聖女様を甘やかしたい!ただし勇者、お前はダメだ /戸津秋太


聖女様を甘やかしたい! ただし勇者、お前はダメだ
聖女様を甘やかしたい! ただし勇者、お前はダメだ【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2019年1月刊。
教会の最強戦力として酷使されていた神官と、教会に監禁されていた聖女。
惹かれ合う二人が手を取り合って教会から脱走し、逃げ延びた小さな村でのんびりと暮らす物語です。
純愛甘々という謳い文句に釣られて読んで、実際それは嘘ではないのだけど(鈍感両片想い系バカップル)、どちらかというと主人公と勇者の関係性の方が強く印象に残ってしまったような?
この男二人、なんでそんなクソデカ感情を向け合ってるの??(正直好き)
続きがある内容だし、主役カプの掘り下げもほしいので続刊に期待します。勇者の再登場も何気に楽しみw

☆あらすじ☆
教皇国で最強の暗殺者として恐れられている神官ベイル。彼は普通の穏やかな生活への憧れを胸にしまい、心を殺したような日々を過ごしていた。
そんな彼を変えたのが癒しの聖女ルナ。明るく可憐な彼女に一目惚れしたベイルは、囚われの身である彼女を連れ出して片田舎の教会に身を隠すことに。
このまま二人は結ばれるのか?――と思いきや、お互い初恋の二人はヘタレて恥じらってばかりで距離は一向に縮まらない。
更にはルナを狙う教皇国の追手や女好きの勇者が次々と現れて、二人の恋路を邪魔する。
聖女様の平穏な生活を脅かす奴は容赦しない! 不器用な神官と聖女様の逃避行の行方はいかに!?
叛逆の純愛甘々ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

超常の能力・神技を操る神官であり、教皇国に7人しかいない特級神官の一人・ベイル
教会に監禁される聖女ルナの監視を命じられたベイルは、不遇の中でも笑顔を絶やさない彼女に惹かれ、やがて二人で教皇国から逃げ出してしまう。
物語は、教皇国から逃げた先の異国の村で、賑やかな村人達と楽しく過ごす二人の日々を描いていきます。

 

駆け落ちスタートのイチャラブものって感じでしょうか。
と言っても、二人は別に恋人同士というわけではないんですけどね。
お互いに惹かれ合いながらも関係がハッキリしない微妙な距離感。その焦れったくて甘酸っぱい雰囲気を楽しむ同棲ラブコメでした。

 

純愛甘々という謳い文句通り、ベイルとルナの無自覚イチャラブ田舎ライフを楽しめる本作。
ただ、後半で「勇者」ギリアンが登場すると、物語の雰囲気は少し変わっていきます。

 

個人的にはギリアン登場以降の方が読み応えを感じました。
前半のイチャラブパートも悪くはないんだけど、後半の方がベイルの感情が激しく動くぶん面白かったんですよね。
ただ、このベイルの感情って、ルナではなくギリアンに向かうものなんですよ。
ギリアンもギリアンで、最初はルナにちょっかいかける当て馬ムーブ強かったくせに、途中からベイルしか見えていないという・・・・・・

 

多くの人を助ける正義の味方たるギリアンと、ただ一人を守るために全てを敵にまわしても構わないベイル。
かつて憧れ、自分が諦めてしまった在り方を、お互いの中に見つけて嫉妬と羨望を交わし合う二人。
最悪な第一印象から始まり、同族嫌悪じみた嫉妬を燃やしながらも、共闘の果てに彼らは相手を認めるに至りーー

 

・・・・・・なんだこのドラマ???

 

ぶっちゃけ、出会いから駆け落ちまでのエピソードをすっ飛ばされたベイルとルナの話よりも、ベイルとギリアンの心情の変化の方がよっぽど丁寧に深く描かれてませんか????
あと感情がデカい、デカいんだよ。
ギリアン、ルナを愛人に勧誘しているときよりベイルに「君が欲しい」と言ってるときの方が色気も熱量も高いじゃないですか。なんでだよ! 「君は強く、そして美しかった」って、おいおいおい。おいおいおいおい。
てかあなた当て馬じゃなかったんだね(むしろルナのライバルか・・・)

 

結局、のほほんとしたベイルとルナのイチャラブよりも、クソデカ感情を燃やし合うベイルとギリアンの関係の方が印象に強く残ってしまいました。
いや、これも面白いから良いのだけど。良いんだけど!(困惑)

 

うーん、ただなー。

 

前半のイチャラブパートも面白いっちゃ面白いのだけど、後半に比べると読み応えという点で負けちゃうんですよね。
だってベイルとルナがなぜそんなに互いに惹かれ合っているのかが詳しく描かれていないから。想いの根っこになるエピソードが足りてないように思うんです。
教会の歯車だったベイルが、たった一人の少女のために駆け落ちを決意するまでの心の変化が読みたかったなぁ・・・・・・
このあたりの物足りなさが、私にはとても惜しく感じられました。

 

まぁでも、エピローグを読むにこの作品はまだ続きがあるようだし、そのへんの話は後々語られるのかもしれません。
教会の追っ手が差し向けられ、二人の逃亡生活がどうなっていくのかも気になります。

というわけで続きに期待!


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