だって格好いい!イケメンがすぎる!ぶっちゃけ天矢よりも格好よくて何かもう色んな意味で笑う!
冒頭のシーンも、三周回ってしっくりきました。たしかに美少女がそっちだわ。

 

暗殺事件の謎も解き明かし、隠れシスコンもあぶり出し、どうにか目の前の壁を乗り越えた麗珠と天矢。
この先どうなるのかと思いきや、最後にオチを語っちゃうんですね。
まぁこれがあってもシリーズ化はできそうだけど。
「主人と厨師というより気の置けない古い友人同士のようだった」と書いてあるけれど、友人!?友人止まりなの!?!?いやまぁ皇帝と平民の料理人じゃあそうなるんでしょうけども。ラブコメ脳の私はもう少し違う関係を見せてもらいたくてウズウズ・・・・・・

 

というわけでシリーズ化を期待します。
小舅相手にガキンチョみたいな啖呵を切る天矢が楽しすぎたから、あのキャットファイトもまた見たい。

 

余談。
表紙、一番手前にいるのが天矢(天花)で、一番奥にいるのは麗珠なんだろうけれど、真ん中は誰だ・・・?
天矢(男ver)なのかな?身長盛った???

 

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