覇剣の皇姫アルティーナ14/むらさきゆきや


覇剣の皇姫アルティーナXIV (ファミ通文庫)
覇剣の皇姫アルティーナXIV (ファミ通文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年9月刊。
平和を目指すアルティーナたちが、南のヒスパーニア帝国へと侵攻する第14巻。
今回も安定した面白さでした。個人的には新キャラの父娘がとても好きです。

☆あらすじ☆
――ヒスパーニア帝国を征服せよ。
無能や背信の指揮官に足を引っ張られつつも、軍師レジスの策により、アルティーナはエルトリア教国を降伏せしめた。
しかし、元帥となった彼女に帰還は許されない。新皇帝ラトレイユからの勅命が下る。
『ヒスパーニア帝国を征服せよ』
命令には不服ながらも、第四軍は隣国へと侵攻した。大砲と小銃で圧倒するも、敵国には””神の子””と謳われし軍師がおり……!?
覇剣の皇姫と読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー、第十四弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

南のヒスパーニア帝国へ侵攻を開始するアルティーナとレジス。
しかし思いもよらぬ伏兵の存在により、レジスの策が狂い始め―― という第14巻。

 

新たなる強敵として「神の子」マリアムが登場です。

軍神と呼ばれた祖父に育てられ、言葉を話すことができない軍略の天才という強烈な個性で颯爽と現れたマリアム。
少し頼りない父親との掛け合いも楽しく、またも物語を賑やかにする魅力的なキャラが出てきてくれました。
特に「祖父が憑依してるのでは・・・?」と内心怯えつつ娘の尻にしかれているパパンの哀愁がたまりません。セットでこそ輝く父娘だ!

 

父親に対しても上から目線のマリアムだけど、彼女の軍師としての才能はレジスに匹敵するほどである様子。
マリアムがレジスの思惑を先読みし、レジスがどこまで読まれたのかを素早く推測する。もしやレジスが負けるのか・・・!?と緊張する軍師同士の頭脳戦はとても読み応えがありました。

 

それだけに惜しいのはマリアムが軍を掌握できないこと。
地位や性別の壁に加え、「言葉を話せない」ことが如実に足かせになるシーンはやりきれない気持ちになってしまいました。皇帝に届かなかったメモ書きの存在に胸が痛くなる。
これ、少年漫画とかによくある不遇の天才ライバルキャラじゃないですか・・・・・・私、こういうキャラに肩入れしがちなんだよなぁ笑

 

・・・・・・とか思っていたら最後で見事にやられました。
レジス本人がまずいことになっているけれど、毒はあくまで目くらましなんですよね?本命の方もなかなかまずいのでは。
余裕に思えたヒスパーニア攻略の行方が全く読めなくなってしまいました。続きが早く読みたい!

 

今回はマリマム父娘に気が取られてしまったけれど、レジス&アルティーナサイドで語られるドラマもなかなかの読み応えでした。
特に戦場において宗教や理想をどう扱えばよいのか語り合うシーン。相変わらずサラッとえげつない案をだすレジスに対し、アルティーナが彼女らしい真っ直ぐさを見せてくれたのがとても良い。
「信念を抱いたまま死ぬことを不幸だと決めつけれない」という哲学は、彼女らしい健やかな潔さを感じられるセリフだと思いました。
前巻でも感じたけれど本当に成長著しいなぁ、アルティーナ。
レジスを盲信するわけじゃなく、主君たる自分の道は自分で決めるところが格好良い。

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。