偏屈王の妖精画家 美を愛でる令嬢は筋肉がお好き /彩本和希



【電子オリジナル】偏屈王の妖精画家 美を愛でる令嬢は筋肉がお好き (集英社コバルト文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年7月刊。
コバルト文庫の電子オリジナル作品。
筋肉フェチで妖精画家の貴族令嬢と、人から忌まれる容姿を持った青年国王の出会いから始まるファンタジーです。
コンプレックスをこじらせた王様の心を、優しい言葉で解きほぐしていくヒロインの言動がとても素敵でした。推しを愛するオタクは強い。絵も描けるなら更に強い。
妖精絡みの不思議な現象を主役二人が解き明かしていくストーリーとしても面白かったです。シリーズ化してくれたら嬉しいな。

☆あらすじ☆
リューナック伯爵令嬢のフィオナは絵を描くことが何よりも好き。妖精の姿を見ることのできるフィオナは、従者のウィルを伴って王国中を旅しながら、妖精の絵を描く日々を送っていた。そんな旅の途中、フィオナに執着する美貌の青年男爵クロウリーに捕まり、拉致されそうに。必死に追っ手から逃げるうち、誤って谷底に落ちてしまう。そんなフィオナを助けてくれたのは、彼女が理想と思い描いていた容貌の持ち主で…!

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の舞台は、光の一族と呼ばれる妖精によって創られたパラルビオン王国。
妖精を見ることができる人々がほとんどいなくなった現代。
妖精を見て、その姿を描くことができる貴族令嬢フィオナは妖精画家と呼ばれていた。
そんな彼女に目をつけたのはパラルビオン王国の新国王ディオン
ディオンはフィオナに自分の肖像画を描いてほしいと依頼するが、それには妖精絡みの奇妙な事情があってーー というストーリー。

 

光の一族に敵対した影の一族に通じる容姿を持つため、王族でありながら人々に畏怖されてきたディオン。
そんな彼に対して、影の一族のような屈強で雄々しい姿かたちこそ美しいと真っ向から言い放つフィオナ。

一般的な価値観にとらわれず自分の美意識のみを語るフィオナの言葉は、コンプレックスをこじらせたディオンの心をこじ開けていきます。
芸術家肌で筋肉フェチ。おんぶついでに僧帽筋にスリスリしちゃうような変人なんだけど、ディオンの闇を消し飛ばすようなフィオナの明るさには胸がスッとしました。

 

フィオナが絵を描くたびに、ディオンが抱えていた問題がスルスルと解消されていくのも気持ちが良い。
フィオナの絵はディオンのコンプレックスを優しく包み込み、彼に遠慮していた周囲の人の気持ちすら解きほぐしていくんです。
まるでフィオナの「好き」が他の人にも影響していくような・・・・・・
確かに「私の推しはこんなに魅力的なのよ!」って絵で伝えられるオタクは強いもんね。プレゼンばっちり。布教力バツグンでした。

 

そんなフィオナは、ディオンとともに妖精絡みの事件にも関わっていきます。
1話目、2話目と妖精事件簿っぽい内容で、3話目にしてフィオナとディオンの二人のルーツを解き明かすという構成がよかった。
光の一族、闇の一族という伝承と、フィオナの能力、ディオンの容姿という現実。その2つの要素が1本の線で繋がることのカタルシスが素晴らしかったと思います。
妖精事件簿自体も面白かったし、フィオナたちの物語としても1冊できっちり楽しませてくれたので、とても満足できました。

 

あと、なにげに好きだったのが従者のウィル
自由奔放なウィルの正体に思わずニヤニヤしちゃいました。
ウィルとフィオナの世話を焼いて焼かれる関係がすごく心地よかったので、このオチは納得。
いつの日か本来の姿に戻って欲しいなと思いつつ、今しばらくは妖精従者として賑やかにフィオナに協力してほしいなぁ、とかも思ったり。

 

綺麗に終わっているけれど、どうにかして続かないかなー?
ラストの引き的にシリーズ化もいけそうなんですよね。
王宮に持ち込まれる妖精事件を国王夫妻が協力して解き明かす物語とかめっちゃ面白そうだし(実際、今回の事件の数々も面白かったし)、コバルト文庫らしくて大好物なんだけど。
こっそり期待しておきましょう。

 

余談。
本作で一番好きなセリフは、「他人の性癖をあばいたつもりが自分の性癖まで撃ち抜いちまったんでさ。この業界じゃよくあることです」でした。笑った!

 

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「偏屈王の妖精画家 美を愛でる令嬢は筋肉がお好き /彩本和希」への2件のフィードバック

  1. 筋肉好きの主人公とか面白そうと思い買おうか悩んで読メの感想見てから決めようと思ってたのに…全然感想上がらなかったのでみかこさんの感想で買う決心が付きました!今後もブログ応援しています(*゚∀゚)

    追伸、スキルが強すぎてヒロインになれませんも影響されて、つい買っちゃいましたw

    1. 林檎さん、コメントありがとうございます。

      筋肉好きの主人公!なんだか惹かれるワードですよね分かります(私もそれで買おうと思ったので笑)
      ぜひぜひ読んでみてください〜!一緒に楽しんで頂けたら嬉しいです(^^)
      ブログの応援もありがとうございます。がんばりますね!

      「スキルが強すぎてヒロインになりません」を手にとってもらえて嬉しいです本当に嬉しいです!!
      どうか楽しんでいただけますように〜〜〜!!(力の限り念じる)

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