ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 /師走トオル


ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 (ファンタジア文庫)
ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 (ファンタジア文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年4月刊。
面白かったー!
私の観測範囲で推す方が多いのでワクワクしながら読んだのだけど、これは確かに推したくなりますね!
かつて魔王に苦しめられた世界で、今再び魔王の脅威が迫っている。
いずれ来る魔王再臨に備えて奔走する英雄達を描く戦記ファンタジーです。
エルフやドワーフが存在する世界で、切れ者の主人公たちが策略を走らせていくストーリーが堪らなく面白い。
じっくりと土台から構築するような物語は、今後も凄いものをみせてくれるだろうという期待を高めてくれます。
あとキャラが良い。というかカップルが好き(ラブコメ厨)
苦しみを分かち合いながら困難に挑む主人公とヒロインとか・・・・・・良い・・・・・・良いぞ・・・!

☆あらすじ☆
これは玉座の頂を目指す英雄たちの物語
古の魔王が再臨し人類が滅亡するという未来を回避するため、最強の傭兵団の団長となったカレルは《アレンヘムの聖女》セシリアと婚約する。それは聖女の加護を受け、死の未来を回避する英雄が生まれた瞬間だった!

以下、ネタバレありの感想です。

 

魔王に滅ぼされそうになりつつも、様々な種族が協力して魔王を倒し、平和を勝ち取った五芒国(ファイフステル・ランデン)。
その魔王戦役から200年ちかく経った現在、世界に再び魔王の脅威が忍び寄っていた。
それに気づいたのは「自分が死ぬ夢を見る」という特殊な力をもつ《アレンヘムの聖女》セシリア
彼女の父であるアレンヘム公国の公爵と、魔物との戦いの最前線で活躍する《狂嗤の団》の団長は、セシリアが見た「今から2年後に魔王“すべてを破壊する者”が再臨する」という夢を信じ、即座に対策を検討し始める。
しかし、病床の公爵の命は残り少なく、また、団長も政敵の罠が待つ死地へ向かわねばならない。
その状況で彼らが決断したのは、団長の息子・カレルとセシリアを婚約させ、彼らに魔王との戦いを託すというものだった。

 

舞台を丁寧に整えるタイプの作品であり、本題に入るまでそれなりのページ数を要するものの、そのぶん「物語が動き出していく・・・!」という興奮がありました。

再臨の魔王との戦いに備える。
その猶予期間は2年であり、道標となるのはセシリアと共にカレルが見ることになる「自分が死ぬ瞬間の夢」。

この予知夢の使い方がクレイジーで面白かった!

若くして《狂嗤の団》の団長位を引き継ぎ、更には聖女と婚約して次期公爵となることも決まったカレル。
実績のない彼にとって、まず最初にやるべきは地盤固めなのだけど、その第一歩から彼は自分の命を賭けるんですよね。
「このルートを通ると死ぬのか試してみよう」という発想で死にゲーよろしく試行錯誤を繰り返したり、「今日は自分が死ぬ日ではない(夢で見たのは違う日だから)」という理由で蛮勇の如き手段に打って出たり。
夢の保証だけで死地に飛び込んでいく姿は「死なない」と分かっていてもハラハラします。ていうか夢の話と気づかずに何度ドキッとさせられたことか!
同時に、彼がどこまで無茶をしてくれるのかワクワクするんです。
万能ではなく無敵でもないけれど、冷静な判断力と優れた機転が光るカレルの有能さがとても楽しい。
それでいて時折見せる少年らしさが可愛くてニヨニヨしてしまいました笑

 

セシリアとのカップリングもすごく好き。
「うるせえ!セシリアはやらないぞ!」っていう返したシーンとかニヤニヤしてしまったw
政略結婚ではあっても二人の間に少しずつ確かな絆が生まれていくのがとても良い。
最初に少女を守ろうとするセシリアの美しさに見惚れるシーンがあったからかな。互いに惹かれていく過程が急速なのに説得力があるんですよね。
予知夢の苦しみを分かち合うシーンとかも素敵でした(互いに膝枕して慰めてあげるのキュンキュンする・・・)
戦記パートがかなり面白いのにラブコメパートも楽しめるとか、こういうの本当に好き!

 

そして本作にはもう一人、主人公のような存在がいて。
これはW主人公ものになるのかな?

アレンヘム公国の主筋であり、五芒国の統治者フーデルス王国。
若き女王となった妹を支えるため、摂政の任についた妾腹の王子ヴェッセルもまた、カレルに勝るとも劣らない存在感をみせていました。
暗愚を装う策略家っていうだけで好きといえる(断言)
ヴェッセルの本領発揮は次巻以降になりそうだけど、現段階でもかなりのクセ者っぷりを楽しませてくれたし、今後も《魔王殺し》を活用した権謀術数を披露してくれそうで楽しみです。
しかし利のためなら流血を厭わないし、むしろ(戦争してほしいな〜)と願ってチラチラする感じ、権力側の人間らしい人でなしっぷりが最高ですね。
そのくせ信奉者の侍女に心底怯えてるあたりで可愛さアピールしてきてあざといなって思いました(好き)

 

じっくりと丁寧に物語を進めつつも、ラストは戦記に相応しい盛り上がり。
しかし人間同士の戦いから始まった物語は、今後どう進んでいくのだろう。
人間同士で団結することがまず難題だし、他種族にも共闘を求めなければいけないわけですよね?
共通の敵がいるからといってすぐに仲良くなれないのは200年前の歴史が示していること。
カレルたちが過去の失敗を糧にできるのかどうか注目したいものです。それとも全く異なる方向に話が転がったりするのだろうか。
ところでカレルとヴェッセルは今後どういう関係になるんだろう。そちらも楽しみにしながら続きを読みたいと思います。


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