呪術廻戦 逝く夏と還る秋 /北國ばらっど



呪術廻戦 逝く夏と還る秋 (JUMP j BOOKS)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年5月刊。
小説版『呪術廻戦』第1弾。
高専の3人組が揃ったところから、再び揃うまでの空白期間を描いたノベライズです。
世界観の補完になるし、意外なくらいキャラの内面に踏み込んでいて読み応えがありました。
今まで幾つか読んだノベライズの中でも特に面白かった。シリーズ化するといいなー。

☆あらすじ☆
虎杖の死の直前から、交流会開始までの空白の物語が描かれる小説版が登場!
里桜高校での事件後、虎杖はある呪いに悩む少年と出会う。しかし、その呪いは倒しても倒しても蘇り、少年を苦しめる特殊な呪いだった! 順平を助けられなかった後悔から虎杖は自信を喪失していくが、そこで五条はある問いを投げかけ…
他にも虎杖と伏黒の秋葉原散策、五条と七海の北海道出張、真人とある老人の交流、伊地知のお仕事大公開と、大ボリュームでお届け!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

虎杖と伏黒が五条を追ってアキバのメイドカフェに潜入してエモエモする話。謎すぎて草。
挿絵の伏黒、完全に目が死んでるけど、おとなしく天使コスしてチェキってるのが人の良さを感じて最高でした。いや抵抗する気力も奪われていたのか・・・・・・

あと伏黒の「最大限のいやがらせ」も可愛すぎでは?もっと物騒なことできるのに??
まぁ彼が本気で実行したら勢いで鼻が押し潰されそうなので、実はあんまり可愛くないのかもしれないけれど。

それにしても虎杖のコミュ強ぶりは流石です。メイドさんとキャッキャして楽しそう。
話に出てくるジャンプ漫画がわかりやすくてニヤニヤしました。

 

ナナミーーン!めっちゃ好き!!

七海と五条の男ふたり出張回。
札幌をぶらりと歩いているだけでも、日頃の七海の苦労がめちゃめちゃ伝わりました。
息を吸って吐く間に溜まっていくストレス量が半端ない。

前半はのほほんと観光してるのに後半で一気にお仕事モードに切り替わるのも面白い短編でした。
学生たちが関わらないプロの事件は、迅速解決で後味苦し。

 

順平に出会う直前の真人の話。
あー、あのトンネル!となった場所で起こった、真人と盲目の老人の出会いと、突然の別れを描くエピソードです。

今回読んだ話の中で一番キャラの内面に踏み込んでいる気がしました。
深く掘り下げてあるというよりは、原作の描写からは想像できなかった真人の心の揺れが印象的だったかな。

真人の考える『自由な在り方』と、老人が囚われてしまった『人としての正しさ』。
そのズレに対する真人の感情はどう解釈すればいいんだろう・・・・・・失望?寂しさ?なんだろうこれは。本当に、どういう感情なんだろう。

どういう感情にせよ、真人が何らかの感情をこの老人に対して抱いた事自体が私には意外だったりして。

 

伊地知さんのお宅に潜伏中の虎杖が預けられる話。
浮世離れしている呪術師も高専も、社会から切り離されているわけではないんですよ、ということを事務方の伊地知さんを通して描くエピソードでした。

虎杖の社会科見学みたいになってたのも面白かったし、虎杖の「死」に対する伊地知さんの後悔と覚悟もしっかりと描かれ、伊地知さんというキャラの掘り下げとして素晴らしい構成。
こういう脇役にもスポットを当てられるのがノベライズの良いところですよね。
漫画だったら冗長になる細かい裏設定も、小説だったら楽しく読める。

 

順平の事件のあと、伏黒たちに合流する直前に、虎杖が遭遇した小さな事件の話。
これも面白かったです。

何度祓っても蘇る「鬼」をどうすればいいか分からないと言う虎杖への五条の対応とか、その「鬼」の正体とか。
その結末を経て虎杖が仲間たちの心情に想いを馳せるところとか。
この話が一番原作の雰囲気をコンパクトに再現していたように思えました。
補完とか日常回でもなく、まさに「呪術廻戦」って感じ。
それでいて心温まるヒューマンドラマに仕上がっているところが好き。

 

予想よりも読み応えがあって面白いノベライズでした。
シリーズ化に期待します。

 

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