『マリエル・クララックの婚約』シリーズ(1巻〜5巻+コミカライズ1巻) /桃春花



マリエル・クララックの婚約 (アイリスNEO)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
萌えに生きる覆面小説家の貴族令嬢と、腹黒参謀系鬼畜メガネ(見た目)な騎士団副長の婚約から始まる恋を描いたラブコメディ。
欲望に忠実で暴走を繰り返すヒロインに笑い、彼女に振り回され毒される真面目なヒーローに笑い、なんかズレてるんだけど仲良しな二人の恋に笑える楽しい作品でした。
Wメガネという見た目だけなら優等生な組み合わせ。それなのに、なぜこうも問題児なカップルとなってしまったのか(マリエルのせい)
女の趣味がアレだったために、一身に苦労を背負うことになったヒーローの受難が最高でした。

☆あらすじ☆
地味で目立たない子爵家令嬢マリエルに持ち込まれた縁談の相手は、令嬢たちの憧れの的である近衛騎士団副団長のシメオンだった!?
伯爵家嫡男で出世株の筆頭、文武両道の完璧美青年が、なぜ平凡令嬢の婚約者に?
ねたみと嘲笑を浴びつつも、マリエルは幸せです。だって彼は私の大好物、見た目穏やかな腹黒系眼鏡美青年なのだから!
婚約者とその周りにひそかに萌える令嬢の物語。WEB掲載作を加筆修正&書き下ろしを加え書籍化!!

以下、1巻から5巻までのネタバレありの感想です。

 

1.マリエル・クララックの婚約


2017年3月刊。
人気恋愛小説家という裏の顔を持つ貴族令嬢マリエル・クララック
彼女のもとに騎士団副長シメオンとの婚約話が舞い込んできたことから、物語はスタートします。

マリエルにとって、冷徹で曲者っぽい見た目のシメオンは好みど真ん中。
なぜ自分が婚約者に選ばれたのか分からないけれど、まぁ愛がない政略結婚でも萌えがあればオッケーよ!と彼女はシメオンとの婚約関係を楽しみます。

二人の関係にはかなりの格差があるため、周囲から盛大に嫉妬や悪意を向けられるマリエル。
しかし、彼女はその全てを創作の糧として楽しみ尽くしてしまうのです。
そうしてどんな時でもニコニコと人生を謳歌するマリエルですが、シメオンがマリエルの裏稼業(小説家)に気づいている素振りをみせたことから、徐々に雲行きが怪しくなっていきーー という風に話が進んでいきます。

 

ストーリーとしては王道のすれ違い系ラブコメだし、展開も突飛なものではありません(序盤はね)
しかし本作は主人公マリエルの個性がとにかく強烈。
そして、そんな彼女にうっかり恋をしてしまったシメオンの受難が楽しくて仕方ないんです。

 

私、シメオン様の恋がすごく好きなんですよ。
なにげなく目で追い続け、自分の気持ちに無自覚なまま行動を起こして、後から「ああ、これは恋だったのか」と気づくやつ。キュンキュンする〜〜
しかも相手がマリエルですよ。第一印象、絶句するほど変態なんですよ?
この人の女の趣味面白すぎるなって笑うしかないじゃないですか。苦労すると分かってるのにマリエルを選んじゃうところが何かもう愛を感じる・・・!

 

1巻後半で登場した怪盗リュタンによって、シメオン様は更にガリガリとメンタルを削られることになるわけだけど、彼の受難はまさに始まったばかりなのです。

 

2.マリエル・クララックの最愛


2017年9月刊。
変態オタクに恋をして、苦労するとわかっていてもマリエルを選んだシメオンさま。
案の定苦労したので2巻にして大爆発です。たのしい!

オタク仕草の強い愛情表現は一般人には伝わりにくい、ということを強く感じました。シメオンさま頑張れ。
しっとりと良い雰囲気になってもすぐ「その開き具合絶妙!」とか言っちゃうマリエルを好きになったのは貴方でしょ。

でもマリエルの愛情表現、私は可愛くて良いと思うんだ。
シメオンさまの格好良さに悶えて「やだもう、どこのヒーローよ!わたしのヒーローよ!」とバタバタする興奮具合とか。
推しへの愛と恋人への愛が絶妙に混ざりあうオタクの愛。これぞまさしく恋するオタク。

 

