縁結び神社の悪魔さま/森川秀樹


縁結び神社の悪魔さま (富士見L文庫)
縁結び神社の悪魔さま (富士見L文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年9月刊。
縁結びのご利益が高いと噂の神社に足を運んだ婚活女子が出会ったのは、神主として縁結びに励む悪魔だった――という縁結び物語。
「結婚」をテーマに様々なカップルの関係を描いていく作品です。
自覚する願望を追求した先で無自覚の願望に気づいたとき、婚活女子たちは何を選択するのか。
幸せな縁結びってどんなもの?と真剣に考えるヒロインとツンデレ悪魔の掛け合いも楽しい作品でした。

☆あらすじ☆
縁組率100%!破局率も100%!? 悪魔神主と婚活女子の縁結び奮闘記
誠実な男性と結婚を望む婚活女子・珠子。参拝すれば必ず恋人ができ、イケメン神主が恋愛相談にものってくれると噂の神社を訪れてみたのだが……そこには羽を生やした全裸の男が!しかも男は自分を悪魔だと言い――?

以下、ネタバレありの感想です。

 

「誠実な人との結婚」を望み、婚活に励んできたものの全く上手くいかない森本珠子
祭神から「真に幸せな結婚につながる縁結び」を課せられ神社の神主となった悪魔・神狩

偶然にも出会った二人は、口止めの契約が転じて協力の契約となり、一緒に参拝客の縁組を頑張ることに。
しかし「幸せな縁組み」の考え方が異なる珠子と神狩は何度も衝突し、その過程で「幸せな縁組とはなにか」「顕在的な願望に隠された潜在的な願望はなにか」を追求していくことになるのです。

 

神様案件の縁組を描く作品は数あれど、メインターゲットが婚活女子ということもあり、本作は「恋愛」の先にある「結婚」を主眼においた作品となっていると思います。
というより「結婚」が先に目的としてあって、それを考えるなかで「恋愛」を無視できないことがある、という感じかな。あまり恋愛要素は強くないんですよね。
むしろ幸せな結婚を目指すにあたり、一番身近な存在となる人との距離感や付き合い方を考える話。結婚とは人間関係のひとつの極致なのだ、的な。

 

特に最初の映美さんの話とかそうですよね。
取り繕った綺麗な自分だけを見せるのは楽だけど、ずっと一緒にいる相手に素を魅せないのは幸せなのか?という。
私は見栄っ張りなので映美さんの気持ちがよくわかって、それだけに彼女がどんな答えを出すのか興味津津でした。
落ち着くところに落ち着いた結末は良かったと思います。

 

その次の絢愛さんの話は二転三転する恋の行方が面白かった。こちらは恋愛要素強め。
計画至上主義で結婚は手段と割り切っているキャリアウーマンが、全然計画的じゃなく感情のままに恋に落ちるっていう話、定番なんだけどロマンスがあって好きです。
婚活相手ではなく昔の彼が気になって仕方ない絢愛さん可愛かったなぁ。
ラストもドラマチックで素敵でしたしね。懐かしのメロドラマのワンシーンみたいだった。

 

そして最後は珠子の話。
正直、個人的には珠子は苦手な主人公でした。男を値踏みし、疑り深く、それでいてお節介で決めつけがましいというか・・・・・・
きっと値踏みされ疑いの目でジロジロ見られていることに、相手の男性も割と感づいてたんじゃないかなぁ。気分よくないよ、そんなの。
婚活失敗は変な男ばかり寄ってくるせいとか言っていたけれど、マトモな男性はその前に逃げてたのではないか?とも思ったり。
そんな珠子だけど、彼女自身の無自覚な願望が明らかになる最終話では好感の持てる主人公となっていました。
彼女の性格や振る舞いは彼女なりにあがいて必死に考えた結果なわけだし、私ももっと優しい目で珠子の気持ちを汲んであげねば。

 

まぁでもダメ男を引き寄せるオーラがあるのは本当なのかもしれない。
生駒さん、途中までは珠子の反応の方が過剰に思えたんですよね。でも最後の追い詰めるシーンはダメだ・・・・・・あそこまで怯えさせるのはアウトだわ。
ただ、話しかけるチャンスをうかがって遠目で観察してたあたりまでなら・・・・・・うーん、だめ? 現実的に考えるとストーカーかな?
たぶん生駒視点だと純愛小説になる気もするんですがどうでしょう??ストーカーと執着的純愛って紙一重ですね。フィクションでも難しい差異だ。

 

まぁ珠子には神狩がいるので。
なんだかんだ良いパートナーになりつつある二人の今後が楽しみです。
ツンデレ×ツンデレのケンカップルみたいになりそうな予感。

さて、残す縁組は9998組?
長っ・・・!先が長いな・・・!!!

 

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