とりかえ花嫁の冥婚 身代わりの伴侶/貴嶋啓


とりかえ花嫁の冥婚 身代わりの伴侶 (講談社X文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★☆☆
2018年8月刊。
冥婚の花嫁が入れ替わったことから始まる中華ラブロマンス第2弾。
前後編というより表と裏のような連作なんですね。
前巻で説明不足に感じていた部分がきちんとフォローされていました。良かった。面白かったです。
ただ、身代わり花嫁となったヒロインの恋についてはやや駆け足気味かも?

☆あらすじ☆
お仕えするお嬢様・黎禾の「冥婚」が決まった。花嫁道中に同行した橙莉は、不幸な結婚から黎禾を救うため、身代わりになることを決意するが……。

以下、ネタバレありの感想です。

 

さて、今回は冥婚する主の身代わりになった侍女・橙莉の視点から、前作の裏側で彼女に何が起こっていたのかが描かれていきます。

 

冥婚相手が生きていた件については前作ですでに明かされていたことだけど、そこに更にもう一捻り加えてあって面白かったです。
特に「わからぬか、冥婚の花嫁よ」のセリフはゾクッときました。前巻では「冥婚」というキーワードは序盤しか出てこなかったけれど、今回でようやくタイトル回収という感じでしょうか。
結局、橙莉は愛のために玄磊に「死者の影」であることを求め、彼はそれに応じたわけで、ここに「冥婚」が成されたと言えるのかもしれない。
サブタイの「身代わりの伴侶」もWミーニングですよね。二人のどちらにも当てはまる言葉だったのは上手いなぁ。

 

前巻では事態の推移がよく分からなかった内乱のあれこれも今回できちんと説明。
あれだけ偽の妹を可愛がっていた隆翔が橙莉に対しては無関心に見えたのが引っかかっていたのだけど、彼は彼なりに妹を気遣っていたことが分かったのも良かったです。
隆翔と橙莉が自分たちを「兄妹」として実感したシーンはとても好き。なんだか感慨深くて。
橙莉にとって大切な人はたくさんいるけれど、彼女を「天涯孤独」という哀しみから救ってくれるのは隆翔と皇上だけなんですよね。少なくともあの瞬間には。
ああ、だから、どうせなら皇上と橙莉が父娘として温かな言葉を交わすシーンも見たかったな。

 

前巻の不満点(というか消化不良なところ?)が解消されてひとまず満足です。
ただ、ラブストーリーとしては前巻カップルの方が好きかなぁ。橙莉が恋を自覚したのが唐突に思えたので。
どちらに対してもえ、今の時点でそんなに好きになるポイントあった?と思ってしまい・・・・・・こういうのは理屈じゃないのかもしれないけれど。

 

でも玄磊が橙莉に惹かれたのは自分を重ねたからだ、というのはロマンチックを感じて素敵だったので結果オーライ。
ラストの「お願いです。このまま玄磊様として、わたしと生きてください」という逆プロポーズと、その上で本当の名前を聞くというのも素敵でした。
「玄磊」との冥婚と、代わりに失われた本来の彼との結婚。その2つの覚悟を感じるシーンでした。
本当の名前は読者には教えてくれないところも良いんだよなぁ・・・・・・

 

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