天才王子の赤字国家再生術2 そうだ、売国しよう/鳥羽徹


天才王子の赤字国家再生術2~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)
天才王子の赤字国家再生術2~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年9月刊。
売国を目論む天才王子の望まぬ快進撃を描く戦記ファンタジー第2弾。
今回のテーマは政略結婚。
王族に避けて通れない問題をウェインはどう処理するのか。
そこから始まる策士VS策士の心理戦がめちゃくちゃ面白かったです。今回も楽しかった!

☆あらすじ☆
「私と一緒に帝国を奪りませんか?」
次代の名君として臣民に慕われつつ、楽隠居を目指して日々売国を画策する小国ナトラの王太子ウェイン。
僅かな手勢で隣国との戦争に勝利し、その名を内外に響かせた彼のもとに突然舞い込んだのは、後継争いに揺れる帝国の皇女ロウェルミナとの縁談話だった!?
うますぎる話に警戒するウェインだったが、周囲は帝国との関係が深まるとお祭り騒ぎ。しかも非公式のお見合いに訪れた皇女から提案されたのは、野望に溢れたもので――。
「超断りてえええええええええ!」
天才王子による七転八倒な弱小国家運営譚第二章、ここに開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

あれよあれよと言う間に持ち上がったウェインと帝国第二皇女ロウェルミナの縁談。
王族にとって政略結婚は避けて通れない道だけど、帝国の政情を考えると100%罠だよね!?というウェインの絶叫から始まる第2巻。
建前と本音が幾重にも折り重なる心理戦の幕開けです。副音声も大量にどうぞ。

 

帝国内部での帝位継承争いと、その裏に潜む内乱の気配を引っさげてウェインの前に現れたロウェルミナ。
学生時代を共に過ごし、よく知った人間だからこそ警戒し、彼女が隠した真意を読み解いていくウェイン。

二人の策士の衝突はコミカルだけど緊張感もたっぷり。
ウェインの全身からにじみ出る「面倒クセェ・・・!」という感情に笑いながら、彼がロワの策略から脱することができるのかドキドキしながら読み進めました。
しかしあれだよね。「必要だと思うなら、俺たちを好きに巻き込めばいいんじゃないか」というセリフには自業自得ー!って笑ったよね。
それでもしっかり約束を果たすところが格好いい主人公です。なんだかんだ言って面倒見いいんだよなぁ。

 

ロウェルミナが持ち込んできた厄介ごとの顛末も面白かったです。
中盤まであれだけ心理戦で魅せたのに、まさかあんな事で思惑が頓挫するなんて思わないでしょ。
知略を巡らせて美しくチェスをしていたのに、突然第三者に盤面をひっくり返されてポカーンとする感じ。間抜けすぎて笑いが止まりませんでした。「何で死んでるの!?」はこっちのセリフだ!
全てがウェインの思惑通りになるわけではなく、むしろ思い通りにならない事態を軌道修正しようと足掻くところが楽しい。
がっつり戦記ファンタジーをしているのだけど、適度に肩の力を抜いてくれるから最後まで飽きがこないのでしょう。今回もコメディとシリアスのバランスが絶妙でした。

 

さて、この2巻のあらすじが出たときに私が最初に思ったのは「政略結婚って、ニニムは!?」ということ。
前巻でウェインとニニムの絆にハマった人間なので、これでハーレム展開するならリタイアしようと思ってたんですよね(おい)
で、読んでみたら別の意味で打ちのめされた。

妻になれずとも、心臓という在り方にこそ栄誉を感じるニニム。

は〜〜エモエモのエモですか?なにこれしんどい。尊みと切なさのWパンチで死にそうなんですけど。
むしろここまで絆が強い二人だと間に挟まらなきゃいけない妻が可哀想なのでは??
被害者を出さないためにもウェインはニニムとくっついてくれ!!頼む!!(とか思ってたら「間に入りたい」とか言い出す強者が出てきてびっくり)

 

まぁ、政略結婚ルートは一応回避できたし、そのへんは追々掘り下げていくのでしょう。
売国を狙うウェインには別の目的もあるようですしね。3巻が西側の話らしいのでフラム人差別問題を掘り下げるのかな。
何はともあれ次巻も楽しみです。

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。