ダーティキャッツ・イン・ザ・シティ /あざの耕平


ダーティキャッツ・イン・ザ・シティ (中公文庫)
ダーティキャッツ・イン・ザ・シティ (中公文庫)

評価:★★★☆☆
2019年2月刊。
『BLACK BLOOD BROTHERS』『東京レイヴンズ』のあざの耕平先生による、新しい吸血鬼もの。
現代日本の闇に潜む吸血鬼たちの抗争を描いた、血と硝煙が薫るハードボイルド・ファンタジーです。
設定もキャラクターはすごく面白いと思いました。マフィアっぽい吸血鬼社会のピリピリした緊張感や人ではない者の哀愁とか。BBBを読み返したくなりました。
・・・・・・ただこれ、どうにも消化不良というか、ここで終わるの?という感じ。
シリーズの第1巻と見るなら全然OKなんだけど、続くのか分からないから評価しづらいんです。続いてほしいなぁ・・・!

☆あらすじ☆
吸血鬼は実在する。都会の夜の中に。彼らは六本木や新宿などで闇に紛れ、強大な長の統率の下、闇社会を形成している。時の流れは関係ない。“一度死んで”甦ってきた者たちこそが吸血鬼なのだから。
―そして今!変化のない時間を過ごしていた彼らに異変が。それは池袋のまとめ役の不在に端を発し…。

以下、ネタバレありの感想です。

 

都会の闇に潜む吸血鬼たち。
コミュニティを作って統率をとる吸血鬼社会において重要人物と目されていた元締めの一人・白猫(シャミ)が失踪した。
そこから起こるのは吸血鬼の派閥間での血生臭い抗争劇。
鍵を握る人間の少女を巡り、東京の夜闇を吸血鬼たちが駆け抜ける—— というストーリー。

 

ハードボイルドです。BBBもそういうところあったけれど、更に大人向けで渋い感じに仕上がっています。
あとがきで「かなり趣味的な作品」と書かれているのもなんか分かります。

 

さて、物語の中心人物はふたり。
ひとりは、失踪した大物吸血鬼・シャミの元部下であり、現在はほぼ隠居状態にあった吸血鬼・十二
シャミの知り合いだという人間の少女・遠夜と出会った十二は、シャミへの切り札として遠夜の身柄を求める吸血鬼たちから彼女を守ろうと、吸血鬼たちの戦いに身を投じていくことになるのです。

 

なぜシャミはいなくなったのか。
なぜ遠夜はシャミの『精』を中途半端に纏っているのか。

 

その二つの謎を中心に、吸血鬼たちの争いを描いていく本作。
そのアウトローな雰囲気はとても楽しかったのだけど、終盤になると残りページ数を確認しつつ「え、これ終わるの?」と戸惑ってしまいました。マジで終わっちゃった・・・・・・マジか・・・・・・

 

詰め込みすぎなのか、駆け足なのか、それとも冗長だったのか。
うーん、なんとも判断しづらい作品でした。

 

吸血鬼という「死にながら生きている」存在の歪さ、そこから生まれる哲学自体は面白かったんですけどね!
言われてみれば確かにスワンプマンみたいな存在なんだなぁ、なるほどって感じで。

 

でもこの結末を導くために吸血鬼社会の抗争を描いた意味が、私にはちょっと上手く汲み取れなくて・・・・・・
と言うより、たくさんの吸血鬼が登場したけれど全て掘り下げきれずに終わったせいか、最後の思考実験で煙に巻かれたような印象があるんです。
十二にしても、黒虎にしても、姫にしても、まだたくさんのドラマを抱えてそうなポテンシャルがあるじゃないですか。キャラが魅力的だけに、どうにも不完全燃焼な気持ちになってしまう。

 

うーん、うーん、これがファンタジアとかで出たなら新シリーズの1巻として期待感に盛り上がるところだけど、中公文庫だし連載をまとめたやつだし続きがあるのか不明確なのが何とも。

 

続いてくれと願うばかりです。
BBBみたいに壮大な吸血鬼サーガ(ハードボイルド風味強め)が読みたいんだ、私は。
あと姫が姫盛りJKスタイルな理由も気になるし・・・!いやマジで何でなんだ!!笑

ダーティキャッツ・イン・ザ・シティ (中公文庫)

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