神様は少々私に手厳しい5/守野伊音


神様は少々私に手厳しい 5 (プライムノベルス)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年7月刊。
ポジティブ少女が幾多の苦難を乗り越える異世界セカンドトリップファンタジー第5弾。
相変わらず語り口は笑えるのに、状況は全く笑えないという。
今回の表紙になっているシーン、めちゃくちゃ切なくて、ものすごく素敵でした・・・!

☆あらすじ☆
ルーナの失われた記憶は戻るのか? もう一人の異世界人の存在!? この世界に持ち込まれた「爆弾」のすべての元凶とは――。
ルーナとアリス、そしてユアンとともにガリザザへ出発したカズキ。
ルーナの記憶は戻らず、ユアンも子供に返ったままだったが、船上ではそれなりに平穏に日々を過ごしていた。
しかし突然の嵐によって船は難破。次に目を覚ましたときには、何故かガリザザの兵士とともに囚われていた。
ガリザザの皇子ディナストは、罠に人間を嵌めて上から見学する遊戯にハマっているとのこと。とんでもなく悪趣味な自体に巻き込まれたカズキ達だったがアリスとルーナの持ち前の運動神経により、一同は何とか試練をクリアしていく。
しかし、同じ闘技場に囚われ、仲間だと思っていたはずの男たちに突如として剣を突きつけられてしまい――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

乗っていた船が難破し、ガリザザの皇子ディナストに囚われたカズキたち。
悪趣味で残酷な殺人遊戯のおもちゃにされるところを、潜伏中のルーヴァルの王族たちに救われる。しかし、その平穏も束の間のものでーー という毎度のことながら波乱万丈な内容の第5巻でした。

 

ディナストって名前はサディストをもじってるのか??と思うほどに凶悪な皇子さまに絶句。
しかしこの人めっちゃ笑い上戸ですね。箸が転んでも笑うんじゃないだろうか。カズキが転んだら笑ってたし。
ディナストの悪趣味なゲームについては、凄惨な状況を伝えるほどの冷静さ(と、語彙力)がカズキになくてよかったな・・・と思わずカズキのカズキらしさに感謝したくなりました。いやまぁワニがねじって云々のあたりでウェーッとなったけど。
そんな中で格好良かったのはルーナ。壁を走ってワニを仕留めるとか超人か。背後でこっそり落ち込んでるアリスちゃんが可愛くてきゅんきゅんしましたw

 

記憶喪失のルーナとカズキの関係はどうなるのかな?と少し心配していたのだけど、結果的にはこの二人の絆の強さを再確認した気分に。
思い出してほしい、でも思い出さないほうがいいかもしれない。
そんな葛藤がカズキにもルーナにもあって、そこには「傷つけたくない」という想いもあるけれど、それだけではなくて。
どこまでも優しいふたりだからこそ、自分のエゴや弱さをさらけ出す姿にグッとくるのです。
ルーナの記憶喪失の原因といい、ラストのカズキの八つ当たりといい、今回は恋人同士が自分の心の奥底に潜んでいた感情をさらけ出す話だったんですね。

 

カズキの八つ当たりといえば、ラストシーンは本当に切なかったなぁ
どんな時だってルーナやみんなのところへ戻ろうと頑張っていたカズキが、罪を背負う覚悟で別れを告げる瞬間の悲しみといったらない。そして、そんなカズキにルーナが出した答えから溢れ出す愛の強さがまた美しくて・・・!
ここまで追い詰められないとやっとカズキは弱音を吐けるのか。
アリスや他のみんなが言ったように「助けて」すらめったに言わないカズキだから、そういう自分の弱い部分をルーナにぶつける姿になんだか安心してしまう。とぼけたヒロインだけど、彼女はごく普通の女の子だから。あんな状況にあって弱音ひとつ吐かないほうが異常なんだよ・・・・・・
まぁ、気負わずに前向きで、心のしなやかなカズキだから皆が惹かれるのもわかるのだけど。リリィの「自分を自分の中で完結させられる人」というカズキ評、めちゃくちゃ的確で膝を打ちました。

 

しかしここからどう進むんだろう?
ラストはめちゃくちゃ悲恋的ロマンスにあふれていて、正直とても美しかったけれど、まさかここでバッドエンドとかないでしょうし。続きがとても気になるなぁ・・・!
とりあえず、目覚めたらルーナとはぐれていた、とかじゃないといいな。

 

残されたアリスちゃんたちの方もまだ安心できないわけで、そちらも気になります。
あのサディスト王子がカズキを滝壺に落としただけで大人しく引き上げるの?
ガリザザにいるという邑上さんはどうなっているの?
早く続きが読みたい。6巻がすごく楽しみです。

 

余談。
今回もまたアリスちゃんが最高にアリスちゃんで、最高の最高に親友でした。
アリスちゃん、話が進むにつれて好きになってしまう・・・・・・カプとしてはルーナ推しですが、単体ではアリスの方が好きになってきてる。
ところで「そんな状況になったら、ありとあらゆる意味でアードルゲが滅ぶ」からの「だからさっさとルーナとよりを戻せ」(159頁)で前のめりになったんですけど、これは・・・・・・?
いやまぁ、ルーナとダメになったら親友のよしみでアードルゲ家がカズキを引き取るよってことなんでしょうけど・・・・・・よこしまな目で見てしまうカプ厨の私がいたり。
それはそれとして、「頑張れ、親友」とカズキの背中を押すおこりんぼだけど優しいアリスちゃんが大好きです。

 

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