浅草鬼嫁日記7 あやかし夫婦は御伽噺とともに眠れ。 /友麻碧



浅草鬼嫁日記 七 あやかし夫婦は御伽噺とともに眠れ。 (富士見L文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年9月刊。
最強鬼夫婦の転生ファンタジー第7弾。
馨の里帰り回です。
真紀に馨にしてあげられること、してあげられないこと。その両方を通して「真紀は本当に良い嫁だな・・・」と感動してしまうお話でした。
馨には真紀しかいなくて、真紀にも馨しかいなくて。
でも、それじゃあ、あの人の想いはどこにいくのかな・・・・・・
今後の展開がちょっと怖くなってきました。楽しみです。

☆あらすじ☆
そこは御伽噺の隠れ里。「最強の鬼嫁」夫婦を、幾つもの想いが待ち受ける。
狩人たちとの騒動を退け、無事に新学期を迎えた少し後。馨の祖父の訃報を受けて、真紀は法事へついていくことになる。訪れた九州の実家で、二人は地域にまつわる伝承と、夜毎屋敷をさまよう不穏な存在に遭遇し……?

以下、ネタバレありの感想です。

 

祖父が亡くなり、母の田舎で行われる葬儀に呼ばれた馨。
しかしあやかしたちに素性を知られた真紀を置いていくこともできず、彼女も一緒に連れて行くことを決める。
そうして二人が訪れたのは、御伽噺の隠れ里・天日羽
天女伝説が残る山奥の旧家で、馨と真紀は不思議な老女と出会い、祖父が犯した罪を知ることになる―― という内容。

 

天女伝説と老女の話、伝奇ものっぽい雰囲気があって面白かったです。

かつて農村で行われた恐ろしい儀式と、それが結んだ人外恋愛譚。
そして、ハッピーエンドだったはずの御伽噺の先に待っていた悲劇と、寂しかった男が犯した罪。

馨のおじいちゃんも悪人だったわけじゃないんだよなぁ。
でも、見えていた世界が見えなくなる喪失感って、最初から見えない人間にはきっと想像もできないものなんだろう。魔が差してしまったのは仕方ないことなのかも・・・・・・
そんな男の孫に酒天童子が転生するのも奇妙な縁ですよね。
あやかしを見る目も、あやかしから奪い返す力もある。ついでに本人より怖い嫁もいる(笑)
馨は自分のせいで家族が壊れたとずっと悩んでいたけれど、馨が馨だから家族の切実な願いを叶えてあげられたのだと思うと、なんとも救われる話ではないですか。

 

また、今回の話で、馨の心の傷となっていた母・雅子ともようやく向き合えることに。
好感度最底辺だった馨ママがようやく浮上してまいりました。
彼女は彼女なりに悩んでいたし、自分の行いを悔いていた。
距離をおいて、時間を置いて、ささくれた気持ちを宥めることで、ようやく見えてくるものもあるんでしょうね。
なんだか憑き物が落ちたみたい。

馨との和解も上手くいって良かった。
真紀に甘い馨がお母さんの好物を手土産にすることは譲らなかったこととか見ても、なんだかんだ言いつつ馨は母親のことを愛しているから。その愛が一方通行にならなくて本当に良かった。
ていうか母の愛も最初からあったんだよね。見失っていただけで。馨の名前の由来、素敵すぎてなんだか泣けてきました。

 

そんな馨をみて、真紀は雅子さんに嫉妬していたとか何とか言っていたけど、いやもうアナタ貫禄の良妻っぷりでしたよ・・・!
真紀ちゃんの馨愛は底が知れないよなぁとつくづく思います。
自分があげられない母の愛を、必死に(でも出しゃばらずに)馨に渡してあげようとするところとか。
どんだけ大好きなんだ。いや知ってる。狂うほどに好きなんだよね・・・・・・

 

・・・・・・でも真紀ちゃん、本当にどうするんだろう。

酒呑童子の魂の片割れが存在して。
それが抱える孤独と絶望は想像を絶するもので。
今でも真紀を悲痛なほどに求めていて。

「僕らがゼロだと言うのなら、この感情はいったい何だ」というセリフが辛すぎて死にそうです。
いくら「茨姫と酒呑童子」ではなく「真紀と馨」としてもう一度恋をしたのだと言っても、前世がなくなったわけじゃない。
真紀が馨以外を選ぶとは到底思えないけれど、「シュウ様」の一部を見捨てることなんてできるのかな・・・?

 

ううう、続きが気になる・・・!
なんてエモい展開になってきたんだ!愉しい・・・!

 

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