3.マリエル・クララックの誘惑


2018年3月刊。
この巻はマリエルの暴走が激しかった印象。
シメオンのスパイ疑惑を払拭するため奔走する姿は、恋人を救おうと頑張る健気な少女なのだけど・・・・・・
色々とマリエルの良くない部分が目立ってたというか。うーん。謝罪にこだわるところとか。うーん。
いやぁ、彼女が言わんとすることはわかるし、ある意味マリエルも被害者なのかもだけど、向こうも機密を扱う仕事だしなぁ・・・っていう。うーん。

この巻だけは、なんだか読むのがしんどかったです。嘘が多くてシリアス強めだったのもあるのかなぁ」。
でもマリエルがシメオンの心を守るために、シメオンの友人を助けに行ったシーン以降は良かったです。

ところで、なんだかんだ言って婚約者にダダ甘なシメオン様が役に立たないので(頑張って怒っても萌え返されるから・・・)、ついに殿下が鉄拳制裁に踏み切りました。
シリーズ随一の苦労人の座が、シメオン様から殿下に移りつつあるように見えるのは気の所為だろうか。
ゲンコツ飛ばしてるけれど、マリエルの無礼な小娘っぷりを見ると「殿下お優しい・・・!」ってなるのが笑えます。

 

4.マリエル・クララックの結婚


2018年9月刊。
ついに結婚!!・・・・・・なのだけど、過去最大級の受難に襲われる第4巻。
どうせ試すならもっと早い段階でやってくれません??と思いました。嫌がらせにも程がある!

 

でもシメオン様がバブみでオギャったシーンはくっっそ笑いました。
マリエルは海のように大きな萌えと愛で包んでいたけれど、正直、一生の不覚でしょコレ・・・!笑

 

さて、「ふたりともメガネのカップル」という珍しい特徴を持つマリエルとシメオン。
このシリーズ、「Wメガネ」というカップリングへのこだわりを強く感じます。いちゃつくシーンでカチャッて音が鳴るところとか。
マリエルが「お揃いのメガネ」とか言い出したときも彼女達らしいな〜と微笑ましく思ったのだけど、流石に結婚式のアレは笑いました。「えええっ!?」って声でた。そういう伏線かよ・・・!

 

ついにマリエルとシメオンは夫婦になったわけだけど、そうすると気になるのは怪盗リュタンの動き。
退場したら寂しいと思っていたので、ラストの不敵な予告状に安心しました。リュタンにはまだまだシメオン様の胃を攻撃してもらいたいからね!w

結婚式の幸せいっぱいな余韻を、黒く塗り潰すようなSSも最高。「残酷な無邪気さだ」ってやつ。本名を名乗らなかった理由の闇が深くてゾクゾクします。
今後リュタンの掘り下げあるかなー?楽しみです。

 

5.マリエル・クララックの蜜謀


2019年4月刊。
里帰りという名のハネムーン回。
豪華客船の旅に海賊襲来に敵国のスパイという冒険てんこ盛りでめちゃくちゃ楽しかったです。

そしてこの回、ついに禁忌に触れちゃったんですよね・・・・・・
ああ、ファンタジーだし貴族階級だし政略結婚だしと軽く流してきたことを、無邪気な平民の子供たちがズバッと指摘してしまった!
19歳と28歳。この世界でもギリギリアウトコースだったようです。がんばれシメオン様!

 

コミック版「マリエル・クララックの婚約」


2019年4月刊。
マリエル・クララックシリーズのコミカライズ。めちゃくちゃ面白いです。
本編を上手くまとめつつ、漫画的表現を駆使して面白さに磨きがかかっている素晴らしい作品。
マリエルとシメオンは原作を忠実に再現しているし、殿下と団長に至っては原作以上に生き生きしています。

てかね、2話ラストのソファに転がるシメオン様の色気やばくない?
3話のイマジナリー団長の絶妙に腹立つダンディっぷりも最高(「演技だな!愛がない!」の顔が好きすぎる)
あと4話の殿下の「なんかすごい喋るな・・・」と、マリエルとシンクロして「・・・ん!?!?」ってなるシーンも好きだし、ラストのマリエルの「もし今ひとりぼっちに戻ったら」の後の表情もすごく良い。ああ、その自覚しかけの顔〜〜〜(ゴロゴロ

このコミカライズ、とてもオススメです。ここから試し読みできるので、是非どうぞ。

マリエル・クララックの婚約(Pixivコミック)

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。