異世界迷宮の最深部を目指そう12 /割内タリサ



異世界迷宮の最深部を目指そう 12 (オーバーラップ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2019年7月刊。
アイド戦を描く第12巻。
相変わらず表紙が美麗ですね。
男二人の姿がこんなに美しく儚げな絵になって、それがちゃんと内容に合ってるのがすごく良い・・・・・・でも姉弟verとかも見たかったなぁ(欲張り)

☆あらすじ☆
――返り咲く『白桜』
ディアと陽滝を取り戻し、『風の理を盗むもの』ティティーを故郷へ送るべく、ヴィアイシア国へ向かうカナミたち。
一方、『木の理を盗むもの』アイドは、その王都にて着々とカナミとの決闘に備えていた。
――すべては『統べる王(ロード)』のために。記憶の最果てにある『代償』が何かを知らずに。
……そして童は、その瞳の中に答えを知る。
「――姉様。よかった、今度は間に合いました」
千年より長い一瞬の『いま』『ここ』に、寄り道は終わる。
白桜に満ちた『第四十の試練』の帰り道を、童二人が歩いていく。

以下、ネタバレありの感想です。

 

四十階層の守護者「木の理を盗むもの」アイドとの決戦。
ティティーとアイドの姉弟の未練を果たし、最愛の妹を取り戻すため、渦波がヴィアイシア城へと乗り込む第12巻。

 

途中まで、主人公って誰だったっけ・・・?という気分で読んでました。

 

いやだって弱者アイドが圧倒的強者カナミを相手に、工夫をこらし、怯える心を叱咤し、果敢に立ち向かう物語ですよね、これ。
準備に準備を重ねて整えたフィールドで自分の攻撃が通じた瞬間の喜びとか、それを容易に逆転されることへの絶望とか、勝利への泣きたくなるような切実な祈りとか。
アイドの心情描写が主人公か???ってレベルで丁寧に描かれているんです。
実力差のある二人の戦いを弱者側から描いてくれたおかげで、最後まで緊張感をもってバトルを楽しめました。面白かったです。

 

とはいえ、アイドは主人公ではなく、主人公に倒される(=救われる)側の存在。
渦波の声が届くようになってからは、まるで悲劇の英雄のようだったアイドの心のゆらぎが見えるようになります。
自分を奮いたたせて強敵に挑む勇者から、都合の悪い部分に目をつむって身勝手に泣き叫ぶ臆病な少年へ。
その愚かしさが見えてくると、アイドを救おうとする渦波の奮闘もじんわりと伝わってくるのです。
「未練を果たす」っていうクリア条件、相変わらず切なくて優しくてすごく好き。

 

アイドが目を覚ましたあとのティティーとの共闘もすごく良かった。
ようやく手を取り合えた姉弟の姿に胸がぎゅっと締め付けられそうでした。鵜飼さんの挿絵も本当に素敵。
共鳴魔法もズルいですよね。美しすぎる。毎回思うけど、詠唱のなかに人生が詰まってるのも本当に泣ける。

 

アイドとティティーが未練を果たし、使徒シスを打ち倒し、ようやく求めていたものを取り戻せたカナミ。
でも妹の状態はハッピーエンドがまだ先であることを教えてくれていて・・・・・・初心ならぬタイトルに戻ってゴールを目指すわけですね・

 

ところでディアはもう大丈夫なの?
骨にヒビ入れられても子犬が戯れてるもんだ可愛い可愛いとか言うカナミに涙を禁じ得ないんだけど(なんかもうムツゴ○ウさんみたい)、一応彼女は落ち着いたと思っていいんだろか。
これも初めに戻ってやり直したわけだし、このままディアが安定していくといいな。カナミの骨のためにも。

 

ノスフィーの問題や最後の救援要請も気になります。
あとがきによれば次回は大きな節目となるらしいので、否応なく期待が高まるというもの。楽しみです。

 

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「異世界迷宮の最深部を目指そう12 /割内タリサ」への2件のフィードバック

    1. コメントありがとうございます。

      わかります(笑)
      もはや負けイベント的なラスボス感でした。

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