男装令嬢のクローゼット 白雪の貸衣装屋と「薔薇」が禁句の伯爵さま。/仲村つばき


男装令嬢のクローゼット 白雪の貸衣装屋と、「薔薇」が禁句の伯爵さま。 (コバルト文庫)
男装令嬢のクローゼット 白雪の貸衣装屋と、「薔薇」が禁句の伯爵さま。 (コバルト文庫)

評価:★★★☆☆
2018年9月刊。
元男爵令嬢の貸衣装屋と、熱血おバカ俺様伯爵のラブコメディ。
盗まれた美術品を探すため、返送して盗人の足取りを追う二人をコミカルに描いた作品です。
一部のキャラを動かしきれていないように感じたり、少し盛り上がりに欠ける点が惜しかったけれど、主役カップルの恋は微笑ましくて可愛いものでした。

☆あらすじ☆
貸衣装屋を営むネージュは、没落した男爵家の元令嬢。ある日、ネージュの店に伯爵家の次期当主・ローズが逃げ込んできた。ならず者に追われていたローズをかくまったネージュは、彼に気に入られる。が、ローズはたまたま少年の服を着ていたネージュを男だと勘違いしてしまった。少年のふりをしたまま、伯爵家から盗まれた先代当主の遺品を探すため、二人は闇のオークションに潜入するが…!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

実家が没落し夜逃げした元男爵令嬢ネージュは、宝石商セシルに拾われ、彼に借りた店舗で貸衣装屋を営んでいた。
そんなネージュの元に突然転がり込んできたのは、盗まれた先代当主の遺品『薔薇の名前』を探す伯爵家の時期当主ローズ
偶然男装していたことから少年だと誤解されたネージュは、ローズの弟分として盗難品探しに協力することになり―― というストーリー。

 

貸衣装屋の衣装で変身し、まるで探偵のように潜入捜査を敢行するネージュとローズ。
様々に身分を偽る変装モノとして面白かったです。むしろもっと色んな変装を見せてほしかったくらい。
旅人とか下働きに化けていたけれど、他にも色々な関係性に扮したコスプレが見たかったなぁ。
まぁ「品揃えが良くない貸衣装屋」という前提条件があるので難しかったのかもしれないけれど・・・・・・

 

さて、物語は『薔薇の名前』探しを通してネージュとローズのロマンスも描いていきます。

女だと知らずにネージュに惹かれていくローズ。
ローズの真っ直ぐな強さに感化され自分の生き方を見直していくネージュ。

最初から息の合った二人の掛け合いは楽しかったし、また、過去の自分を捨てて自分の店を守ろうとするネージュの奮闘も良かったと思います。

ただ、うーん、男爵令嬢の身分を取り戻して伯爵家のローズと上手くいくことと、そのまま平民相手に貸衣装屋の商売を続けることが簡単に両立できてしまいそうなところは「そういうものなの?」と少し引っかかったり。
貴族女性の労働はOKなのか、とか、なんだろう、世界観が曖昧なので落ち着かないんですよね。なんだかローズの大雑把さに押し流されてしまった感がある。
そもそも没落夜逃げ男爵令嬢を伯爵家夫人にすることも普通に難しそうな気がするのだけど、そこらへんも丸っと大雑把に流されちゃいましたし。ローズさん、雑ゥ!

 

引っかかる点はあったものの、ラブコメ自体はすごく可愛くてグッド。
色々と雑な性格しているけど、ローズのキャラがとても面白いんですよね。
自分の名前にコンプレックスあるくせに同じ名前を付けたクマのぬいぐるみをプレゼントするってどういうことなのでしょうか?実は名前好きなんじゃないの??とか思ってしまったじゃないの。あと「ちちくり合い」はやめろ〜!
なんかもうぶっちゃけアホの子なんだけど、お人好しと育ちの良さがにじみ出ていて憎めない人でした。これはセシルにからかわれるわー。水と油みたいなキャラですもん。

 

セシルといえば、当て馬なのか何なのか微妙な立ち位置が気になりました。
終盤では存在が消えちゃったし、うーん、なんとも動かしきれていなかったような・・・・・・
このへん、ローズのお兄ちゃんもそうなんですよね。
セシルとローズ兄の二人が同じ程度にキャラが目立った結果、どちらも物語的に中途半端な扱いになっているように感じました。
どちらか一人に絞った方が話がスッキリ整理されたんじゃないだろうか。
ローズの家督問題にしてもネージュの三角関係にしても、いまいち盛り上がりに欠けるように思えたしなぁ。

 

そのあたりが微妙に気になりつつ、でもラブコメが満足できたのでOKです。

 

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