切ない人外恋愛譚と愛らしい旦にゃ様の奮闘を描く『真夜中は旦にゃ様2 モノノケ、千年の恋をする』/帆高けい


真夜中は旦にゃ様 二 ~モノノケ、千年の恋をする~ (メディアワークス文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年9月刊。
ムラムラすると猫に変わってしまう陰陽師を許嫁に持つ、大和撫子な女子高生のあやかし奮闘記第2弾。
今回もすごく旦にゃ様が可愛かったです。なんというピュア(恥)
そしてサブタイの意味はとても切ないものでした。
話自体はベタなんだけど、二人の関係性を考えるとエモさで胸が苦しくなってしまいます。

☆あらすじ☆
ドキドキすると猫に化ける陰陽師×一途な女子高生。幸せのあやかし恋奇譚。
ムラムラすると猫に変身してしまう呪いに掛けられた陰陽師・太一。許嫁の桃子は、今日も太一の呪いを解くべく奮闘していた。だが、妖怪の隠れ里『駅』の長・旭の策略で、桃子は千年前にタイムスリップしてしまい!?

以下、ネタバレありの感想です。今回は特にネタバレ注意で。

 

今回は桃子が旭の罠にはまり、千年前の彼に会いに行くことになるというストーリー。

正直な話、こういうタイムリープなラブストーリーは手垢が付きすぎている部類だと思うんです。
旭によって過去に飛ばされて、その先で旭に会って、しかも一緒に過ごして良い雰囲気になるとか、もはや時間SF恋愛モノの定番シチュエーション。
早い段階で旭の想い人の正体も察するし、奇をてらった展開ではありません。

 

ただ、それを踏まえても、この切なくて美しい恋のお話はとても胸を打つのです。
だって旭が出会ったときから桃子には許嫁がいるのだし、彼女の心が太一だけに捧げられていることは明らか。
そんな始まりから報われない恋を、1000年もの間大切に積み重ねていくんですよ・・・?切なすぎる。

ラストで明かされた旭の想いは透き通るように純粋で、一途で、健気で。
本当に「綺麗」としか言いようのない恋心なのです。

旭は桃子に太一がいることをどう思っているんだろう。あまり気にしてないっぽいですよね。
彼からは、ただただ「桃子にもう一度会いたい」という気持ちしか見えてこない。
そして見返りに釣り合わない犠牲の大きさが余計に彼の恋に重みを感じさせるのです。

もはや人のスケールでは測れないほどに純度が高い執着。これぞまさに人外恋愛譚でしょう。とっても好きです、こういう話!

 

いやもう、旭の恋があまりにも美しすぎて、思わず「太一さん大丈夫?」と心配になってしまうほどでした。
思わぬところから刺客が現れた気分。これは下手するとメインヒーローの座が危うくなるのでは(読者人気的な意味で)
太一さん、良くも悪くも人間らしい人間なので、あやかしスケールの恋と比較すると・・・・・・大人げなくヤキモチも焼いてるし・・・・・・可愛かったけどw

 

そうは言っても今回は太一さんもかなりの奮闘を見せてくれました。
決めるところはしっかり決めつつ、変わらぬモフみが素晴らしい旦にゃ様。
ついに完全に猫化してしまったけれど(あのシリアスムードの中で猫になるの笑うでしょ)、奮闘が愛くるしすぎてモフらずにはいられません。
「猫」であることを最大限にアピールするあざとい描写の数々がとても最高でした・・・!
それと「私には、あなたが必要だから。許してもらえるまで諦めません」と言い切ったシーンも良かった。
1巻で桃子から逃げたときに比べるとかなりの成長を感じますよね。腹をくくってる感が良き。

 

そして今回一番大変な目にあっていた桃子。
相変わらず太一さんへの恋心がまっすぐに強くて、とても素敵なヒロインです。もうこの子に関しては全てにおいて安心して見ていられるのであまり語ることがないんですよね。
たぶん桃子は旭の想いを知ってもブレることはないのでしょう。でも優しい子だから、きっとすごくすごく悩むはず。
だからこそ何も言わない旭の優しさが刺さるんですよね・・・・・・あんなに待ち続けていたのに・・・って。

 

あと今回なにげに格好良かったのは桃子ママ。
太一さんのわけわからん事情に耳を傾けているところで「おっ、この方、意外に話がわかる」とは思っていたのだけど。
「呪いを解くことが日高の最優先事項」と断言してくれたママに思わず親指を立てました。
これは太一が浮気でもしたら義母に○されるまである。猫の呪いのせいで浮気モロバレな太一さんなので細心の注意を払わないといけませんね(喧嘩の仲裁で猫化してる場合じゃないよ!どんなシチュだよ!)

 

今回もとても楽しかったです。
呪いの件は未解決なので3巻もあるかな?楽しみに待っています。

 

余談。
こういうタイムリープものを読むといつも思うのだけど、起点ってどこにあるんでしょうね。
旭が桃子を過去に飛ばしたのは、(再会したい気持ちはもちろんとして)そうしなければ「駅」が生まれなかったから。
「駅」がなければ桃子と旭は出会わない。旭が桃子と出会わなければ「駅」は生まれない。
ぐるぐると回る運命的な関係なのに、そもそも桃子は太一がいなければ「駅」に行かないっていうのがもう・・・・・・ああ、片恋の切なさが詰まってる。

 

余談2。
ところで1巻の旭と桃子の出会いのシーンを再読したのだけど、旭を視認した直後に太一に意識が移っててログアウト早っっ!!って悶ました(その後挨拶のために再ログインしてるけど)
このときの旭さんの心情を詳しく・・・!

 

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