祈りの守 仕立屋・琥珀と着物の迷宮3 /春坂咲月


祈りの守――仕立屋・琥珀と着物の迷宮3 (ハヤカワ文庫JA)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年11月刊。
愛がねばっこい系イケメン和裁士と、彼の店でアルバイトする女子大生が着物にまつわる謎を解き明かすミステリーシリーズ第3弾。
今回もとても面白かったです!
毎度毎度、着物文化の教養と洒落っ気にクラクラする・・・・・・素敵すぎて。
あとやっぱり文体が最高なんだよなー、このシリーズ。
メイン二人の関係はジリジリですがそれもまた良し奥ゆかし。

☆あらすじ☆
女子大生・八重がバイトに通う奈良の着物店〈旧暦屋〉では、七夕が近づき、浴衣イベントの傍ら、寺と提携し古裂を使ったお守りを売り出した。だが妻にお守りを贈られた男がこれは離婚の危機の印ではと訪ねてきて……柄に隠された裏の意味、旧家に遺る暗号、呉服屋の裔を狙う詐欺、子供和裁教室に流れた涙の理由など、天才和裁士・琥珀が和と着物の謎を解き明かす。金髪美僧も加わり、古都で恋と謎が交錯する、シリーズ第3弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

今回は夏の奈良が舞台。今までと動揺に連作短編形式で様々な着物の謎を解き明かす構成です。
着物に仕掛けられる、雅な謎かけの数々。
その奥にドロりとした愛憎が潜むエピソードが多いのだけど、なんというか、これもまた「和」っぽいなぁと思うのです。
感情を顕にすることなく、形あるものに想いを委ねる感じ。やり方が迂遠なだけに、届いた瞬間のゾクッとすること半端ない。
なかでも印象的だったのは店長夫婦の仲にヒビを入れようとしたバイトの子かな。良くもまぁそんな陰湿なことを実行できるものだ。
そういえばあのへんの黒幕の話って微妙に解決してないですよね?旧暦屋が見張られている云々っていう・・・・・・次の巻あたりで話が出てくるのでしょうか。

 

暗い感情が多く登場する第三巻でしたが、最後のエピソードはふわっと心を温めてくれました。
もうねー、こういう幼い子たちの淡くて優しい想いってたまらなくなるんですよ。涙腺的に。
一生懸命に気を使って、彼女に負担をかけないようにこっそりとエールを送っていたつっちゃん良い子すぎる。なぜか琥珀さんがトンビ化してるけれど大丈夫だキミだって負けてない!
きっと成長すれば私好みの幼馴染カップルになるのでしょう。想像だけでニヤけてしまう笑

 

今回のキーアイテムである「祈りの守」。
ほんと素敵〜!って読みながらときめきっぱなしでした。
着物の柄に願いを託してお寺で本物のお守りにしてもらうっていうコンセプトが最高すぎない?
これどこかで実際に取り扱っていたりするのでしょうか・・・・・・贈り物にもめっちゃ良さそう。私は自分用にほしいなー
あと着物の柄を調べる自由研究っていうのも良いですね。そのアイディア、小学生のときに知りたかった。やり方次第では賞もらっちゃえるやつなのでは・・・

 

謎解きも面白かったし、弾み唄うような文体も相変わらず読んでいてすごく楽しかったです。
ほんとこのシリーズ大好き!
琥珀さんと八重ちゃんの関係も一進一退しながら着実に進んでますし。
お泊り強行からの首ちゅーは「踏み込んだな、琥珀さん・・・!」って悲鳴をあげてしまった。ドキドキです。
そして「名前を言ってはいけないあのひと」名義の夕飯前には帰ってこいアピールに死ぬほど笑った。

 

こんなに読み終わるのを惜しく感じるシリーズもないのですが、次巻はいつになるのでしょうか。
楽しみに待っています。

 

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