私は隣の田中です 隣人は退魔師の主人公!?/秋月忍


私は隣の田中です 隣人は退魔師の主人公!? (富士見L文庫)
私は隣の田中です 隣人は退魔師の主人公!? (富士見L文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年1月刊。
気づけば大好きな現代退魔ホラー小説の世界のモブキャラとなっていた主人公。
「“主人公”の隣人」となった彼女が、なぜか怖い目にばかり遭い、やたらとモテて(注釈付きで)、霊能力にも目覚め、「あれ?なんかこの世界って小説と少し違うような?」と困惑しつつ騒動に巻き込まれていく物語です。
買うとき気づいてなかったのだけど、なろう書籍化作品だったんですね。
いわゆるモブキャラ転生モノの亜種になるのかな。テンプレと現代伝奇要素が楽しくミックスされていて面白かったです。
でもどんどん嫉妬深くなっていくお隣さんには笑ったw
続きも書籍化お願いします!

☆あらすじ☆
小説の中の世界で、主人公の「隣人」はじめました!?
ごく平凡な会社員の私は、大好きな退魔小説『闇の慟哭』の最新刊を買った帰り道、黒いもやに襲われる。
気がつくと、精悍な美貌の男性が助け起こしてくれていた。
あらお隣の如月さん……って、彼は『闇の慟哭』の主人公では!?
なぜか私は『闇の慟哭』の端役、田中舞の中に入ってしまったらしい。
“如月の隣人”というちょい役のはずが、二つの魂を宿したことで妖魔に狙われまくる田中(私)。
そのせいで如月に助けてもらうことも多く、あきらかに田中(私です)は「主人公の隣人」の領分を超えた日常を送ることに!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

気づけば、高校生の頃から愛読していた退魔ホラー『闇の慟哭』の主人公・如月悟に助け起こされていた鈴木麻衣
そこで彼女は自分が「如月の隣人」として小説に登場する脇役・田中舞となっていることに気づく。
どうやら魂だけ怪異に連れてこられた結果、鈴木麻衣と田中舞の魂がひとつに融合してしまっていたようでーー

 

というわけで、小説によく似た世界のモブキャラとなってしまったヒロイン・マイ。
モブキャラなのに「ストーリー」の本筋に巻き込まれていく、というのは、まさに脇役転生もののテンプレと言えるでしょう。
ただ、本作は舞台が「異能者が存在する現代日本」であり、ジャンルも退魔ホラー。
そこが個人的にとても新鮮で楽しかったし、テンプレを独自にアレンジして設定と混ぜ合わせているところもGOODでした。

 

さて、影の薄いモブキャラのはずが、なぜか騒動に巻き込まれていくマイ。
その理由は、2人分の魂が融合したことで妖魔から見れば絶世の美女クラス」の霊的魅力を備えた存在になってしまったから。
お化けや霊能者にモテるようになった結果、マイは道を歩けば怪異に当たるトラブル体質に変貌していたのです。

霊的魅力・・・・・・性的魅力の霊能力Verみたいな??

「容姿自体はそんなでもないよ」という注釈がついてしまうので、マイ的に複雑そうではあるものの、これがまぁモテるモテる。
原作小説では女性関係が奔放な男扱いだった如月も、ゲストヒロインに見向きもせず、ずっとマイしか見ていないほどですから。

しかし当のマイ本人は「どうせ自分はモブキャラだから」と、迫られても総スルー状態。
本人が重度の鈍感というのあるけれど、これって「やめて勘違いさせないで・・・!」と必死で予防線をはった結果なんですよね。
そう考えると少し不憫だったりして。
いやだって霊的魅力ってなんだそれー!って感じになるのは少し分かるじゃないですか。

ただ、終盤でマイがもはやスルーできないことを如月がしでかしたので、今後ふたりの関係がどう動くのか楽しみです。
あれ? ていうか、スルーしてる間に如月さんに外堀埋められてるじゃん、マイちゃん。

 

その如月さん。
最初こそ「スマートな大人の男で、頼りがいのある退魔師ヒーロー」という感じだったのに、マイの霊的魅力が上昇するにつれてどんどん余裕がなくなっていくところが面白かったです。
最終的にめちゃめちゃ嫉妬深い隣人(≠恋人)になってたしこの人、いつの間にこんなにマイちゃんのことが好きになったんだ?
「田中舞」時代から存在を認識していたようではあったけれど。むむむ?
あと、この世界の如月さんは原作如月さんのように恋多きタイプには見えないのだけど・・・・・・
いやしかしマイに自然に触れる感じは確かに経験値高そうでもあるし・・・・・・うーむ?

 

この如月さんのキャラの違和感をはじめ、マイがいる世界と『闇の慟哭』のストーリーの食い違いはとても気になるポイント。
本来ならゲストヒロインがいるべき場所にマイが立つことが多いのだけど、それもマイが成り代わっているというより、そもそもゲストヒロインの設定自体が小説と違う感じなんですよね。どういうことだろう?

 

それはさておき、本作は退魔アクションの部分も面白かったです。

小説をなぞらえるように起こる、様々な怪異事件。なぜか巻き込まれる「脇役」のマイ。

「なんで私が?」と動揺しつつも、経験を積み、次第に一端の退魔師のように怪異と対峙するマイの成長が胸熱でした。九字を切る退魔がどんどん様になっていく!

そういや、小説のマネしてポーズとったり呪文を唱えたりするのはオタクなら誰もが一度は通る道だと思うけれど(えっ、あるよね?)、それでもピンチに黒歴史を思い出して「今ならいけるかも!」って実行しちゃえるマイちゃんは只者ではないですね。オタク力つよい。あれで何も起きなかったら悶絶して死ねると思う。

 

あと、公にはされていない退魔専門の公的部署って設定がめちゃ好き。
マイちゃん、早く転職してあやかし公務員モノやろう?
終盤は如月さんと息のあった退魔もみせてくれて、それがまた男女バディっぽくてとても私好みだったんですよねぇ。こういう方向で今後も進むのかなー?

 

うん、この作品、私は好きです。
でもほぼ全く謎が明かされずに終わったので続刊希望。続きを楽しみに待っています。


 

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