わたしの幸せな結婚2 /顎木あくみ



わたしの幸せな結婚 二 (富士見L文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★☆☆
2019年7月刊。
不遇な身の上に育った少女が、少しずつ幸せを手に入れる姿を描く和風ファンタジー第2弾。
前巻で謎のままだったアレコレの真相が明かされました。
主役二人の距離感については、一進一退を繰り返しているように見えて、ちょっとずつ近づいてるな、という感じ。

☆あらすじ☆
ただ居場所が欲しいんじゃない。旦那さまのそばだけがいい——。
清霞の婚約者として勉強もはじめ、穏やかな日常が訪れたかと思った。けれど美世は夜ごと悪夢に襲われ、だんだん衰弱していく。それがきっかけで、美世と清霞はすれ違い、美世は家を出ることに——。

以下、ネタバレありの感想です。

 

清霞の婚約者として立派な淑女になろうと、彼の姉・葉月に教えを請うことになった美世。
しかし、根を詰めすぎて無理を重ねた上、毎夜悪夢に襲われ睡眠不足の美世は、それを誰に相談することもなく一人で抱え込んでいた。
一方、清霞は美世の不調を察していたものの、何か言われるまでは待とうとしてーー という、それは不和のもと!のお手本のような状況から始まる第2巻。

 

前巻で絆を結んだようにみえても、未だ助けを求めることができない美世にとてもヤキモキしました。
同時に、清霞に対しては美世が「弱音を自分から言う子じゃないって分かってるでしょ!」とモヤモヤ。二人揃って引っ込み思案が過ぎる・・・!

 

まぁ人はそんなに簡単に変われないというものなのか。
仕事で疲れている清霞に「困ってるんで聞いてください!」って私事を相談できる美世は美世らしくないし。じれったいけれど。

 

その上、美世は現在進行形で「家族」の形を模索中なわけで。
教本にかぶりつき、先輩の教えを聴き込んで、必死に「あるべき妻の姿」を整えようとする姿は痛々しい。
でも、「家族」がどんなものか分からないからこそ、そうなっちゃうんだよなぁ・・・・・・
理不尽なほど失敗を許さない家族のもとで育ってきたから、今そばにいるのが優しい人達だと分かっていても、「失敗しないように」という強迫観念が先にきてしまう。
守りたい居場所だと思うから壊してしまう恐怖に苛まれるわけで、その幸せ慣れしていない雰囲気が憐れみを誘うのです。

 

さて、そんな風に焦りを抱える美世の前に現れたのは、母方の血縁である「薄刃家」。
彼らの話から、前巻で謎のままだった異能者一家と、美世の異能の秘密、そして美世の母が斎森の家に嫁がされた理由が一挙に明らかになりました。
一連の騒動の黒幕については、正体の割にあっさりと解決したかなぁ、という印象。
最高権力者と敵対とかめっちゃ盛り上がるパターンなのに、気づけばクリアできていた感じで若干の肩透かしを感じました。
うーん、彼の懸念自体はわかるのに。
薄刃家の方も掟に雁字搦めで異能に執着していたのに、美世が決めたらあっさり返すんだーみたいな。なんだろう。えっ、これで終わり??みたいな・・・・・・

 

でも前回モヤっていた部分は今回で解消されたし、これから美世の異能に連なる問題の数々に向き合っていくことになるのかもしれません。期待します。

 

引き裂かれそうなピンチを乗り越え、少しは素直になれた美世と清霞。
もう少しワガママな部分を見せ合える二人になるといいな、と祈りながら次巻を待ちたいと思います。

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