金椛国春秋5 青春は探花を志す / 篠原悠希


青春は探花を志す 金椛国春秋 (角川文庫)
青春は探花を志す 金椛国春秋 (角川文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年9月刊。
族滅の憂き目にあった少年の波乱万丈な人生を描く中華ファンタジー第5弾。
今回は青春編ということで、遊圭が科挙に挑み、学生生活を送るストーリーでした。
予想を超えるほろ苦い「青春」だったのだけど、ラストの遊圭が妙に爽やかだから一瞬ハピエンかと思ってしまいました。でも、違うんだよなぁ・・・

☆あらすじ☆
想いを寄せるあの子のために、目指せ難関試験突破!大人気中華ファンタジー
現皇帝の甥として、平穏な日常を取り戻した遊圭。しかしほのかに想いを寄せる明々が、国士太学に通う御曹司に嫌がらせを受けていると知り、彼と同等の立場になるため、難関試験の突破を目指すが…。

以下、ネタバレありの感想です。

 

後宮に潜み、スパイの真似事をさせられ、散々宮廷の悪しき側面を見続けた遊圭。
もはや政治の世界に青い理想は抱けず、その危険性ばかりに目をとられる彼が「本当に官僚として出世することだけが星家再興の道なのか?」と迷うのは仕方ないことなのかもしれません。

しかし、明々を襲う理不尽を解決する必要が生じ、遊圭は権威を得るために童試に挑み国士太学へ進学することに。
ハーフの友人ができたり、鼻持ちならない先輩に苛立ったり、学内の勢力図に辟易したりするうちに、遊圭は国士太学に蔓延る不正に気づいてしまうのです。

 

というわけで今回も玄月のスパイとなり潜入捜査をする話でした(安定の女装付き)
安穏な学生生活すら送れないところに、遊圭の生まれた星の過酷さを感じます。
そして表紙の美女は誰かと思ったら玄月さんなんですね。さすが綺麗だなぁ。

 

その玄月との関係だけど、相変わらずギスギスしてて笑っちゃいました。
前回の決死行で少しは信頼関係が築けたと思っていたのになぁ。いや玄月の方は態度が軟化しているかな?
遊圭は同情と嫉妬と猜疑心と信頼が混ざりすぎて内心が相変わらずぐちゃぐちゃしてるけれど。
遊圭、あれこれと「玄月はこう考えているに違いない・・・!」と疑っては激昂していたものの、どこまで玄月の本心を当てていたのでしょうか。
もう5巻になるのに玄月というキャラを私自身が掴みきれていないせいかもしれない。でも遊圭の憶測をどこまで鵜呑みにしていいのか迷うところなんですよね。
遊圭が「あの行動は嫌がらせ8割、思いやり2割」と言っていても、実は割合は逆なんじゃないの?とか思ったり。
まぁ嫌がらせがゼロじゃないところに玄月の歪さというか彼らしさがあるわけですが。

 

さて、そんな玄月の思惑を読み違え、結果利用され、さらにはポカもしてしまった遊圭。
学内の不正を暴く話だったはずが、オチがこうなるなんて、どれほどの読者が予想できたことでしょう。私はマジでびっくりした。
族滅から始まり、少しずつ奪われたものを取り戻してきたのに、まさかここで振り出しに戻るなんて思わないでしょ。
「敵を欺くにはまず味方から」という息苦しい展開を抜けた先に爽快なカタルシスがあると信じていたのに・・・・・・なんともまぁ苦い青春ですね・・・・・・

 

そのくせ遊圭本人はやけにスッキリした雰囲気で明々に告白してるんで、あれ?もしやこれハッピーエンドだった?とか思っちゃったじゃないですか。
遊圭、意識して明々のことを異性として見ないようにしている様子だったけれど、やっぱりずっと身分差を気にしていたのね。足かせ外されたらまぁ浮かれちゃって笑

 

とはいえ、序盤から不穏な動きをみせていた朔露との衝突の最前線に送られたわけで、次にくる展開もとってもやばそう。浮かれている場合ではありません。
エピローグのルーシャンたちの会話からして怖いですしね。え、このひとたちは味方でいいの?どっち?

行方不明の麗華公主の安否も心配。
とにかく次巻を待たねば。楽しみです。

 

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