10歳になった同級生との不思議な新婚生活――『じゅっさいのおよめさん』/三門鉄狼


じゅっさいのおよめさん (講談社ラノベ文庫)
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評価:★★★☆☆
2018年10月刊。
ある日、突然現れたのは「およめさん」を名乗る不思議な10歳の女の子。
その正体が同級生であることに気づいた主人公は、彼女に何が起こったのか、彼女が何を隠しているのかを探っていくことになります。
しかし当の彼女は主人公の気持ちにお構いなしで「新婚生活」を陽気にエンジョイ。
彼女の秘密を解き明かしつつ、理屈屋の少年と天真爛漫な幼女(仮)のずれた掛け合いを楽しめる新婚生活物語でした。可愛かったですw

☆あらすじ☆
「わたしはせいじのおよめさん!」
僕こと倉敷誠二が終業式を終えて家に帰ると、家の前で待っていた十歳ぐらいの見ず知らずの少女に、いきなりそう言われてしまった。およめさん宣言のもと、一緒に新婚生活を送ろうとしてくる少女。けれどもちろん、僕は十歳の少女と結婚することにした憶えはない。少女に話を聞くと、どうやら彼女はクラスメイトの御殿山みのりで、昨日突然その姿になってしまったらしく……!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公・倉敷誠二の帰宅を待ち構え、「わたしはせいじのおよめさん!」と名乗りをあげた10歳の少女。
通報案件を避けるべくとりあえず少女を1泊させた誠二は(泊まらせた理由はあるけど要約するとやはり通報案件では)、彼女がクラスメイトの図書委員・御殿山みのりであることに気づく。

 

なぜ女子高生が物理的にも精神的にも幼児退行しているのか。
なぜ彼女は何も語ろうとしないのか。
なぜ彼女は誠司の「嫁」だと言いはるのか。

 

理屈屋の誠司が謎に頭を悩ませる一方で、10歳未満の精神年齢になってしまったみのりは楽しそうに誠司との新婚生活を満喫するのです。

 

これはロリラノベなのか、それとも高校生のラブコメなのか。
どちらでもある良いとこ取りな設定なのだと思います。
中身が高校生だと思えないほど幼いノリで誠二に甘えるみのりは可愛いし、その実、彼女が隠し持つ決意はとても大人びていて。
不意に見せる大人っぽさが良いですよね。イラストの表情の変化もギャップ萌えに一役買っていてGOOD。

 

一方の誠司は、なんというか本当に理屈っぽいなって・・・笑
みのりと一緒にお風呂入っているシーンで哲学に思考をそらそうとするところとか。
もっとシンプルに「同級生とお風呂に入ってる状況やばくね?」で良いと思うなー。やばいと思うしー。

 

みのりもみのりで片思い相手に押しかけ女房した挙げ句にお風呂敢行って勇者すぎません?
思考が10歳になってるからっていうのは分かるんだけど、元に戻ってあの時のことを振り返っても平気なのかな??とっても気になる!
しかし本作は「ロリラノベ」であることに重きを置いているためか、JKモードのみのりの出番ってとても少ないんですよね。もとに戻ったらすぐ終わったし・・・ううむ徹底してらっしゃる・・・!

 

二人の身に何が起きたのかを民俗学要素を絡めて謎解きする後半の展開も面白かったです。
神様は「なんとなく」で行動するっていう話、「神話」として整備される前の原初の神々の雰囲気を感じられてゾクゾクします。楽しい。こういうの好きです。

 

その結末は・・・・・・うん、たぶん、悲劇じゃない、のかな。

結局寿命がどれくらい縮まったのか、を考えてしまうのは無粋なのだろうし、死別オチが一番つらいのでこれがハッピーエンドなのは確かでしょう。

 

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