恋のレッスンに励む貴族令嬢の友情と成長を描く『臆病な伯爵令嬢は揉め事を望まない1・2』 /白猫


臆病な伯爵令嬢は揉め事を望まない (ビーズログ文庫)
臆病な伯爵令嬢は揉め事を望まない (ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年10月刊。1・2巻同時発売。
敬愛する侯爵令嬢の恋を応援するため、恋愛小説を教本にしてアドバイスを頑張る地味な伯爵令嬢の物語。
友人の恋を見守る一方で、地味な自分を変えようとする主人公の成長も描いていく作品です。
婚約者の心をつなぎとめようと健気な努力を重ねる侯爵令嬢も素敵だったし、主人公との友情も微笑ましくてGOOD。
個人的にはもっと徹底的に揉めてほしかった気もするのだけど(笑)、少女たちの友情物語として満足しました。
あと、ツンデレ×鈍感の主人公カプの恋も良かったです。こちらは悶え苦しむツンデレ少年のツンデレっぷりを堪能しました。
全2巻で綺麗にまとめてあるけれど、続きはあるのかな?

☆あらすじ☆
WEB発!地味な取り巻き……なのに侯爵令嬢に恋のレッスン!?
私、アメリアは侯爵令嬢・ソフィー様に憧れる地味でしがない取り巻き――だった。彼女の婚約者、王太子殿下の密会現場を目撃するまでは! これまでの人生揉め事を避けてきた私だけど、悲しむソフィー様を放っておけない! なりゆきから、ソフィー様の弟・ルーファス様と協力して恋のレッスンを始めたところ、私の周りにも少しずつ変化が訪れて?

以下、ネタバレありの感想です。

 

伯爵令嬢アメリアは、ひとりぼっちだった自分に手を差し伸べてくれた侯爵令嬢ソフィーを誰よりも敬愛している。
そのソフィーが婚約者の不貞に悲しんでいることを知ったアメリアは、ソフィーの恋を応援するため、婚約者からの印象を変えるための特訓をしようと申し出るのです。

 

というわけで、恋に悩む侯爵令嬢と彼女を支える伯爵令嬢の友情と奮闘を軸に物語は進んでいきます。

 

アメリアとソフィーの間に育まれていく絆がすごく良いんです。

上位貴族だけど優しくて、真面目だけど柔軟で、恋を失わないために自分を変えようと慣れない特訓に奮闘するソフィー。
そんなソフィーの奮闘を傍で見守りつつ、自分もまたトラウマを乗り越えて引っ込み思案な性格を変えようと決意するアメリア。

女の子の友情と主従愛がミックスしたような関係だと思います。こういう女の子の関係、すごく好き。
アメリアのソフィー愛と忠義はとても強くて、ソフィーはその愛と真心に相応しい人格者。
ここの人間関係がとても安定しているので、他の人間関係にどれだけ混乱が生じても、どこか安心感があるのです。
誰がいなくなったとしても、ソフィーとアメリアの絆は揺るがないんだろうな、という感じで。

「婚約者の裏切り」という足元グラグラな不貞&失恋話がベースになっているので、ここを安定させているのは良いバランス感覚だと思いました。おかげで恋愛よりも友情にスポットを当てて楽しむことができました。

 

とはいえ恋愛もないわけではないのです。むしろある。

ソフィーの弟・ルーファスとアメリアのツンデレ×鈍感カップルのじれじれな恋模様はとてもかわいかったです。
まぁ割と終盤まではルーファスくんの独り相撲感が強い関係なのだけど。
自己評価が低すぎて、自分に向けられる好意に全く気づかないアメリアに対して「あー!もう!なんでそうなるの!!(怒)(嘆)(照)」って感情を巻き散らかすルーファスくんが可愛すぎでしたw

なんというか、ルーファスって様式美を正しく踏まえた正統派ツンデレって感じなんですよね。
ツンツンしていて感情を素直に出すのが下手くそな感じ。それでいて特に意識しなければ甘い言葉がポロって出る感じ(無意識すぎて本人も気づかない)
ぎこちない優しさも素敵でした。言葉は刺々しいけどね。これぞツンデレ。

個人的にはアメリアが恋を自覚してからの両片思いなやり取りを堪能したかった気もするけれど、散々焦らされた彼が待つわけがないというのも分かるので、ラストのスピード展開はさもありなんという感じでした。おめでとうツンデレ少年!

 

ルーファスとアメリアの恋模様はさておき、物語を追っていくなかで最も気になるのはソフィーの恋の行方
他の女に惹かれている婚約者を振り向かせるため、必死に努力するソフィーの姿はとても健気で応援したくなるのだけど、同時に「いや、これは、もう無理では・・・」という気持ちもあって。
それでも1巻の途中までは上手くいきそうな気配もあったんですけどね。なのに1巻後半からの「あああ・・・」感が。

 

ただ、うーん、これは完全に私の好みなんだけど、ソフィーはもっと婚約者に執着してほしかった。
だってあんなに頑張ってたんだから。そういう健気な恋をする子だと思っていたから。
趣味や嗜好の不一致で一気に冷めてしまうのはありがちなんだけど、ありがちだからこそソフィーには乗り越えてほしかったなぁ・・・という気持ちがあるんです。
いや、そこを乗り越えられない自分を自覚したからこそ身を引いたというのも分かるし、ソフィーと王太子がカップルとして相性良くないのは十分に伝わっていたから展開自体は自然なんですけどね。
要するに私はもっと揉めてほしかっただけなんだ。あれだけ頑張っていた割に最後が潔すぎて肩透かしを食らってしまったというのもある。

 

でもまぁ結局は各人が収まるところに収まったということでしょう。
結末自体は納得いくものでした。いや、王太子とロゼッタに与えられた罰は予想より重くてドキッとしたか。

 

ところでこれって2巻完結なのでしょうか?
とても綺麗に終わっているんですよねぇ。
存在だけやたら出てきた従兄が地味に気になっていたのだけど、結局何もなしなのかな。

 

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