後宮天后物語3 幼馴染の猛攻はご迷惑! /夕鷺かのう


後宮天后物語 ~幼馴染の猛攻はご迷惑!~ (ビーズログ文庫)
後宮天后物語 ~幼馴染の猛攻はご迷惑!~ (ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年12月刊。
帝位を簒奪したヤンデレ幼馴染の監禁から逃げる自虐癖の皇女の奮闘を描く中華ファンタジー第3弾。
猛攻って糖度的なアレかと思ったら、それもあるけどそれだけじゃなかったという。
世界観の謎に一気に迫り、すわ完結巻か!?とハラハラしました。まだ続くようで一安心。

☆あらすじ☆
開き直った皇帝に翻弄されっぱなし!! とんでも後宮ラブコメ第3弾!
志紅が雛花に告白したことにより、ようやく一歩進んだかに見えた二人。しかも告白で開き直った志紅の恋着は留まることをしらず、雛花は押されっぱなし!! 一方で、雛花は、己に宿った女神(?)と命を懸けた謎解きに挑むことになり……!?
【電子版は、開き直った志紅の言動がヤバすぎる書き下ろし短編『閑情賦(かんじょうふ)』付き】

以下、ネタバレありの感想です。

 

両思いになったんじゃなかったんかい!!!!

 

と思わず叫んだ私は悪くない。
まぁでも雛花の自虐癖と自己評価の低さを甘く見ていました。そうだよなぁ。信じないよなぁ。
いくら日頃の行いが悪いとは言え、甘い言葉で攻め倒してものれんに腕押し状態の志紅が少し不憫に思ってしまいます。でも本当に日頃の行いが悪いから仕方ないヨネ。

 

そういうわけで一歩進んだか三歩下がったのかよく分からない二人。
二人の距離感はさておき、雛花と志紅が協力体制をとったことで(ようやくか!)物語はどんどん核心へと迫っていきます。

 

女媧と伏義とは何者なのか。
雛花に宿った「丹朱」は何者なのか。
そもそも、雛花が守ろうとする桃華源とは何なのか。

 

当たり前の前提に疑問を呈する展開って大好きです。
自分が立っていた大地が実は薄っぺらいガラスでしかなく、今にも壊れてしまいそうな不安感。ゾクッと背筋がざわめく感覚がたまりません。

 

そして全てを知っても雛花と志紅の考えが相容れないままだということも不安を煽る。
個人的には志紅が作中いちばんマトモなのでは?とか錯覚してしまうレベルで彼の考えのほうが理解しやすいんですよね。まぁ錯覚なんだけど。ベクトルが理解できるだけで狂気が過ぎるやり方は全く理解でない。

 

一方で、ここにきて雛花の頑なさがとても目立ってくる。
もどかしいけれど、それは彼女たち宗室にかけられた呪いの強さを意味するんですよね。
これまで自分を支えていた信念の脆さを自覚して平然としていられるわけがない。雛花の頑固さに辟易しつつも、真実に蓋をして必死に目を背ける姿に同情もしてしまいます。

 

さぁどうなるかなぁ〜とソワソワしながら見守っていたのだけど、終盤で雛花が溜め込んだ鬱憤を爆発させて志紅を叩き飛ばしたシーンは思わず笑ってしまいました。ごもっともー!って。

「陰湿なのよ!」の糾弾が的確すぎて最高。それ。それですよ。
志紅が目指すものや懸念もわかるんだけど、やり方が容赦なさすぎるし、まさに「陰湿」だったもの。
あと首絞めたり殺そうとしたりはもはや「お前は何がしたいんだ・・・目的を見失いやがって・・・」って感じでしたしね。

雛花を前に世界の秘密を暴き立てるくだりだって思いやりの欠片もなかったし。
思いやりある説明をすれば真実が変わるわけではないけれど、でもあの「猛攻」っぷりは雛花を説得するためなら雛花の心を砕いてもいいと思ってるいつもの志紅すぎる。

 

だから、もし二人が本当の意味で両思いになるのなら、志紅の行いを雛花は流してはいけないと思うし、実際に正面からぶつかって思いを告げたシーンには心で喝采をあげました。
後ろ向きなのか前向きなのか分からないけど決めるときは決める主人公だって信じてた!

 

さて、雛花と志紅の関係の進展が胸熱だった一方、物語は先の読めない展開へと進んでしまいました。
これどうなるんだろう。あまりにも「桃花源」の秘密を暴きすぎて完結巻でもおかしくない雰囲気だったけれど、最後の雰囲気的にまだ続きそうですよね。
ここまで来たらみんな揃って幸せになってほしいんだけど「自分以外の」幸せを願う人ばかりで油断できない。
ラストの雛花たちは自己犠牲精神を克服したようだけど、・・・・・・お兄ちゃん・・・!

 

消えた女媧についても気になります。
だってモノローグは丹朱の視点でしょ?二十年前、彼に一体何があったの・・・?

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。