竜宮輝夜記2 染まれ君よと、恋に舞う/糸森環


竜宮輝夜記 染まれ君よと、恋に舞う (角川ビーンズ文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年9月刊。
竜の巫女となった里人の少女の運命を描く和風ファンタジー第2弾。
今回は「斎花」の意味と役目について語られるストーリーでした。
人への愛がこじれてしまった竜たちが相変わらず可愛い。そして今回のキーパーソンである「彼」も負けず劣らず魅力的でした。
しかし本当に世界観が素敵な物語だと思います。
絢爛豪華にして残酷で醜悪な天上の都。
紗良が見るは夢か現か・・・・・・
今回も楽しませていただきました。完結でもおかしくなさそうな雰囲気だけど、続きはあるのかなー?

☆あらすじ☆
神竜にすべて捧げたはずが、東宮の妹背に!? 和風恋絵巻!
竜を統べる女王・斎花となった紗良は、彼女が大事な由衣王たち四竜の領域に隠されてしまう。しかし斎花は国の巫。その務めを果たさせて欲しいと説得にやってきた使者は、正体を隠した東宮・槙成親王で……!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

荒ぶる竜を鎮める巫女「斎花」となった紗良。
しかし竜たちとの生活は特に変わりもなく、紗良は「斎花」の役目も知らずにいた。そんな紗良に、白長督は「つとめを果たせ」と求めてきて―― というのが第2巻のストーリー。

 

いよいよ「斎花」とは何かが明かされる第2巻です。
読みをそのままに漢字を変えて意味を激変させる手法、糸森さんお得意の言葉遊びって感じですね。ゾクゾクしました。
まぁ巫女=生贄のパターンじゃなかったのは意外だったけれど(糸森作品で培った偏見)、それでも重要な役割をもった存在である斎花。
その「斎花」の存在に刺激され、天上の美しき世界は負の感情が渦を巻いていくのです。

 

この陰謀を巡るストーリーがとても面白かった。
優しい人も胡散臭い人も親切な人も冷たい人も、誰もが様々な思惑を抱えている。
信じていても裏切られるし、次の瞬間には共に闘う仲間になることもある。
立場が変われば見え方も変わるし考え方も変わる。人を介せば意思すら変わる。
不変なのは竜だけで、人はどのようにでも変化するんですよね。ああ、そういう意味では竜以外に染まらない紗良は人から外れつつあるのかもしれない。

 

で、今回とても「人」として面白かったのは藤江改め星宮
優しくて面倒見が良くてボケもツッコミもこなせる星宮、とても楽しい「お兄ちゃん」だな〜って思っていたのに!
次代の帝がそんな甘いだけの人なわけがなかった。
それでも悪巧みを明かしたあとも「楽しいお兄ちゃん」感は消えないところは人徳でしょうか。
なにしても笑って誤魔化されそう。色んな顔を持つ人だけど、奥底に優しさを感じるからかなぁ。
嵌めて弄んで利用されても「えへへごめんね」で済んでしまうほのぼの感がありますよね、このシリーズ。そういうところ、確かに糸森作品比で優しい世界だなぁと思います。

 

さて、今回は紗良が「斎花」としての己を知る話でもありました。
冒頭から夢心地に死を待っているような雰囲気の紗良。
あまりにもふわふわしていてゾッとしました。夢見る胡蝶のような儚さがある。
寿命問題って前巻で解決してなかったっけ?と思いつつ、今回でしっかり解決してよかったです。解決したんだよね?
死に対して物分りが良いという問題は竜の執着でクリアってことでいいのでしょう。紗良は命に頓着しない子だから竜が彼女の命を大事にしてあげればいい。

 

そんな紗良と竜たちの関係、サブタイで少し期待したのだけど結局恋愛方面には舵をきらないんですね。

どういう愛か、なんてその都度ぐるぐると悩む必要はない。
どんな愛も、この竜のものなんだから。

まじかー!って正直思いました笑
「愛」と一言で言っても家族愛と異性愛だとだいぶ違うと思うのだけど。
いやでも巫女と竜の間に存在する「愛」を人間関係の枠組みで捉えるのも変な話なのかも?
むむむ。でも私は期待したんだけどな!由衣王も一瞬期待したっぽいんだけどな!「方々」でまとめられちゃったけど!

 

まぁでも面白かったからOKです。
もし続くならやっぱり一人に絞って恋愛方面も描いてほしいけれど、ラストの雰囲気が完結でもおかしくない感じなんですよね。
どうなるかなー?

 

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