アリア嬢の誰も知らない結婚 /我鳥彩子



アリア嬢の誰も知らない結婚 (集英社オレンジ文庫)

評価:★★★☆☆
2019年7月刊。
オレンジ文庫の皮を被っているけれど、中身は完全に少女小説ですよね?って感じの溺愛ダダ甘魔法学園ファンタジー。
秘密の花嫁となったぼんこつ令嬢が、やたら可愛がってくる先生兼夫の猛攻に振り回されつつ、学園で起こる様々なトラブルに奔走していく物語です。
魔法や精霊がラブコメを可愛く彩っているのが良かった。
我鳥節全開で読み口軽めなので、サクッと楽める作品だと思います。

☆あらすじ☆
王立学士院魔法学科8年生で落ちこぼれのアリアと、エリート研究者兼教師で王族のラルシェのふたりには秘密があった。実はとある事情から夫婦になってしまっているのだ。正式に結婚する条件は、アリアがしっかりと魔法を使えるようになり、学士院を卒業すること。しかしトラブル体質のアリアには今日も様々な試練が……?
秘密のマリッジ・マジカル・コメディ!

以下、ネタバレありの感想です。

 

王立学士院魔法学科に通うアリア嬢は、珍しい魔法を持つが全く制御できないという残念な少女。
そんな彼女には、誰にも言えない大きな秘密がある。
それは、王族でありながら学士院で教鞭をとる第三王子ラルシェと、とある事情により婚姻を結んでいるということ。

幼い頃からの初恋の相手とはいえ、トラブルに巻き込む形でラルシェと結婚してしまったことに負い目を感じるアリア。
外では厳格なのに二人きりになると溺愛ムーブをかますラルシェのこともアリアは「自分に気を遣っているだけ・・・」と思い込んでいるため、当のラルシェがアリア可愛すぎてしんどい状態になっていることにも気づかないのです。

そんなこんなで両片思いな新婚夫婦は、今日も人目を忍んでイチャイチャしまくるのでしたーー! というお話。

 

アリアとラルシェの関係がダダ甘のゲロ甘で、もう凄かったです。ちょっと読んでて恥ずかしくなるレベル笑
結婚済みなのに王様命令で公表できない関係、と素直に思い込んでるアリアを愛でるラルシェ。
この夫の意地の悪さが楽しい。ラルシェの方は「別にバレても平気平気〜」ってノリなので、「設定」に乗っかりつつ全力でアリアを追い詰めていくんですよ。焦るアリアを愛で倒したくて。
神聖な学び舎で何やってるんだろう、この男。お兄ちゃんじゃなくてもそう思うよ!
そのくせ転移能力を制御できない嫁は限界に達するとヒュンッと消えてしまうので二人の関係は常に寸止め
それに悶えるラルシェがまた不憫で笑えました。

 

そんな新婚夫婦のラブコメを可愛く彩っていくのは魔法や精霊たち。
ツッコミ役である黒鷲の精霊も良キャラだったし、寸止め装置であるアリアの転移能力も彼女の純粋無垢で残念なキャラクターを引き立てていて良かったと思います。
学園で起こる様々なトラブルも賑やかで楽しく、我鳥さんらしい軽快でテンポの良いストーリーを満喫できました。

 

あと、楽しいだけじゃなくて意外と(?)構図もしっかりしている点も好印象。
精霊を引き寄せるけれど束縛しないアリアと、精霊が近寄ってこないけれど簡単に束縛できるラルシェ。
正反対な二人の性質は終盤でより深い意味を帯びることになり、その関係性の妙に思わず「おおっ」と唸ってしまいました。
全てを知ると、ラルシェがどれだけアリアに惹かれているのかよく分かるんですよね。
自分にないものを求めて焦がれて、そうして出来上がったのが嫁が好きすぎる腹黒夫だったのか・・・・・・

 

さっくり糖分を補給でき、ラブコメとして楽しい作品でした。
シリーズ化するなら次も読みたいです。

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