僕は君に爆弾を仕掛けたい。/高木敦史


僕は君に爆弾を仕掛けたい。 (角川スニーカー文庫)
僕は君に爆弾を仕掛けたい。 (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年9月刊。
面白かったー!
現役七不思議と呼ばれる保健室登校の少女と、とある企みを彼女に見つかってしまった少年。
人の悪意を怪物という形で見ることができる少女は、学校から悪意を排除するため数々の謎を解き明かしていきます。
・・・・・・と書くと、真面目な勧善懲悪ミステリーっぽいのだけど、このヒロインこそが作中屈指のトラブルメイカー。
傲慢で臆病で身勝手で卑屈な超面倒くさいかまってちゃんヒロインなのです。
でも、その突き抜けた小物っぷりがめちゃくちゃ可愛い。こっそり教えてくれる本音もめちゃくちゃ可愛い。
中学生コンビらしいおバカなノリもすごく楽しかったし、これは是非シリーズ化してほしいと思いました。楽しみに待っています!

☆あらすじ☆
小手毬さんはとても可愛い。でもそれは見た目だけ。本性は身勝手で強引で偉そうで、ホントにろくでもない。僕の敵、だったのに。よりにもよって彼女が僕の仕掛けた爆弾を見つけるものだから、さぁ困った。きっとものすごく面倒くさいことを言い出すぞ。「犯人を引きずり出せるかどうか、賭けをしない? 私が勝ったら笹子くん、キミ私の下僕になること!」……ほらね。そのまま二人仲良く、文化祭を控えた学内で起こる怪事件に次々巻き込まれるハメに――。かまってほしい彼女と彼の、学園謎解きラブコメディ。

以下、ネタバレありの感想です。

 

慕っていた女教師を脅迫から救うために、脅迫犯である体育教師の車にペットボトル爆弾を仕掛けた中学生・笹子翔一
その爆弾を爆発前に小手毬真理花に回収されてしまった翔一は、彼女に巻き込まれる形で学校で起こる様々な事件に関わっていくことになるーー というのが本作の主な流れです。

 

悪意などの強い欲求を「怪物(バリエ)」という形で具象化し、その目で見ることができる小手毬。
彼女の瞳を通して能力が感染した翔一を従え、小手毬は「この学校に悪意の存在は許さない」と怪物退治に勤しむのです。
事件の全てに必ず「爆弾」が出てくるという共通点はあれど、事件の内容自体はバリエーションに富んでいて、真相も一筋縄ではいかないものばかり。
小手鞠と翔一の賑やかでテンポの良いラブコメを楽しみつつ、ミステリーとしても十分に楽しめる作品でした。
展開が派手なのも良いんだよなぁ。爆弾VS包丁のデスマッチとか全裸男のサバトとか絵面のインパクトだけで笑える。

 

そして何より楽しかったのは小手鞠のキャラクター。
なんでかなー。特殊能力持ちで、探偵役として冴えた頭脳も持っていて、それでどうしてこんな残念な仕上がりになるのか・・・・・・最高です。
翔一と保険医の前以外では「ロック」がかかり、ろれつが回らないほどのコミュ障を発揮するくせに、翔一だけを相手にするときは女王様かよってくらい強気に出るのが可愛すぎて。なにこの内弁慶〜〜〜
めちゃくちゃ自信満々に翔一を振り回すのに、少しでも想定外のことが起こったらパニくってベソかくのもニヤニヤしちゃいました。
あとね、あのノートはずるいと思うんですよ。
照れ隠しの「下僕」呼びからしてあざといほどに可愛かった。エピソードごとのオチとしても優秀なギミックだったと思います。
というか「小手鞠真理花の圧倒的絶対的破滅的衝動的超越的非ライトノベルヒロイン的神聖的邪悪的刹那的私怨的かまっちゃんぶり」がオチとして面白すぎるのだ。そして、この翔一の小手鞠評、めちゃくちゃ的を得ている・・・!

 

そんな愛すべきヒロイン・小手鞠と愛されてる下僕・翔一の関係も良かった。
この二人って中学生なんだよなぁ、と思う場面が結構多いんですよね。
ガキんちょっぽいじゃれ合いとか、二人揃って妙に詰めが甘いところとか。あと、恋愛まではいかない甘酸っぱい距離感とか。
この二人の醸し出す空気が無性に好きです。
きっと翔一はこれからも小手鞠に振り回されて、小手鞠は翔一と一緒に「遊ぶ」ことを楽しむのでしょう。もっとそんな二人が見たい。

ぜひシリーズ化してください!待ってます。

 

余談。
小説を読んでいて自分と同じ名前が出てくるとビクッとなるものだけど、「ビューティフルみかこ」には耐えられなかったww

 

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