京都府警あやかし課の事件簿 /天花寺さやか


京都府警あやかし課の事件簿 (PHP文芸文庫)
京都府警あやかし課の事件簿 (PHP文芸文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年1月刊。
面白かった〜!
京都府警直属の特殊部隊・人外特別警戒隊(通称「あやかし課」)。
京都の平和を守るため、あやかし専門で捜査活動を行う隊員達の活躍を描いた警察ファンタジーです。

あやかし課に配属された新米隊員と、その指導役を買って出たあやかし課のエース。
時に鬼の娘を助けるため闇オークションへの潜入に挑み、時に仏様に見守られながらお坊さん達と死ぬほど飯を食べ、時にバケモノ相手に大立ち回りを繰り広げる。
そんな慌ただしい日常の中で、2人は互いへの理解を深め、優しい信頼関係を築いていくのです。

こういうのめっちゃ好きなんだよなー。
まず袴姿で刀をさげるヒロインがビジュアル的に大好物。
騒がしくもはんなりとした京都の風景にすごく似合っていました。

でもこの表紙、素敵なんだけど私としてはもう一人ほしかった!
ネタバレになるから描かれてないのかな? じゃあ2巻かな? 2巻でお願いしますね!!

というわけでシリーズ化希望です。

☆あらすじ☆
小説投稿サイト「エブリスタ」で「神様×現代ファンタジー」部門急上昇1位を獲得した大人気連載待望の書籍版を電子化!
京都府警が擁する「人外特別警戒隊」、通称「あやかし課」。化け物から神様まで、あやかしが絡むあらゆる事件を人知れず解決するのが彼らの任務である。そんなあやかし課に入隊したばかりの新人女性隊員・大(まさる)。個性豊かなメンバーとともに仕事に励む大だったが、実は彼女には人には言えないある事情があって……。
街の平和を守るために、古都を奔走する若き隊員たちの活躍を描いた傑作現代ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

警部補以上の階級か、もしくは霊力をもった人間だけが存在を知る「あやかし課」
そこは、あやかし絡みの事件に対応するため、霊力の高い正規の警察官と、適性ある一般人で構成された合同組織。

八坂神社で試験を受けて合格し、「京都府警お預かり」の身分をもらい「あやかし課」八坂神社氏子区域事務所に配属されることになった新米隊員・古賀大(まさる)
表向きは喫茶店を営業する隊員達に温かく迎えられた大は、先輩隊員・坂本塔太郎の指導を受けながら、京都を騒がせるあやかし達の対応に追われる日々を送ることになるのです。

 

この「あやかし課」の日常がすごく楽しかった!
あやかし専門の捜査機関ではあるのだけど、別に全てのあやかしと対立しているわけじゃないんですね。
あやかしや神仏と協力してコトにあたったりするし、問題を起こしたあやかしへの対応とかも普通の警察っぽい感じ。
あやかしも京都の住民の一部、という精神を自然に感じるというか。
住民(あやかし)が住民(人間)とトラブルを起こしたとき、その対応に当たるのが「あやかし課」だというだけなんです。まぁ犯罪を犯したら退治もするんだけど。

そういう精神の組織であるため、捜査上踏むべき手続もしっかりと整備されていて。
荒事になるときは「御祓捜索差押許可状(御祓令状)」とか「交戦退治許可状(退治状)」をしっかり取らなきゃいけないんですよ。
しかもこれを発行するのは神社仏閣で、令状があれば神仏の加護を受けた状態で捜査に挑めるのです。こんなの楽しすぎるでしょ。お寺に懲役っていうのもクスッとしたし。

 

そんな「あやかし課」の業務は多岐に及んでいて、もはやあやかし専門の雑用係のよう。

推しのスランプに悩む鬼の相談を受けたり(かわいい)、
お坊さん主催の残飯処理法要で死ぬほどご飯食べて仏様から胃薬もらったり(かわいい)、
鬼娘が闇オークションで売られるのを阻止するため仲居として潜入捜査をしたり(かっこいい)、
斎王代の娘に呪いをかけた犯人を調査・退治するために奔走したり(こわい)

めちゃめちゃ騒がしいけれど、あやかしと人間達が一緒に騒ぐ日常は傍目にはすごく楽しそうでした。
捜査活動をしていないときは「喫茶ちとせ」で隊員同士がわいわいやってるのも可愛い。
「写真撮っていいですかー?」って聞かれて「いいよいいよSNSで宣伝して」とか返すし、喫茶店としての営業も普通に頑張ってるんですよね。行ってみたい。

 

そんな賑やかな「あやかし課」に飛び込み、日々必死で職務に邁進する新米の大。
男の子みたいな名前ですが女の子です。でも男の子にもなります。

水をかければ女の子ならぬ、簪を引き抜けば男の子・・・!

日本刀装備の袴女子が有事の際は日本刀装備のイケメンにへんしーん!とかさぁ、もうさぁ、良いよ良いよ。大好きだよこういうの。
しかしこのイケメン、動きは猿なのである。猿・・・・・・猿???(イケメン好き脳が勝手にフリーズ)

 

「大」も「まさる」も同一人物だけど、塔太郎への信頼の表現が少しずつ異なっていて、そんな違いも楽しかったです。
「まさる」のときは無邪気に塔太郎大好き!って感じで懐いてたけど、もし言葉が喋れたら何を言ったのだろうか。弟分みたいでしたよね。
女の子の「大」はそこまで露骨ではないけど、塔太郎を見る目が「尊敬する先輩」から「ピンチには必ず駆けつけてくれるヒーロー」に変化していっていて、そこに感じるほんのりとした甘さが好きでした。任務をこなす度に積み重なる信頼関係もあったかくて良い。

 

そんな大の指導役となった塔太郎。
優しく陽気な良い先輩キャラで嫌味がなく、とても好青年でした。
大の指導を買って出た事情がまた彼の人柄を象徴するようでいて好きだなぁ。
かつて自分がしてもらったことを、自分も後輩にしてあげようという、さりげない優しさ。そういうところが人にも神仏にも気に入られるのでしょう。
大との関係は終盤につれて甘さを増していたけれど、まだまだこれからという感じ。楽しみです。
仲良く成長して立派な男女バディになるといいな!

 

とても好きな設定・世界観・キャラクターの作品でした。
是非シリーズ化してほしいです。
惜しむらくは「まさる」が表紙に登場していないことだけど(顔が見たかった!)、きっとシリーズが続けばいつかチャンスがくるはず。よろしくお願いします!(*^^)/


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