多分僕が勇者だけど彼女が怖いから黙っていようと思う /花果唯


多分僕が勇者だけど彼女が怖いから黙っていようと思う (ファミ通文庫)
多分僕が勇者だけど彼女が怖いから黙っていようと思う (ファミ通文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年11月刊。

黙ってた方がいいと思う(怯)

勇者に選ばれた(気がする)少年が、幼なじみの彼女を怒らせないように真実を隠そうとするラブコメファンタジー。
これは近年稀に見るレベルの恐妻家ではないでしょうか。
恋人が怖くて怖くて仕方ないけどめっちゃ大好き!!っていう主人公のデレっぷりが楽しいお話でした。どえむー
ただ、ヒロインは暴力系で口が悪いタイプなので好みが割れそう。可愛いところもあるんだけど・・・あるんだけどね・・・!
私的にはアリ寄りだけどもう少し可愛げ方面で頑張ってほしかったかも。いやそうすると話が成り立たないか?
カップリング的にはすごく良かったのでシリーズ化するなら読みたいです。

☆あらすじ☆
――僕は、魔王より怖い存在を知っている
「貴方こそ勇者様です!」
王都から来た聖女はそう決めつけてくるし、聖剣を名乗る棒きれの声も聞こえてくる。けど僕は単なる村人で、僕のことを常に気遣ってくれるけど魔王より怖い幼馴染みのアリアと幸せになるのが人生の目標なのだ。それなのに聖女と聖剣は強引な手段で僕を勇者にしようとするし、神託を聞きつけた魔物まで村に押し寄せてきて――!?
幼馴染みのために勇者になりたくない少年は幸せを掴めるのか!? 希代のファンタジーラブコメ開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

不思議な夢と王都からやってきた聖女の言動によって、「もしかしたら自分は勇者かもしれない」と察した村の少年ルーク
そんなのバレたら彼女がキレる!と恐怖したルークは聖女の必死な懇願も聖剣のうるさい声も全てスルーし、勇者であることを黙ったまま恋人アリアとの日常を守ろうとします。

何をそんな大袈裟な〜、と言ってはいけない。
実際、アリアはとても怖い子なのです。
フィクションのツンデレ的あるいはヤンデレ的な怖さではなくて、リアルにいそうな癇癪持ち女子なんですよ。怒り方がガチなんだもの。
これは触らぬ神に祟りなし・・・!

 

口は悪いし態度は大きいし料理はできない。そして「ルークは私のもの!」と独占欲は激しいくせに甘え下手なアリア。
そんな多大に面倒なヒロインなのだけど、当のルークは彼女のことをとても愛している。
不機嫌がデフォルトのアリアに恫喝され殴られ蹴られようとも「アリア怖い!」「アリア可愛い!」の気持ちが両立できてしまう真性のマゾじゃなかった愛の深さがすごいのです。

 

ルークの溺愛っぷりに思わずニヨニヨしてしまうけど、一方で何をされても愚直にアリアを愛する彼の姿に「いやいや大丈夫か?それで良いのか?」とも思うんですよね。
周囲が「アリアの呪縛」「アリアは悪女」と叫んでルークを心配する気持ちはとても共感できる。
だってアリアほんとに怖いんだもん!横暴だし理不尽だし!
なので、うーん、個人的にはもう少しアリアの可愛さを前面に押し出してほしかった気もします。
容姿の釣り合いを気にしていたり、プロポーズの言葉をじりじり待っていたりと可愛いところもあるんですけどね。不束ものですが・・・って泣きながらしがみつくシーンはキュンとしたし(鬼の目にも涙)

でも、もっと! もっと可愛いところが見たかった!

ルークが「アリア可愛い~」ってデレるシーンで私も「アリア可愛い~」ってなりたかった!
だって割と頻繁に「えっほんとに可愛い!?」ってなるから(それがまた面白くはある)(可愛い時もあるけどその前に「ひぇっ・・・怖い・・・」がくるよ)

 

というより彼女の理不尽な振る舞いに対するフォローがもう少しほしかったのかもしれません。
子供の癇癪レベルの印象を拭えない場面も多かったですし。
表面上の言動から真意を読み取ることはできるものの、アリアの内心をもっと丁寧に掘り下げて描写してくれたら、彼女自身のことをルークの贔屓目抜きにもっと好きになれた気がするんですよね。

 

それはさておき、アリアがそういう子ならルークの愛は間違っているのか?と言うと、そういう訳ではなくて。
「勇者として世界を守ること」と「恋人としてアリアの隣にいること」を天秤にかけ、後者を選ぶルークの気持ちは十分に理解できるのです。

だって最初にルークの世界を救ってくれたのはアリアなのだから。

アリアがいなければルークの世界は何年も前に終わっていたかもしれないのだし、そうするとルークがアリアこそ自分の世界と言い切れてしまう想いの深さも分かるというもの。そして私はこういうカプが大好きだ!

 

紆余曲折を経て、ルークの隠し事はひとつの解決策を見つけることになります。
あれは上手い落とし所だったんじゃないかな。タイトルのダブルミーニングにニヤッとしました。こういう仕掛けは良いですね。

一応綺麗に話が終わっているので単巻ものかもしれないけど、シリーズ化するなら是非読みたいです。

 

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