悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6 /永瀬さらさ



悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6 (角川ビーンズ文庫)【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★★
2019年9月刊。
とーーーっても面白かった!
全てを手に入れたい最強悪役令嬢と、全然思い通りに動いてやらない最恐魔王の波乱の恋を描く異世界転生ファンタジー第6弾。
前後編の後編ということで、舅襲来からの一連の大騒動が遂に決着。
全キャラ総動員でハッピーエンドを目指して爆進する、めちゃくちゃ熱いクライマックスでした。
特にとあるキャラの活躍と掘り下げは最高かつ文句なし。
1巻時点ではこんなに味のある人物になるとは思わなかったなぁ。株の上がり方がエグい。
命をかけた緊迫の展開が続く一方で、緊張感を放り投げたキャラ同士の掛け合いが楽しくて何度も笑いました。みんな大好き。
完結なのか続くのか分からないけれど、今後も推していきたいシリーズです。みんな読もうね!

☆あらすじ☆
世界の運命をへし折って、ラスボスとハッピーエンド目指しました
魔王クロードの竜化で、ほぼ成立してしまう破滅ルート。正ヒロイン・アメリアのいう“正しい運命”に世界が動き出す中、アイリーンが選んだ手段とは——!?
最愛の人を守りたい悪役令嬢の一発逆転物語、最高潮へ!

以下、ネタバレありの感想です。

 

ルシェルの本体に乗っ取られてしまったクロード。
残されたアイリーンは、味方たちの協力を得ながら、クロードを取り戻すために反撃を開始するのです。

 

これまで以上に全キャラ総動員で誰もが活躍をみせた第6巻
それぞれが破滅を回避するため、自分にできることを必死に取り組んでいく。こんなの胸が熱くならないわけがありません。
いやほんとアイリーンの下僕たちは頑張ってた。
全員が下僕根性を発揮してヤケクソ気味にラストバトルへ流れ込む展開とか超ワクワクしました。緊迫の展開なのに泣き言が激しくて緊張感が仕事しない!笑
命を賭けても賭けなくてもヘソを曲げるイマジナリークロードとか笑うでしょ。
でも実際は問答無用の撃墜でしたね。そろそろ反乱が起こるのでは?滅殺!(ビーム!)

 

さて、下僕たちの奮闘に援護されつつ、アイリーンはルシェル・グレイス・アメリアの3人の過去に何があったのかという真実へ迫っていきます。
歴史の闇に葬られた、姉妹と一人の男の三角関係愛憎劇。
予想以上に残酷な話で、ちょっとだけアメリアに同情してしまったり。
だってさぁ、姉の夫だと知らずに惹かれて、劣等感に苛まれる心の支えにしていたって考えると、アメリアの恋って惨いでしょ・・・・・・
というかルシェルが気を持たせるのも悪いのでは?
「義娘」としてアイリーンを認めたあとの懐きっぷりを見るに(人懐こくて甘えん坊なワンコ気質・・・)、ルシェルが「義妹」であるアメリアにどんな態度をとっていたのか察するものがあるというか。
何も知らない女に誤解を与える言動だったんだろ!絶対そう!
これはもう姉妹揃ってパパを殴るしかなくないのでは??(いや鉄拳制裁されたけど)

 

というわけで少し悪役に同情しつつあったので、彼女がきちんと救われ「勝ち逃げ」を決めてくれてホッとしました。
あそこ、姉妹の和解エンドじゃないのも何気に好き。
謝罪も断罪も言い訳もなく、散ったらそれまでという結末だったのが潔くて良いなって思うんです。

 

アイリーンに介錯されたことも、アメリアにとっては救いだったんじゃないかなぁ。
本物か偽物かに囚われてきたアメリアの苦しみを、本物でも偽物でもないアイリーンが切り裂いた。「あなたは間違いなく聖剣の乙女だ」と認めながら。
それって、本物の聖剣の乙女であるリリアやライバルであるグレイスにはできないことなんですよね。あの二人に言われてもイラッとするだけ。
だからあれはアイリーンにしかできないし、伝えられないことだった。アイリーンが認めたことで、アメリアの自尊心すら救えたんだと思うんです。
うーん、そう考えると、アイリーンってばめちゃくちゃ「主人公」ですね。

 

アイリーンが「主人公」な活躍をする一方、激しい戦いの中で強烈な存在感を見せたのが「ヒロイン」リリア。
今回の騒動を通してリリアという「人間」が丁寧に掘り下げられいて、そこに読み応えを感じました。
これまでずっと「プレイヤー」としてのスタンスを崩さなかったリリアだけど、これでようやく今の世界を「自分が生きている世界」として認識したということですよね。

 

思えばアイリーンは前世を思い出してもアイデンティティは「アイリーン」だった。でもリリアは違う。
「前世の自分」こそが自分であり、「リリア」は彼女にとってプレイアブルキャラクターに過ぎなかった。そこに彼女のアイデンティティはないんです。
その乖離こそがリリアの歪みや底知れなさに繋がっていたのだけど、それだけにリリアが自分を振り返りつつこの世界と正面から向き合っていく姿に、意外なほど感動してしまいました。

 

あと、セドリックへの執着で自分の変化に気づくあたり、とても乙女ゲーム(というか少女小説)のヒロインらしくて良かった。リリアの軽薄で嘘っぽいのに本気な愛情表現、すごく好きです。
誰もセドリックの優秀さに気づかないことに不満を感じるくせにアイリーンがそれを認めると複雑な心境になってるところとか、リリアのくせに可愛いじゃないか・・・笑

 

そんな感じで今回とてもリリアが目立っていたけれど、それでもやっぱり「主人公」なのは我らがアイリーン。
「ざまをみなさい、リリア様」のセリフ、大好きです。
個人的にザマァ展開って苦手なことが多いんだけど、これは最高のザマァ。
この世界をゲームだと切り捨て、周囲の人をキャラクターだと割り切ってきたリリアが、その人たちの想いによって救われる。この世界こそが生きるべき場所だと思い知らされる。
「プレイヤー」を嘯く傍観者気取りに「現実」を優しく温かく突きつけたわけです。良いな〜〜スッとした!

 

さてさて、クロード皇帝就任で、全年齢の壁も突破し、みんな幸せな大団円。
これは・・・・・・えっ、完結ですか??どっち???
あらすじもあとがきも微妙な言い回しで「最終巻」とも「完結」とも明言してないのだけど、続きますよね??
まだ3と4のFDもあるらしいし、なんだったらゲームが終わったその後の世界を描いてくれても良いのだけど!?

 

とは言え綺麗に終わってるんですよね〜
ここで完結と言われても満足できちゃうくらいに。

どうなるんでしょう?
今回の話が最高でひとまず満たされたので、のんびり続報を待ちたいと思います。

 

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