リオランド1 最慧の騎士と二人の姫/岩井恭平


リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫 (角川スニーカー文庫)
リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫 (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年9月刊。
めちゃくちゃプロローグなのにどうしてこんなに面白いの!
異世界から現れた異邦人。突然の事態に戸惑う現地の人々。
中世的FT世界と未来SF世界が交錯するとき、そこに何が起こるのか。
壮大なスケールの物語が幕を開いてしまいました。ここから更に面白くなるのは間違いない。
この期待感だけでも本作は推せます。続きが楽しみ!

☆あらすじ☆
“世界が替わる”運命を――キミと変えていく。
リオランド王国の若き天才騎士・ミカドが戦場で出会ったのは、《科学》の異世界の姫・エチカ。
監視役となったミカドとエチカは互いの信念に惹かれ合うが、リオランド皇女・“予言姫”リューリリリィにより、《科学》世界の王国侵攻が示され――!?
「オレはこの国とリューリ姫をお護りする。手を貸してくれ」
「私はこの戦いを止めて故郷に帰りたい。お願い、手伝って」
リューリへの忠誠、エチカとの約束のため、ミカドは戦場でその真価を示す。その先には別れがあることを――そしてリューリリリィの紡ぐ予言(コトバ)が、大陸を禍乱へ導くことを知りながら。
「ムシウタ」「東京侵域:クローズドエデン」著者・岩井恭平最新作は、魂を震わす運命と叛逆のヒロイックファンタジー!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

初っ端からネタバレかましますが、地球人が侵略者として異世界を蹂躙しようとする話という設定がもう面白い。
そして読者はファンタジー異世界の騎士団長である主人公の目を通して、その不吉さと脅威をまざまざと見せつけられるわけです。この転倒した構造がめちゃくちゃ楽しい作品でした。

 

主人公・ミカドの生い立ちと人となりが語られる序盤こそ物語の方向性が掴めず難儀したものの、地球人VS異世界人(雫人VSハローズ人)の構造が分かってくるにつれて物語は加速度的に面白くなっていきました。
終盤の科学VS儀法の戦いとか本当に熱かった。
科学力を駆使して周到に作戦を遂行する地球人側と、魂の絆と磨かれた連携で迎え撃つ騎士団側という、戦い方が全く異なる2つの勢力が衝突するわけで、そこで起こる化学反応に興奮せずにいられません。
文明レベルだけを見れば異世界側が圧倒的に不利なのだけど、そこを儀法と儀獣で上手く調節して活路を塞がないところも良い。ギリギリのところを切り抜けるカタルシスが最高です。
それにしても、ファンタジーな「儀法」の設定もかなり練られていたのにSF要素もガッツリ描かれるとか贅沢な作品ですね!

 

さて、この第1巻は突如現れた「雫人」の存在により生じる不穏な変化と、その先に待っていた裏切りと衝突が描かれていきます。
ぶっちゃけ1冊まるまるプロローグと言っても良いでしょう。
地球人側の事情が明らかになる終盤に至って、ようやく物語の基本的な構造が分かるわけですから。

 

世界が大きく動く戦争前夜のような雰囲気を描きつつ、ミカドやエチカのキャラを掘り下げて描くことに焦点が当てられた第1巻。
特にミカドはなかなか面白い人間だと思います。
彼が抱える歪みが興味深い。表紙的に本作はWヒロインものになりそうなのだけど、ミカド本人はどちらのヒロインに対しても亡き王妃プラシリキアの面影を見ているところとかね。展開次第ではドロドロしそうだなって(愉悦)
リューリリリィ姫との関係とかやばすぎません?
エロいことしながら「お慕い申し上げております」とか言ってたけど絶対ウソでしょ。自覚はなさそうだけど。
そのへん、普段何を言ってるのか分からない(=何を考えてるか分からない)リューリリリィ姫の気持ちも気になります。振る舞いは天真爛漫っぽい感じだけど本当かな〜〜?

 

色々歪んでる人たちが多いなか、エチカの真っ直ぐさは読んでいてとても気持ちが良かったです。
本当にWヒロインものになるなら私はエチカを推したいかな。今のところは。
責任感が強く、慎重で、でも疑心暗鬼に囚われすぎない思い切りの良さが好き。
今の境遇は悲劇的だけど、ミカドと共闘しつつ新たな居場所を築くなり、困難を突破してかつての居場所を取り戻すなりして、明るい道を見つけてもらいたいものです。

 

何はともあれ次巻が楽しみ。
とにかく続けば面白くなるのは間違いないんですから。続け・・・!頼むから続け!!

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。