悪役令嬢は旦那様を痩せさせたい /はいあか



悪役令嬢は旦那様を痩せさせたい (Mノベルス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年1月刊。
王子を巡る恋の争いに破れ、「悪役」のレッテルを貼られた伯爵令嬢。
嫁入りという形で辺境に追放された彼女を待っていたのは、肥え太った公爵と自分を蔑む領地の人々だった。
しかし気の強い主人公は「負けるもんか!」と声高に吠え、バカにした奴ら全員見返してやろうと公爵のダイエットを目論むのです。

別に性格が良いわけではないけれど、こき下ろされるほどの悪人でもない。
偉そうだし癇癪持ちでだけど、裏表のない真っ直ぐさは嫌いになれない。
そんな主人公の人物像が好きです。曲者な公爵との関係の変化もよかった。

間もなく2巻が発売されるので、続きがとても楽しみです。
ちなみに本作は転生ものではありません。

☆あらすじ☆
第二王子の婚約者戦争に挑んだ、気が強くまっすぐな性格の伯爵令嬢カミラ。しかし王子は別の令嬢を選び恋に破れたあげく、婚約者の手によって悪役に仕立て上げられた。国外追放は免れたカミラだが、その罰として醜く愚鈍で『沼地のヒキガエル』と噂される辺境の領主・アロイスと結婚させられる羽目になり――!?
小説家になろう発!不器用で感情豊かな悪役ヒロインが奮闘する、大人気悪役令嬢ストーリー、書き下ろしたっぷりで待望の書籍化!

以下、ネタバレありの感想です。

 

王子の恋の相手リーゼロッテを貶め、二人の恋路を散々邪魔した伯爵令嬢カミラ
王子の恋物語に盛り上がる世間にとって、カミラの存在は物語の「悪役」のように憎々しいものだった。
人々はカミラの醜聞に激しく怒り、結果、彼女は社交界で「沼地のヒキガエル」と呼ばれる公爵アロイスに嫁がされることになるのです。

 

「悪役令嬢」と呼ばれるものの、カミラがそんなに悪人かと言われると微妙なところ。
確かにカミラは善人ではありません。リーゼロッテと対立したのは事実。彼女に攻撃したのも事実。
しかしカミラは一方的にリーゼロッテをいじめていたわけではなく、やられたらやり返す、やったらやり返された、を繰り返していただけなんですよね。なにそれ普通に陰湿に女同士でバトってただけじゃん!(普通とは)

 

しかし真実はどうであれ負ければ賊軍
カミラが行った1の行いは、10にも100にも噂され、盛大に尾ひれをつけたゴシップへと変わってしまう。
貴族としての権力を使えても、搦め手はからっきしなカミラ。
そんな彼女は「腹立つー!」とキレながらも、為す術なく追放の憂き目にあうわけです。

 

評判が地に落ちても、カミラは「負けるもんか」と前を向きます。
乙女心的に肥え太ったアロイスとの結婚を受け入れることはできないが、彼をダイエットさせて色男に仕立て上げれば自分を嘲笑った王都の奴らを見返せる。
そう考えたカミラは、一日八食のギトギト食生活を続けるアロイスを叱りつけ、彼を痩せさせようと悪戦苦闘することになるのです。

 

一方のアロイス。
「あなたと結婚するために痩せてみせましょう!」と言う割には、いつまでたっても痩せる努力をする気配がない。
癇癪持ちなカミラをニコニコと受け流すものの、その本音は全く見えてこない。カミラをどう思っているのかも良く分からない。
むむむ、これはかなりの曲者な予感・・・!とワクワクしました。温和な態度から見え隠れする、見定めようとする目が怖い(笑)

 

アロイスはのらりくらりとカミラをあしらい、公爵家の使用人たちはあからさまに「悪役」カミラを侮辱する。
そんなギスギスとした公爵家の日々が描かれる本作。
しかし逆境に屈しないカミラのパワフルなメンタルのおかげか、「ここからどうなるんだ!?」とワクワクするんです。
だって現状がマイナスに振り切っているのなら、あとは良くなっていくだけでしょう?(と思ってたら更に状況が悪化したりもするんだけど)
また、読んでいると、どんな時でも自分を曲げないカミラへの好感も芽生えてくる。彼女の良さが伝わればいいのに・・・!とヤキモキするのも楽しいポイントでした。

 

カミラ、善良な性格ではないし、頭は良くないし、物は知らないし、癇癪持ちだし、厚かましいし、全然「良い子」とは言えません。
でも彼女は、「私は偉いんだから!」と言いつつも身分で人を差別しないし、他者の言葉に耳を傾けるし、曲がったことは許さないし、自分の非を素直に認めることができる人間でもある。
結局、彼女は自分にも他人にも厳しい人なんですよね。
メイドを叱るのは「貴族に楯突いたから」ではなく「職場の上下関係を軽んじたから」だし、繰り返し謝罪を要求するのも筋を通させるため。
言動がキツいから誤解されやすいけれど、理不尽なことは何も言わないんですよね・・・・・・でも言い方ァ!

 

あまりにも真っ直ぐすぎる気性は、カミラの短所であり、長所でもある。
不器用すぎだろ・・・と呆れるシーンもあれば、やだ格好いい!と痺れるシーンもあって、そのバランスが絶妙でとても楽しかったです。

 

そんなカミラを認めていくアロイスとの関係の変化も良かった。理解者が増えていくのはカタルシスがあるなぁ。
しかしアロイスは本当に痩せるんだろうか。
色々と闇が深い人ですが(食生活しかり)、彼がカミラとどんな関係を築いていくのか楽しみです。

 

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