公園で高校生達が遊ぶだけ/園生凪


公園で高校生達が遊ぶだけ (講談社ラノベ文庫)
公園で高校生達が遊ぶだけ (講談社ラノベ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年9月刊。
タイトルそのまま、公園で数人の高校生たちがひたすら遊ぶだけの小説です。
特に大きな事件が起きるわけでもなく、普通の高校生のダラダラとした日常を描いていくだけ。
それだけの話なのに、読み終わったときにはじわ〜っと充実した気持ちが胸に広がりました。なにこれめちゃくちゃ気持ち良い。
興奮する面白さというより、リラックスできる心地よさを得られる感じ。
あと、主人公と幼馴染みの関係が最高なんです。
いつまでもそのままの距離感でいてほしいような、もう一歩先に進む姿を見てみたいような・・・・・・

☆あらすじ☆
「とりあえず吾妻の中で、わたしを可愛さピラミッドの頂点に設定するといいよ。そうすればわたしを通して“可愛い”がわかる」「瀬川を可愛さピラミッドの頂点に設定すると、具体的にどうなるんだ?」「わたしに似てれば似てるものほど、吾妻は可愛いと認識しだすよ」「じゃあ、電卓とかも可愛く見えんのかな」「ちょっと待って。吾妻の中でわたし、電卓なわけ?」そして今日も公園で、高校生の何気ない日常が紡ぎ出される――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

ネタバレも何も特にないのだけど・・・・・・

 

物語は、男子高校生・吾妻千里を中心に、放課後の公園でダラダラと過ごす高校生たちの日常を描いていきます。
短いエピソードを積み重ねていくショートショートみたいな構成。
吾妻が幼馴染みの瀬川とお喋りしたり、友達のガンちゃんとじゃれたり、男子3人組でだら〜っとくだらない話をしたり、幽霊ドッキリを仕掛けられたりと、公園を舞台に固定して様々なエピソードが語られるのです。

 

どこにでもある日常の、何気ない1コマを切り抜いて集めたアルバムみたいな小説。
普通の高校生の、普通の日常を描いているわけだから、特別ドラマチックでもないし、何か大変なことが起きるわけでもない。
日常に持ち込まれる謎だって大したミステリーになっているわけでもない。
それでも、その「普通の日常」な空気が異様に心地良いのです。

ただの「普通」なんだかけど、夢みたいに理想的な「普通」でもあって。

公園でこんな風に友達と遊ぶの、楽しかったなぁ・・・・・・というノスタルジーを感じる。
いや、ここまで楽しそうに大勢で遊んだことはないな・・・・・・という羨望も感じる。

その全てがとんでもなく心地良い。なんでだろう。すごいですね?

 

吾妻たちのお喋りのネタ、全部が全部笑えて楽しい!という訳ではなかったんですけどね。
むしろ、「トークメイクがひどい」話も割とあるし、オチがくだらなすぎて真顔になってしまうやつもある。
でもそういう話って、話してる吾妻達本人も「く、くだらねぇ・・・」となる。その空気に笑ってしまいました。一度空気を凍らせてから笑わせる滑り芸みたい。間のとり方が絶妙。

 

吾妻とエリカの関係が最高にツボだったことも幼馴染みスキーとして大満足でした。
こういう幼少期からのエピソードをふんだんに盛り込んでくるやつが好きなんです。思い出を振り返ってほのぼのしてほしいんです。めっちゃわかってるなーこの作品!
交換日記の話とか最高に「可愛すぎか!?」ってなったし(マンネリ対策してまで続けようとする気概を応援したい)、呼び方を変えるエピソードも好き。
あと瀬川、「もっと根本的にわたしの生活意欲が、吾妻不在によって、著しく下がっていたのだ。」ってお前・・・お前ェ・・・・・・!
「なんでお前ら付き合ってないの!?」と戦慄しながら読んでいたけれど、もういいです。いつまでもそのままの君たちでいて。

 

楽しい作品でした!
シリーズ化するかなぁ。してほしいなぁ。
個人的には年に1冊くらいのペースでフラッと出たやつをフラッと手にとって読みたい感じなのだけど(伝わる?)

 

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