剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい! /夏樹りょう


剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい! (角川ビーンズ文庫)
剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい! (角川ビーンズ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年12月刊。
かつて助けてくれた騎士に憧れ、自分も女性初の騎士になろうと奮闘する令嬢の物語。
読みやすい文章で構成もキャラも悪くはないし、丁寧な心情描写へ良いと思います。ただ、個人的にはもう少しインパクトのある何かがあれば更に良かったかな、とも思う。王道設定・王道ストーリーをそのまま綺麗にまとめた感じというか・・・・・・
掘り下げると面白くなりそうな設定が残っているので次巻以降に期待します。

☆あらすじ☆
伝説の“剣影の騎士”に憧れ女人禁制の騎士を目指す男爵令嬢のリシュア。
でも幼馴染みでお目付け役の騎士・ジュリアスは大反対。
「どんなときでも、心だけは共にある」幼い頃にそう約束したのに、本心を明かさないジュリアスに反発したリシュアは、怪しい事件に首をつっこみ大ピンチに!
貴方の心も、未来も守る。私の剣にかけて――!!
第16回角川ビーンズ小説大賞<読者賞>&<奨励賞>W受賞の王道ラブ・ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

母の命が奪われた戦地で自分を助けてくれた「剣影の騎士」に憧れる男爵家の令嬢リシュア
自分も彼のように大切な人を守れるようになりたいと騎士を目指すことを決意したリシュアは、家族として暮らすジュリアスから反対されつつも、騎士になる道をひらくために「若鷲勲章」に選ばれようと奮闘し── というストーリー。

 

女性騎士の存在が認められない社会。
そこで性別の壁を乗り越えて夢を目指す少女の物語というのは王道ながらワクワクします。
困難は大きければ大きいほど主人公が乗り越えた瞬間のカタルシスも大きくなるものですし。

 

本作でも「女は騎士になれない。令嬢らしい幸せを選んでくれ」という周囲の圧と自分自身の未熟さゆえに、リシュアの心は可哀想なほど何度も押し潰され揺れ動きます。あのへんの鬱屈とした描写はとても良かった。
心にあったはずの理想像が揺れた結果、とんでもないミスをして叱咤されるシーンとか。あそこは読んでる私まで首がすくむ思いでした。

 

それでも憧れを捨てず、必死に自分自身と向き合い、ジュリアスを説得し、そして困難に打ち勝って騎士になる道をひらいたリシュア。
話の筋はベタだし、彼女の戦いはこれからなのだけど、読後感は爽やかなものだったと思います。

 

ただ、やっぱりベタすぎるきらいはあるかなぁ・・・・・・
この作品でしか読めない何かを私は見つけることができなかったんですよね。
読みやすい王道は好きですが、展開も読みやすいのは寂しい。
あとひとつ何か「おっ」となる捻りがほしかったです。キャラもリチャード以外は優等生ばかりで中盤は少し飽きが来ていました。

 

どうせならクセ者揃いらしい「光盾の騎士団」と、そのクセ者をして「やりやがったな!」と言わせた悪どい王宮を早々に物語に登場させてくれた方がワクワクできた気がします。
というわけで彼らが出張ってくるであろう(くるよね?)次巻以降に期待します。

 

余談。
500枚超えの感謝状を本人に知らせずにこっそり溜め込んでたっていくらなんでも酷くない?
夢を諦めるために心を鬼にしたってことなんでしょうか。
下手に調子に乗らせないように?みたいな?
そのへんフォローほしかったかなー。

 

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