Unnamed Memory 1 青き月の魔女と呪われし王 /古宮九時


Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)
Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年1月刊。
以前から観測範囲で頻繁に評判を聞いていた人気のWEB小説。
待望の書籍化ということで読んでみたのだけど、これ本ッ当に面白いですね!?

呪われた王子と孤独な魔女の御伽噺であり、最強剣士と最強魔女の痛快活劇であり、結婚しろと迫る男と断固拒否ですと流す女のラブコメ。なにこれ好きが詰まってる。

細部まで作り込まれた設定は読み応えがあり、最強コンビによるアクションは躍動感が素晴らしい。
そして、打てば響くような2人の掛け合いは最高に気持ち良い。
テンポよく軽快に進むからスルスル読めてしまい、「まだ読み終わりたくない!」という葛藤と戦うのが大変でした。

世界観はまだ全貌が見えてこないけれど、そんな段階でもワクワクするポテンシャルに満ちています。
人と魔女の、近いようで遠い距離感にエモみを感じる恋愛要素もすごく良かった・・・・・・これは皆さんが推すのも分かる。

書籍版はもちろん応援するとして、手が空いたらWEB版に飛んでみようと思います。だって続き待てないよ・・・!

☆あらすじ☆
呪われし王と、世界最強の魔女。禁忌の出会いは【運命】を書き換える。
「俺の望みはお前を妻にして、子を産んでもらうことだ」
「受け付けられません!」
永い時を生き、絶大な力で災厄を呼ぶ異端――魔女。強国ファルサスの王太子・オスカーは、幼い頃に受けた『子孫を残せない呪い』を解呪するため、世界最強と名高い魔女・ティナーシャのもとを訪れる。
“魔女の塔”の試練を乗り越えて契約者となったオスカーだが、彼が望んだのはティナーシャを妻として迎えることで……。

以下、ネタバレありの感想です。

 

この作品の説明、あとがきが一番綺麗にまとまっているので(さすが著者)まるっと引用します。手抜きと言わないでほしい。

魔法が当たり前にある世界、呪いを受けた王太子と最強の魔女のお話。
その内情は一皮剥けば、「呪いを解かなくても、呪いの利かないお前と結婚すれば解決」と言いきるメンタル鋼鉄の主人公と、「絶対結婚とかしませんし、その呪い解きますから!」と言い張る魔女が、押し問答を続けながら大陸の歴史を変えていく変革のお話です。
変革に至るまでの事件は多数。
不可思議な殺人事件や、密やかな陰謀、国家間の軋みや、隠された過去の真実などに彼ら二人がどう相対するのか。その結末と、一歩進んでは魔女の不器用さに立ち止まる恋愛譚の行方を、どうぞ最後まで見守って頂けたらと思います!

 

というわけで、物語は王子と魔女の二人を中心に描かれていきます。

「子ども作れないから王家断絶な!」という呪いを、沈黙の魔女にかけられてしまったファルサス王太子オスカー
オスカーとの押し問答の結果、彼の守護者として1年間の期限付きで塔から連れ出された「青き月の魔女」ティナーシャ

ティナーシャの塔での出会いから始まり、ファルサス王宮に場所を移しても、二人は「結婚するぞ」「絶対いや!」という押し問答を続けていきます。これがすっごく楽しかった。
二人の主張は最初から一貫して変わらないのに、そこに込められる感情だけが緩やかに変化していくんです。この変化が本当に良くってね・・・・・・

 

最初は「ティナーシャと結婚したら問題も解決できるし、何よりなんか楽しそう」という程度の軽さだったオスカー。
それがティナーシャと過ごす日々の中で少しずつ彼女の内面に触れ、その届かない距離を知り、孤独に佇む姿に惹かれていくことで、徐々に同じ言葉の重みが変わっていくのです。
GOGO押せ押せな性格は変わらないけど、彼が発する熱が明らかに違うんだよなぁ。

 

