ゴスロリ卓球/蒼山サグ


ゴスロリ卓球 (電撃文庫)
ゴスロリ卓球 (電撃文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年9月刊。

「なんで卓球で、なんでゴスロリなんですか。なんで混ぜたんですか、それを」
「美しいから。他に理由はいらぬ」

巨額の金が動く闇卓球の世界に身を投じた幼馴染み。彼女を助けるため、主人公は自らも裏の世界に足を踏み込んでいくのです。
幼馴染みのバディものとして楽しい作品。
スポ根的な熱さではなく、ギャンブル的なヒリヒリとした駆け引きと緊張感を味わう物語だと思います。あとラブコメ。ラブコメがとても良い。
シリーズ化を予定しているとのことなので、続きも楽しみです。

☆あらすじ☆
蒼山サグが贈る新境地! 金と人生を賭けたスポーツは、果てしなく麗しい。
卓球部のエースで幼馴染みの斎木羽麗が失踪した。父親の抱える8000万の借金返済のため、金持ちが主催する裏賭場で戦うというのだ。
その賭博は、ゴスロリ服を身に纏った少女たちの勝敗に途方もない金額を賭けて行われる“闇卓球”。
羽麗を捜し、彼女の許へとたどり着いた坂井修は、幼馴染みを借金地獄から救済するため、共に命賭けの無謀なギャンブルに挑む――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

父親の借金を肩代わりするため、闇卓球の選手となった斎木羽麗
そんな幼馴染みの窮地を突き止めた主人公・坂井修は、天然でぼんやりとした羽麗を助けようと自分に出来ることを探し始め―― という導入で物語はスタート。

 

本記事冒頭で引用した修のセリフが私の疑問そのままで笑ってしまいました。

なぜゴスロリで卓球なのか? ――美しいからだ。

なんという力強い理由。普通に納得してしまいました。
あのヒラヒラとした衣装で卓球をプレーしたら、それは確かに舞のようで幻想的な美しさなのではないかと。

 

まぁ後で意外としっかりとした理由も付け加えられるんですけどね。「ゴスロリ」にも「卓球」にもちゃんと意味がある。
インパクト重視の設定にみせて、細かい部分まで理由付けがしっかりなされているのは良いと思いました。闇卓球という世界の業の深さを感じるから(修は納得してたけど、どう考えても趣味が先にきてるでしょ)

 

さて、そんな闇卓球の世界に投げ込まれた羽麗と修。
不本意な境遇に立たされながらも、慎重に進むべき道を吟味する修と、そんな彼に絶対の信頼を寄せる羽麗の関係がとても素敵なんです。
ていうかさ、最初は「羽麗も、夕も、雅也も、同じ『卓球部の仲間』。そう括った方が自分の中では収まりが良い。」とか言ってましたよね?どこが?ねぇどこが????
修が羽麗に与える影響力の高さが、最初に想像していたものの比ではないのだけど。
ちょっとしたアドバイスで対戦相手の心を刈り取る無慈悲なマシーンと化したり、お着替えのお世話はぜんぶ修にお任せだったり、散髪も修の役目だったり(修も専門書で勉強するレベルのガチっぷり)、羽麗の修に対する依存度と修の羽麗に対する献身の度合いが半端ないんですけど??
これで部活仲間と同じ括りとか正気か?????
正直こういう共依存気味幼馴染み(基本的に羽麗は修を巻き込まないようにしているので完全な依存ではないけど)って大好物です。めっちゃ美味しい。

 

羽麗の修への天然な態度って幼気な感じだったから恋愛感情的にどうなのかなー?とか思っていたけれど、その疑問もラストでふっとばされましたし。「罰金いちおくまんえん」の可愛さ半端ない。

 

そういうわけでラブコメ的に大満足です。
男女バディものが好きな幼馴染みスキーの私のためにある物語なのでは、とか思ってしまった。
選手とトレーダーの関係がまた良いんですよねー。互いへの絶対的な信頼と、経験不足ゆえの未熟を補い合う姿が胸アツでした。

 

ただ、卓球モノとして期待していたような熱さを感じられなかったのは予想外だったかな、と。
後半はデータでゲームの流れを表現していたからかもしれないけれど、スポ根的な盛り上がりを期待していただけに、そこらへんは少し拍子抜けしてしまいました。
ううむ、でもこれは卓球モノとしてギャンブルものとして楽しむべき作品なのでしょう。私の読み方が間違っていただけかも。
背後には奈落が待っている状態での緊張感ある心理戦と、絶体絶命の窮地を切り抜ける爽快感は良かったですし!
しかし奥の手がそれとか、もうさー、・・・・・・やっぱりこれラブコメじゃん!

 

裏の世界から綺麗に足抜けできるかと思いきや、自ら更に深みへと進むことを決めた羽麗と修。
君となら奈落の果てまで、っていうシチュエーションが最高にエモい。

 

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