十三歳の誕生日、皇后になりました。2 /石田リンネ



十三歳の誕生日、皇后になりました。2 (ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2019年8月刊。
「ちょうどいいから」という理由で簒奪帝の皇后に選ばれた少女の後宮奮闘記第2弾。
待望の続編に大歓喜!しかもコミカライズ決定ということは3巻以降もあるのかな!?ワクワクですね!

肝心の本編は、期待に十分応えてくれる面白さでした。
子どもっぽい天真爛漫な振る舞いと、「子どもらしさ」すら計算に入れる理知的な瞳。
恋心に浮かれる無邪気さが可愛いけれど、彼女の想いは決して幼いものではなくて。
1巻同様、惚れてしまいそうなほど魅力的なヒロインです。唯一無二だと思う。

暁月との支え合う夫婦関係も素敵でした。
ところでカバーイラストは寝室縛りなのでしょうか。1巻に続き最高ですね・・・!

☆あらすじ☆
あなたに愛されるためなら、わたくしは死んでもいい! 熱い声援で続編登場
ちょうどいいから、で赤奏国の皇帝・暁月の皇后となった十三歳の莉杏。
暁月との仲は、“かくれんぼ”をして遊ぶおままごと夫婦のままだ。
それでも『皇后』らしく、後宮で起きたもう一つの冠の謎や、新たな妃候補との対決を経て日々成長していく。
そんななか、暁月が白楼国の皇帝に呼び出された!!
莉杏は暁月の不在を政敵の目から隠すことになり!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

相変わらず、堯佑皇子を筆頭とする反対勢力との駆け引きに明け暮れる赤奏国皇帝・暁月。
一方の莉杏は皇后としての仕事や勉強に精を出しつつ、後宮や宮廷で起こる様々な事件に対処していくことになるのです。

 

出処の分からない「もうひとつの皇后の冠」、
堯佑皇子の姪の後宮入りを阻止するための「闘茶」、
白の皇帝から呼び出された暁月の不在を隠すための身代わり工作。

次から次へと起こる問題に対し、自分の全てをフルに利用して解決を目指す莉杏。
そんな彼女の姿は、大変に愛らしく、ゾッとするほど優秀で、相変わらず底知れない魅力に満ちたものでした。

 

未だ「子ども」である莉杏は、大人のようには振る舞えない。
しかし「皇后」である莉杏は、自分のしたことの意味をしっかりと見定めなければならない。
そして、「子どもの皇后であること」は莉杏にとって大きな弱点であると同時に、大きな武器でもある。

この塩梅が楽しくて仕方ない。
莉杏って決して「子供らしくない」わけではなくて、年相応の幼さと不相応な優秀さが自然に両立しているんですよね。そこにとても惹かれてしまう。

 

暁月が「まだ子どもだぞ・・・」と戒めなきゃいけないほど莉杏に期待したくなる気持ちはとても分かります。
私だって難題が起こるたびに「莉杏はどうやって解決するのだろう」とワクワクしてしまいますもん。
未知の可能性のかたまりのような主人公だと思います。もうめっちゃ好き。

 

今回は特に闘茶騒動の収め方が良かったなぁ。
贅沢かつ優雅に見えて足の引っ張り合いに明け暮れるゲームはどこか無粋で、それを根幹からひっくり返す莉杏に胸がスッとしました。
逃げられない戦いでも同じ土俵には立たない。試合に負けて勝負に勝つとはこのこと。
莉杏らしさ満点の、素晴らしい機転だったと思います。

 

莉杏の活躍も楽しいけれど、それを傍で見守る暁月がまた素敵。
というかこの夫婦が本当に素敵すぎる。

期待で潰したくないと気遣う暁月と、その期待に応えたいと頑張る莉杏。
共に支え合いながら、一歩一歩成長していく夫婦の姿がとても愛しくて。

ラストの夫婦喧嘩とか最高なんですよね。
「あなたに愛されるためなら死んでもいい!」と叫ぶ姿に、莉杏の恋って情熱的だけどまだ幼いよな・・・と舐めてた気持ちを張り飛ばされた感じ。
新しい妃が入れば女の戦いが起こるのかなぁ〜とか無邪気にワクワクする姿に騙されました。
13歳とは思えないほど愛が重い。それと同じくらい重い愛を求める姿は、とても「幼い」と言えるものではなくて。
燃え盛る炎のように激しい愛は、朱雀神獣の加護を受けた夫婦にぴったり合っているのではないでしょうか。

 

莉杏の激しくて真っ直ぐな愛に、どんどん飲み込まれていく暁月の困惑も楽しい。
惚れた方が負けだという言葉があるけれど、あれはとんでもない嘘だ。から始まる暁月の述懐、最高じゃないですか??
莉杏によって変えられていく自分を自覚して、敏い莉杏がそれに気づくことも理解して、羞恥のあまり「先に惚れとけばよかった」と悔やむヒーロー最高すぎない???
負け惜しみっぷりにキュンキュンするんだけど????

まさに暁月は恋に落とされている真っ最中。
それに抗うわけじゃないけれど、負けた気分になるのも癪に障る。
そういう複雑な心境が大変美味しかったです。

 

でも物理的にも(笑)精神的にも莉杏にマウント取られるのは仕方ない気がするけどなー。
だって莉杏は「覚悟」を決めているのに、暁月はまだ決めきれていないのだし。
それに、あんな恋心いっぱいの笑顔で伸し掛かられたら白旗あげるしかないですよ(今回の挿絵、最初と最後の2枚に悶絶しました。可愛い・・・!あ、かくれんぼの伏線回収シーンも忘れてはいけない!)

 

恋愛パートも事件パートも全部楽しくて、本当に良いシリーズだと思います。
そして話はいよいよ『茉莉花官吏伝』に繋がる展開に入ってきました。
それはつまり、本編では既に描かれている堯佑皇子との決戦が間近に迫っているということ。

あの事件を暁月と莉杏を中心に描き直すのかな?茉莉花登場もあるのでしょうか?
続きを楽しみに待ちたいと思います。

 

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