星に願いを、君に祈りと傷を/清水晴木


星に願いを、君に祈りと傷を (富士見L文庫)
星に願いを、君に祈りと傷を (富士見L文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年9月刊。
星を愛する少年と傷を抱えた少女の恋と後悔を描いた青春小説。
彗星のように惹かれ合い、衝突するように恋に落ちた二人の葛藤に心を締め付けられる物語でした。恋と後悔に彩られた青春はドラマを感じます。
・・・・・・なんだけど、うーん、最後の演出が個人的にピンとこなくて惜しかったです。

☆あらすじ☆
流星群が降る夜、高校2年の屋敷は美しい双葉と出会った。
顔に大きな傷を持ち、だけど凛として、星と夜が好きだと話す彼女。
双葉に惹かれた屋敷は二人が10年前に出会っていたことを知り、再会を運命だと有頂天になるが……。
ある疑問が頭をもたげる。双葉はいつケガを負ったのか。
そこには決して屋敷が知ってはいけない、彼女が10年前から抱え続けた孤独と秘密が隠されていて――。
星が衝突するように恋に落ちた。
双葉の傷を、傷ついた過去を、消したいと何度も願った。
流れ星のように煌めく一瞬を痛切に描いた、胸に刺さる青春物語。

以下、ネタバレありの感想です。

 

流星群の夜、屋敷創平は一緒に星を見た双葉楓に惹かれる。
顔に大きな傷がある双葉を笑わせてあげたいと屋敷は望むようになり、次第に二人の距離は近くなっていく。
それが屋敷本人が忘れていた罪を暴くことになるとも知らずに。

 

私たちは、一瞬だけすれちがい、それから十年の周期を経てまた巡り合った宇宙をさまよう彗星のようだった。

このフレーズが二人の関係をすごく印象的に表現しているのだと思います。
まさに「彗星のような恋」
どうしても逃れることができず惹かれ合う。近づけば近づくほどに引力は強まり、星が衝突するように屋敷と双葉は恋に落ちたわけです。

 

屋敷が双葉に対して想いを募らせ、恋を自覚し、そして罪を知る前半。
双葉が屋敷に対して憎悪を募らせ、迷いを自覚し、そして恋を知る後半。

そのどちらもすごく良かったです。正反対の場所からスタートする二人の物語は読み応えがありました。
特に後半の双葉視点は双葉の苦しみが切実で胸が痛くなるほど。
前半の答え合わせみたいな話なのだけど、あの場面あの瞬間に双葉が抱えていた傷の重さをひしひしと感じる。
そりゃあ屋敷の能天気さに憎しみが滾り、同時に優しさに惹かれもするでしょう。
そして惹かれることに戸惑うんだ・・・・・・ああ、なんて残酷な恋なのか。

 

その悲劇の結末がどうなるのか、という点を楽しみにして読んでいたのだけど。

 

全ての真実を知り、また、相手に知られたことを知った二人が、どういう答えを出すのかと思っていたら、ラストはびっくり3倍速のようなスキップモード。
いやまぁ「彗星のように何度でも巡り合う」的な演出だとは思うのですが、申し訳ないけど正直ぽかーんとしてしまいました。
この手の演出は映画みたいな映像媒体だと感動できるのかもしれない。でも小説だとどうなのかなぁ。
ごめんなさい、私はあまりピンときませんでした。なんだか一番読みたかった部分を全部飛ばされてしまったような気持ち。

 

私は、過去の罪と現在の苦悩のすべてを知った二人がどんな言葉を交わし、その上で絆を結べるのか否かを見たかったんですよね。
このラストだと自然消滅からの自然復活みたいで・・・・・・1冊かけた二人の苦悩はどこへ昇華したのだろう。

 

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