妹さえいればいい。11 /平坂読


妹さえいればいい。 (11) (ガガガ文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年12月刊。
10巻の続き!な伊月大スランプ回。
おふざけの多いシリーズだけど、ふざけてはいけない場所はとことんシリアス。
何事もそう簡単に上手くいくわけがないのだけど、そうかぁ・・・・・・そう続いちゃうのかぁ・・・・・・という感じの11巻でした。次巻はよ。

☆あらすじ☆
10巻の続き!!!!!!!!!!!!!!
小説がまったく書けないという大スランプに苦しむ伊月を、恋人の那由多は優しく見守る。土岐や京は伊月を復活させるための方法を模索するのだが、結果は芳しくない。
一方、女の子であることを隠さなくなった千尋にも、大きな変化が訪れるのだが……。
そんななか、第16回GF文庫新人賞の授賞式が開催される。青葉や木曽たちが受賞してから、はやくも一年の月日が経っていたのだ。
怒濤の流れに翻弄されながらも、主人公たちは足掻き続ける――。
大人気青春ラブコメ群像劇、衝撃の第11弾登場!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

「本物の妹」が現れたことで妹モノに対する情熱が失われ、かつてないスランプに陥ってしまった伊月。
カップルで旅行したり、友人達とゲームしたり呑んだり騒いだりしつつ、伊月は自分の生き方すらも見失ってしまい——

 

「プロ作家」って何なんだろう。
小説を仕事として書いている以上、収入が失われないためにも安定した供給が要求される。
海津さんの言う「ちょっと珍しい金儲けの技術を持っているだけの普通の社会人」っていうのは分かるんだけど、分かりたくない。

だってさ、夢を見せてくれるからクリエイターは世の中に求められるなんじゃないの?
この人なら夢を見せてくれるって思えるからファンは応援したくなるんじゃないの?

それを「夢を見たのは彼ら自身の勝手」とぶった切られたら「そんな〜〜!」ってなるよ。那由多みたいに泣いちゃうよ。って頭グルグルしながら私は泣きそうでした。

 

でも唯一無二の個性を感じていた推し作家が、流行とか売れ線とかで何かを妥協して、生ぬるい作品を出すことって割とある気がする。
過去に私自身が感じた歯がゆさを思い出しながら、「どうせ自分はこの程度なんだ・・・」と諦めてしまった伊月の姿に胸が痛くなりました。
私が見てきたあの作家さんたちも、裏ではこういう挫折を経験していたんだろうか。辛いなぁ。

 

伊月はどうなるんだろう。
義妹どころか異母妹まで登場してしまって、それでも架空の「妹」への情熱を取り戻せるんだろうか。
それともこのまま燃え尽きて消えてしまうんだろうか。

 

那由多との関係も気になります。
「私だけは許さない!」っていう彼女のエゴがすごく好き。身勝手だけど愛だとも思う。
作家性を愛してるからこそ妥協が許せないって正面から怒るのはそれだけ伊月を想っているからでしょ?読者としてすら薄情な私なら黙って去ってしまいかねない・・・・・・那由多の真っ直ぐさが眩しいです。
相手に受け取って貰えなければ彼女の主張は押しつけがましいワガママでしかないけれど、でも伊月には受け取ってほしいなぁ(泣)時間はかかるかもしれないけれど。そしてどうか仲直りをば!
怒りを通り越してスンッて冷えきったお別れ、怖すぎた・・・・・・

 

そんな感じでシリアス色の強い11巻だったものの、「こなすべきイベントが大体終わった感のある千尋」のターンは楽しかったです。
ラノベらしい仕掛けって告白シーンのことですよね?思わず笑った。
ただねー、失恋した後に父兄が電話で突撃かますのはアウトですよ??私なら軽く死ねるな、と思いました。
千尋伊月春斗のあの関係性だから出来ることではあるけれど、それでも嫌だよあんなの!やめてあげてー!可哀想がすぎる!!!

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