魔女の天職 魔王と恋に堕ちるだけの簡単なお仕事です/めぐみ和季


魔女の天職 魔王と恋に堕ちるだけの簡単なお仕事です (一迅社文庫アイリス)
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評価:★★★☆☆
2018年8月刊。
職を探して放浪していた魔女が、人間に恋してもらわなければならない魔王に雇われ、二人で悪戦苦闘しながら恋に落ちるためのチャレンジを繰り返すというラブコメ。
恋愛未経験の箱入り×2が指南書を片手に真面目に迷走する姿をコミカルに描いた作品です。
ラブコメ的には私の笑いのツボとは合いませんでした・・・・・・笑えるところもあるにはあったのだけど。
それよりも些細な設定をもれなく回収しきる構成力の点で推したい。あれもこれも伏線かよ!と唸りました。

☆あらすじ☆
「娘よ。さあ、どこからでも我に恋するのだ」「あたし、きっとあなたに恋してみせます、魔王様!」
職を探し求めていた魔女・ジルがやっと見つけた仕事は、美しき魔王様と恋すること!? どうやら、雇い主の魔王家・ドグラートは、人間に《色罪》を生む――つまり恋に堕落させるために人間界にやってきたようなのだけれど……。
人間を恋に溺れさせたい生真面目な魔王と、恋をしたことのない世間知らずな魔女が織りなす、すれ違いラブコメティ☆ 

以下、ネタバレありの感想です。

 

魔道士だった養父を亡くし、魔女としての仕事も見つけられないまま各地を放浪していた少女・ジル
魔女を募集する求人情報を見つけたジルは、天職に出会ったと魔王の居城に乗り込むことに。そこで待っていた魔王ドグラートは「色罪」を生み出すためにジルに恋をしてもらわねばならないと持ちかけてきてーー というストーリー。

 

お仕事で恋愛する話なのだけど、意外と新鮮なのは「本当に恋に落ちなければならない」という点だと思うんですよね。
振りじゃだめなんです。偽りない感情が伴わなければ試練達成にならないから。

 

で、そこでポイントになるのはジルもドグラートも恋愛未経験者だから「恋」という感情がどんなものかさっぱり分からないし、何をすれば生まれるものなのかも分からない、というところ。
経験はないものの(色々と事情があって)二人とも頭でっかちさんなので、聞きかじりの知識を素直に受け入れてあれこれと試していくわけです。
地獄の亡者にアドバイスを聞いたり、恋愛猛者らしき伝説の人物が書いた指南書を参照したり。
でも「何でそうするのか理由は分からないけれど、書いてあるから実行する」という発想なので、これがさっぱり上手くいかない。とても真面目に思いっきり空回りしていくのです。

 

しかし気持ちが伴わない行動だからといって恋が生まれないわけでもなく、同じ目標を目指して共に励むなかで二人の間には次第に甘やかな空気が流れるようになります。
ここらへんは実にラブコメしていてよかった。王道なんだけどやっぱりこういう話って好きです。

 

ただ、うーん、相性の問題なのか、二人の滑稽な奮闘をコメディとして笑えたかと言うと、そうでもないんですよね・・・・・・
設定は悪くないんだけど、ノリがなんか固いんだよなぁ。
ツッコミが足りてないのかも?
天然×天然ものは難しいですね。

 

個人的には空回りラブコメしている前半よりも、敵が登場して様々な伏線が見事に回収されていく後半の雰囲気の方が好きです。
つい読み流してしまうような些細な設定まで全て回収するんだもの、びっくりした。
無駄な登場人物は一人もいないし、意味のない設定は一つもないのだと思います(あ、「黒幕」は結局あたりを付けただけだっけ)。なんだかフェチを感じるほどの構成力。
指南書の存在を最初から最後まで使い倒したところとか本当に良かった。
二人の恋愛の在り方を象徴しつつ、オチまでしっかり付けてましたもんね。あそこが本作で一番笑ったところでした。
どーりで少女漫画の聞きかじりみたいなノウハウだなって!

 

うーん、評価が難しいな。ラブコメ的と設定的に欲しい笑いは足りなかったけれど、物語自体には満足しています。
設定的に続ける余地は残されているけれど、シリーズ化するかな?
でも一応は単巻で綺麗に終わっているんですよね。
とりあえず続報を待ちたいと思います。

 

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