ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア12 /大森藤ノ



ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア12 (GA文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年7月刊。
外伝1巻から、ずっと【ロキ・ファミリア】が戦い続けてきた「都市の破壊者」。
いよいよ最終決戦です。
これまでの集大成。エピソードてんこ盛りでした。
シリーズ最大規模のバトルは胸熱だったし、とても面白かったです。
一方で、なんかこう「あれ?」と物足りなさを感じる部分もあり・・・・・・その子たちの話がメインだったの?みたいな。
と思ったら外伝最終巻ではないとのこと。なるほど。

☆あらすじ☆
『彼女達』は――冒険者達は最後の決戦に臨む
結論から言えば。
それは語り継がれることのない物語だ。
誰が勝ち、誰が負け、誰が生き、誰が死に、誰が吠え、誰が嗤い、誰が哭いたのか。そこに富と名誉はなく、倒れた者は歴史に名を刻むこともなく。誰の記憶にも残らぬまま、天の葬列に加わるのみ。
けれど、『彼女達』は臨むのだ。
巨大な悪に、邪悪極まる闇に。秩序のため、誇りのため、絆のため、『彼女達』は――冒険者達は最後の決戦に臨むのだ。
「1000年の時を越えて、もう一度冒険者達が下界平和の礎となる! ――ここに新たな神聖譚を記せ!!」
これは、もう一つの眷族の物語、
──【剣姫の神聖譚(ソード・オラトリア)】──

以下、ネタバレありの感想です。

 

魔城と化した人造迷宮クノッソス。
オラリオだけではなく、世界の存亡を賭けた最終決戦がついに幕を開く外伝12巻。

人知れず奔走してきた【ロキ・ファミリア】だけでなく、最終決戦では都市の全ての有力者が揃い踏み。
【フレイヤ・ファミリア】まで駆り出される展開にはめちゃめちゃテンション上がりました。
超豪華オールスターによるドリームタッグ!
これはもはや過剰戦力なのでは??とか思ってしまうほどド派手な総力戦がめちゃめちゃ楽しかったです。

 

その決戦に至る前振りとして明かされるのは「都市の破壊者」の正体。

 

完   全   に   騙   さ   れ   た

 

前巻を読んで「外伝はあっさりキャラを殺すから油断ならないなー(震)」とか思った私の節穴おめめ。私こそ道化じゃないか。
真犯神を追い詰める名探偵ロキの推理に、ミステリー的な「騙される快感」を味わいました。伏線細かいなぁ。最初から読み返したい。

 

さて、そんな謎解きを済ませてからの最終決戦。
今まで外伝で登場した様々な派閥が【ロキ・ファミリア】を中心に集結するわけだけど、それは【ヘスティア・ファミリア】も例外ではないのです。
リリ、ヴェルフ、春姫の奮闘は本編並み。
特にリリは大活躍でした。フィンがリリに最大の信頼を寄せるシーンとかすごい昂ぶった。
同じ種族であり、同じポジションにいて、今はまだ天と地ほど差があるふたり。
けれど、その差は確かに埋まってきていて、それをリリが示しフィンが認める展開は胸熱すぎるでしょ・・・!

 

一方で、ベルの描き方は、なかなか特殊で面白かった。
この戦いでベルは「一角の英雄」となったわけだけど、それはあくまで「語り継がれることのない英雄譚」の中の話でしかないのだと。
ベル自身の内側には触れずに彼の大活躍だけを描き、それに鼓舞される他の冒険者たちの方に強く焦点を当てていく。
ベルはあくまで盤面をひっくり返す「駒」に徹しているわけです。
なんというか、デウス・エクス・マキナ感がすごい。敵の奥の手をあっさり粉砕しちゃったし。
「未完の英雄」「ジョーカー」とはよく言ったものです。外伝はベルの英雄譚を先取りしただけってことか。

 

あくまで「外伝」の主役は【ロキ・ファミリア】。
最終決戦の中で散り散りになりながらも、都市最大派閥の意地にかけて果敢に強敵と対峙する姿はめちゃくちゃ格好良かったです。
特にベート。
全く歯が立たない敵を相手にボロボロになりながら仲間を守り抜き、打ち倒されても少女の涙に応えて立ち上がるとか・・・・・・
しびれるほど主人公じゃん・・・・・・詠唱が切ないのもズルい・・・・・・
あと、春姫の「意趣返し」にはめちゃめちゃニヤニヤしてしまった。

 

あちこちで死闘が繰り広げられるなか、最終決戦の中心人物として描かれていたのはレフィーヤだったと思います。
友の裏切りと絶望に苛まれても、友を救わんと死力を尽くした高潔なエルフ。
レフィーヤとフィルヴィスの複雑に絡まった絆こそが外伝の裏テーマだったのだと思い知りました。業が深すぎて悲しくなった。
レフィーヤが知り得なかった「もう一人」は最後まで神に囚われたままだったけれど(あれはあれで救われたのかな・・・)、でも彼女は最初に手をつないだ相手をちゃんと救えたんだと思えば、なんだか報われる気がします。

 

すごい話だった・・・・・・のだけど、ちょっとだけ「あれ?」と思う部分もあって。
アイズの描写がなんかあっさりだった気がするんですよね。
いや、復讐心をのりこえ、「黒」を振り払って「白」となる姿はとても良かったのだけど・・・!
でも正直、もっとアイズとレヴィスの戦いにページを割いてほしかった・・・!
あれだけ因縁を積み重ねてきたんだから・・・!

 

そういうわけで最終決戦大満足だと思う一方で、微妙な消化不良感があったり。
レフィーヤとフィルヴィスの話がこんなにメインに食い込むと思ってなかったからかなぁ。
何だかんだ言いつつ「アイズの物語」のつもりで読んできたし・・・・・・

 

ただ、最終決戦とはいえ最終巻ではないので、アイズの物語の本領発揮は今後に期待します。
新章は「妖精覚醒編」とのこと。妖精って誰のことだろう。またもレフィーヤ??

 

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