ワールドエンドクロニクル 君がセカイを裏切る前に /霜野おつかい


ワールドエンドクロニクル 君がセカイを裏切る前に (GA文庫)
ワールドエンドクロニクル 君がセカイを裏切る前に (GA文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年2月刊。
これは設定からして好きなやつ!
自分を裏切り、世界を滅ぼした元恋人を殺すため、過去へと戻り「やり直し」を目指す物語です。

なぜ彼女は裏切ったのか?
なぜ彼女は「自分こそが裏切られた」と言うのか?
全ての始まりとなった「あの日」、本当は何があったのか?

謎だらけのストーリーがテンポよく進むため、先が気になってどんどん読めてしまいます。

殺意を抱えながらも、かつて愛した相手だからこそ揺れてしまう元恋人たち。
二人の微妙な距離感をラブコメ的に描くところも楽しい作品でした。すぐ絆されるケンカップルが可愛すぎる。

謎が多く残る序章的な内容なのでシリーズ化に期待します。続刊よろしく!

☆あらすじ☆
「あなたが世界を裏切る前に、私がいまここで殺してやる!」
王国の姫君にして、古の技を継ぐ最強の剣士――リィン。
王国の騎士にして失われた影の魔法を操る不世出の魔術師――クロウ。
姫の裏切りによって、世界は魔族の手に堕ちた。かつて恋人だった彼女を止めるため、少年は時を超え十年前にさかのぼる。最悪の未来を避けるため、彼女を暗殺するという使命を、彼女から“託されて”――。
ところが、寝所に忍び込んだ少年と対峙した彼女は刃を構える。少年こそ、未来の世界を滅ぼした悪魔だと言うのだ……。
相反する少年少女が世界を再構築するヒロイックファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

世界を滅ぼそうとする災厄王女・リィンを殺そうと、彼女の前に立ちはだかった元騎士・クロウ
自分を裏切った元恋人への復讐に燃えながらも、クロウはリィンに無惨にも負けてしまう。
しかし、その死の間際、リィンがクロウに渡したのは、願いを叶える聖遺物の指輪・道標輪廻
その指輪に「この世界に降りかかった災厄をすべてなかったことに」と願ったクロウは10年前の過去に飛ばされ、彼女が世界を裏切る前に彼女を殺すことを決意する。

 

タイムループの殺し愛的復讐劇とか設定だけで楽しいやつなのだけど、本作が面白いのは更にここから。

 

過去の世界でクロウが再会したリィンは、なぜかクロウこそが「自分を利用して世界を滅ぼした裏切り者」だと罵り、殺意を向けてくるのです。

 

既視感のあるストーリーを、真逆の配役で語り始める元恋人たち。
一体、彼らに何が起こっているのか?という真相が気になって、ページをめくる手が止まりませんでした。
並行世界ネタ自体は珍しいものじゃないのだけど、本作は「裏切った者と裏切られた者」の話じゃなくて「裏切られた者と裏切られた者」の話っていうのがミソですよね。
二人とも被害者なんです。
だからこそ相手が憎いのに、憎いのは目の前のコイツではないという事実に戸惑ってしまう。
そして、一度憎しみが揺らいでしまうと表にでてくるのは捨てたはずの愛情で・・・っていうのが最高に楽しいんです。

 

捨て身の殺意は深い愛情の裏返し。
10年分の憎しみは簡単に捨てられないけれど、それでも“今”目の前にいる相手は、自分が好きだった恋人そのもの。
ぐぬぬ・・・やっぱり好きだ・・・と悶えながら想いが再燃していく様子が可愛くて可愛くて転がりました。
てかなんでこいつらケンカしながら惚気あってるの?
「殺してでもめちゃくちゃ好きだったって認めさせてやる!」のセリフが最高に好きです。趣旨が変わってますね。楽しい。

 

そういうケンカップル系バカップルのイチャラブを交えつつ、物語はテンポよく進んでいきます。
未来で起こる裏切りの真相、魔神の伝承、リィンが抱える呪い、トリスの真意などなど、様々な謎が織り交ぜられるストーリーはとてもワクワクしました。
この作品、展開ごとの引きがとても強い。
どういうこと!?と驚く事態が立て続けに起こるから、続きが知りたくてどんどん読んでしまうんです。
ラストもかなり良い引き方しましたし。
サクラの存在感が薄かったのはわざとだったのかと納得し、この続きが読みたくて堪りません。

 

他にも色々と謎が残っているのだけど、特に気になるのは、なぜリィン側の「クロウ」は世界を滅ぼしたのかということ。
クロウ側の「リィン」の変貌の理由は今回で明かされたけれど、この理由はクロウに当てはまりませんもんね・・・?
手紙を受け取ったことによる分岐はともかく、その後の話はクロウには当てはまらないのでは?
クロウが聖遺物を使える理由と関係があることは明らかですが、今のところは謎のまま。とても気になります。

 

ちゃんとシリーズ化してくれるといいなー。
楽しみに待っています!イチャラブもよろしく!


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