あとオスカーってスキンシップ過多では?
ティナーシャに執着するにつれてベタベタ感が増してる気がします。
これ、その行動が彼女の心を揺らさないと分かってるのにずっと触ってるんですよね。
ティナーシャもそれを普通に受け入れ始めて、どんどん身体的な距離は縮まっていく。心の距離はずっと変わらないのにね。
そんなオスカーとティナーシャの姿は、近くて遠い二人の距離を感じさせて、切なくて、もどかしくて、じわりと甘いんです。うう、こういうの良い〜〜。

 

一方のティナーシャ。
世界最強の魔女として畏怖される存在でありながら、優しくて面倒見がよくて、普段は敬語なのにオスカーに突っ込むときだけ口調が崩れるところがめちゃんこ可愛いヒロインでした。

しかしティナーシャの心の壁はとても高く、厚く、果てしない。
オスカーたちと一緒に騒いで笑っていても、次の瞬間には笑顔のまま存在が遠のいてしまう、というか。
ティナーシャ自身が人々と自分の間に一線を引いていて、それこそが彼女の孤独を際立たせるんですよね。
その孤独を当然のものとして受け入れていくせに、どこか寂しげで、その寂しさすらも慣れてしまっている様子で・・・・・・時折みせる儚げな風情が、更に強く印象に残るんです。

 

ティナーシャ自身が自分を異質な存在として区別しているものだから、オスカーがどれだけ迫っても暖簾に腕押し。
その手応えのなさがコミカルに描かれることもあれば、切なく描かれることもあって、二人の押し問答の行方から目が離せませんでした。
ちなみに、そのへんが悪い方に煮詰まった上に誤解を生んで暴発した事件はめっちゃワクワクしてしまったり(笑)
オスカー、そんなドロっとした感情も持てたのかよ!
やろうと思えば魔女でも簡単に押し倒せる王太子、ほんとヤバい存在ですね。

 

オスカーとティナーシャの恋の行方は次巻以降に期待するとして。

 

本作は二人の躍動感あるアクションも見所でした。

魔女の塔を最速攻略できるほどの実力があり、さらに魔法なら何でも切れる剣を持つ、まさに鬼に金棒状態で人間やめかけの最強剣士オスカー。
絶大な力をもつ5人の魔女の中で最も強大な力を持つとされ、大体のことは一人で出来てしまう優秀で最強な魔女ティナーシャ。

こんな最強二人のコンビとか凶悪にも程があるだろって感じですが、決して常時無敵状態ではなく、苦戦することもあれば重傷を負うこともあり、それでも最後はパワーで打ち勝つところにカタルシスを感じました。
めちゃめちゃ爽快で痛快な活劇を堪能できて超楽しかったです!

ちなみに私は塔での「八つ当たり」な修行シーンが好き。「あんな危険人物に鍛えといて、野に放たないで欲しいわ」のオチも最高ですよね。
それにしてもオスカー、最初から規格外に強かったのに更に人外じみた強さになるとは。
最終的にどこに辿り着くのだろうか・・・・・・塔どころか世界も最速で攻略できそうなんだが・・・・・・

 

ああ〜、本当にこれからどんな物語になっていくんだろう!気になる!!
1巻で置かれた様々な伏線がどう回収されるのかにも興味津々です。「探していた妄執と再会」とか「女王候補」とか、意味が知りたすぎて悶えそう。
次巻はいつになるのでしょうか。すごく待ち遠しい!

 

ていうかWEB版なら今すぐ結末まで読めるんだよね・・・・・WEB版いきましょうかね・・・・・・

◎Unnamed Memory(小説家になろう)
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「Unnamed Memory 1 青き月の魔女と呪われし王 /古宮九時」への2件のフィードバック

  1. まさにハイファンタジーな作り込まれた世界にファンタジー世界で出来る面白そうな要素全部闇鍋にしたみたいな作品で、ウェブ版の時からのファンなので書籍の評判良くて嬉しいです

    1. ななみさん、コメントありがとうございます。

      本当にすごく作り込まれた世界観で、王道FTとしてもめちゃめちゃ良い作品ですね!なんて美味しそうな闇鍋!笑
      WEB版のファンの皆さんが推す気持ちがすごく分かりました・・・これは推したくなる・・・・・・

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