魔法使い黎明期 劣等生と杖の魔女/虎走かける


魔法使い黎明期 劣等生と杖の魔女 (講談社ラノベ文庫)
魔法使い黎明期 劣等生と杖の魔女 (講談社ラノベ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年9月刊。
「ゼロから始める魔法の書」(電撃文庫)の虎走かける先生の新シリーズ。
のじゃロリババアな魔女先生に引率され、ワケあり見習い魔法使いたちが「特別実習」に挑む物語です。
前作読者なら楽しめるポイントが盛りだくさん! というか前作の正統続編だそうです(レーベルが変わった)
ゼロ書の続編としても、新たな魔女と魔法使いたちの冒険と絆を描く新シリーズとしても面白い作品でした。
特に新キャラの魔女先生、子どもっぽい言動と成熟した人生観のギャップが最高。彼女と彼女の「小鳥たち」の関係、正直めちゃめちゃ好き。
「教師もの」としても良いシリーズが出てきたなぁという感じです。今後も楽しみ!

☆あらすじ☆
五百年に及ぶ教会と魔女の対立と、数年前に成立した和平。だがその影で、対立の残滓は、まだ世界の各地に色濃く残っていた――。
ウェニアス王国王立魔法学校に通う、落ちこぼれの生徒セービルは、入学以前の記憶を失っていた。そんな彼は、アルバス学長の命で、反魔女派の勢力が強い王国南部に特別実習として向かうことになり……。
『ゼロから始める魔法の書』の虎走かけるが贈る本格ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

時系列は「ゼロから始める魔法の書」の本編終了後。
アルバスを学長とするウェニアス王国王立魔法学校に通う記憶喪失の劣等生・セービルを主人公に、新たな物語が幕を開けます。

 

アルバスからセービルに与えられた「特別実習」。
それは、魔女がいる村に赴き、何らかの形で魔法使いとして実績をあげること。
この特別実習を達成できれば卒業資格を得ることができるセービルは、飛び入りで引率を申し出た「黎明の魔女」ロー・クリスタス(ロス)や他の見習い魔法使いと共に魔法学校から旅立つことになるのです。

 

この作品、とにかく引率役のロスがとても魅力的でした。
子どもっぽい見た目に反する年寄りくさい喋り方。その口調に相応しいほど長く生きてきた魔女。
「読者よ、これがロリババアだ。」とあとがきに書いてあったけれど、なるほどロリババアめっちゃ良いな・・・!
全身で駄々をこねたり、無邪気でワガママな言動が可愛いらしく、娯楽を生きがいとするロス。
その一方で、未熟な若人を守り導く包容力や、逸脱し洗練された人生観をみせてくれるロス。
少女であり老婆であり先生であり魔女であるロスは、老練した魔女らしく一筋縄ではいかない多様な顔を見せてくれるのです。これがもうクラクラするくらい素敵すぎて・・・!

 

ロスって、同じ魔女でありながらゼロとは様々な面で正反対なキャラクターだと思うんですよね。
ゼロは引きこもりで世間知らずだったけれど、ロスは旅慣れているし世慣れしている。
ふたりとも常人とは違う価値観と揺らがない自己を持つ、強い個性が魅力なのは変わらないけれど。
でもそういう(ある意味)対照的な二人だけに、ラストシーンで対峙する姿には高揚するものがありました。もはやこの二人の魔女が同時に存在してるだけで面白いんじゃないかとさえ思う。

 

そう!

 

この作品、ゼロが出るんですよ!!

 

傭兵も、神父も、リーリも、めちゃくちゃガッツリ出てくる!!!

 

ていうか「特別演習」の舞台こそが傭兵とゼロが作った村だし!!!!

 

私、本作のことを「ゼロ書と同じ世界観の新作」としか事前に調べていなかったんですよね。だから読みながら「あれ???これ完璧に続編じゃない???」とめちゃくちゃ混乱してしまいました。だってゼロ書の第2部は電撃文庫から出ると思ってたから。本作とは別にね。
あとがきには「なんか流れで」と書いてあったけど、大丈夫かなぁ、私みたいに正統続編がこちらだって知らない読者もいるんじゃないだろうか。

 

ただ、前作を知らなくても楽しめるとは思います。
・・・・・・いやでも前作を知らないとセブくんのお父さんの話とかで衝撃が伝わらなくてもったいない気はする。私は「うぇぇっ!?」って声が出た。

 

ちなみに前作読者な私は後半から始まる茶番劇にずーっとニヤニヤしてました。
ひよっこ魔法使いたちの間に熱い連帯感と絆が生まれていく様はとても素敵なんだけど、それはそれとしてゼロたちがノリノリすぎて
でもこの試練、ほんと神父さまが一番割を食っていたなー。
胡散臭い呼ばわりされ、めちゃくちゃ怖い杖の回収を任され、トドメは「でも顔に唾吐いてやったら合格になった!あの神父様たぶん変態だよ!」
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜! この変わらない貧乏くじっぷり〜〜〜〜〜〜〜! 神父さま大好きだ〜〜〜〜〜〜!(ゴロゴロ)

 

前作続編として十分に楽しみな作品ですが、ワケあり見習い魔法使いたちの「特別演習」の物語としても期待大です。
ロスを慕う3人組が可愛すぎなんだよなぁ。感極まって4人で団子になってる姿を想像してほっこり。

 

それと、主人公であるセブくんの心の傷は深そうなので、彼の再生の物語にもなりそうな予感。このへんの行方はゼロとロスの最後の会話も合わせて気になります。
誰かを教導するという意味ではロスの方がめちゃくちゃ頼りになるのだろうし、彼女がセブくんを導く姿を近くで見ることでゼロにも何らかの影響があったりするのかも。

 

色々な面で楽しみな新作だと思います。無事にシリーズ化しますように!

 

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