ゴブリンスレイヤー9 /蝸牛くも



ゴブリンスレイヤー9 (GA文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年12月刊。
今回はゴブリン遭遇戦の裏でゴブリン以外との戦いも繰り広げられ、ゴブスレ不在の状態で女神官の成長を示す内容でした。
牛飼娘のターンでもある第9巻。今回の話で思ったのだけど、ゴブスレさんの抱える哀愁を引き出すのは彼女の役回りなんだろうなぁ。
そして彼女こそが彼の帰る場所。なるほどこれが正妻か。

☆あらすじ☆
ただの配達。ゴブリンスレイヤーですら、そう思っていた。
牧場の手伝いで配達に出たゴブリンスレイヤーは牛飼娘とともに、ゴブリンの大群に待ち伏せされる。それは、ある祈らぬ者の策謀だった!
一方、ゴブリンスレイヤー不在の一党は、見習聖女の託宣(ハンドアウト)より、雪山を目指すことに。そこは、氷の魔女の統べる永久(とこしえ)の冬の領域だった!
包囲された雪の廃村で、牛飼娘を守り、孤軍奮闘するゴブリンスレイヤー。彼不在の中、女神官は、ゴブリンではない怪物たちの脅威と対峙し、一党の行動を決断していく――。
「――手は、あります」
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第9弾! 

以下、ネタバレありの感想です。

 

牛飼娘の配達を手伝い、一緒に出かけた先でゴブリンに遭遇したゴブリンスレイヤー。
一方、ゴブリンスレイヤーがいないパーティメンバーは雪山で雪男と氷の魔女と戦うことになり— というわけで、今回は二手に分かれた戦いを描く第9巻でした。

ゴブスレさんがいない場所でゴブリンじゃない強敵が現れて、ゴブスレさんは相変わらずゴブリンを殺してるっていうのがこのシリーズらしいなぁと思いました。
まぁ最後はオーガを討伐してるんだけど、あれはゴブリン退治のついででしょ?

 

雪男や氷の魔女との戦いの中で目をひくのは女神官の成長っぷり。
ゴブスレさんの薫陶を受け、なんともまぁ逞しく成長しちゃって。
彼女の成長ぶりは毎巻感じるところではあるのだけど、今回はゴブスレ不在ということもあって一際色濃くゴブスレさんの影響が出ていたように感じました。
もうね、「神官的に騙し討ちして良いの?」っていうツッコミに対する「だってわたし、触れてないですよ?」の返しが最高すぎて。キョトンとした挿絵も良い仕事しています。お前はゴブスレさんか・・・!

 

一方で、当のゴブスレさんと牛飼娘の窮地も目が離せない感じ。
牛飼娘といるときのゴブスレさん、いつもより少年っぽさが出てる感じがして個人的にすごく好きだったりします。なんかこう素の感情がぽろっと零れやすいというか。

「・・・・・・帰りたい?」
どこに、とは聞かなかった。答え自体、欲していなかった。
返事はしばらくなくて、眠ってしまったかなと思うほど遅れてから、彼は言った。
「ああ」
それは生まれて初めて言う言葉のように拙く、途切れがちな声だった。
「帰りたいな」

このシーン、今回どころかシリーズを通してダントツで好きかも。めっちゃ反芻してしまう。
ゴブスレさんが抱える喪失の痛みを共有できるのは牛飼娘だけで、だからこそ彼女は特別な存在なんだよなって思う。
一緒に戦うこともできず待つだけの存在なのだけど、それでも彼女はゴブスレさんの帰る場所でもあって・・・・・・ううう、めちゃめちゃ好きなタイプの幼なじみヒロイン・・・!

 

ゴブリンを鏖殺することに終始するシリーズだけど、合間に少しずつ零れるゴブスレさんの心情とか、時間と共に移ろう彼や仲間達の変化が心を揺さぶる。だから私はこのシリーズが好きなんだと思うんです。
今回もすごく良かった。次巻も楽しみです。

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