人魚と十六夜の魔法(ぬばたまおろち、しらたまおろち2)/白鷺あおい


人魚と十六夜の魔法 (ぬばたまおろち、しらたまおろち) (創元推理文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年8月刊。
古今東西の妖怪たちが集う魔女学校を舞台にした和製魔法学園ファンタジー第2弾。
のびのびと学校生活を送る妖怪(妖魅)たちが生み出すユーモアあふれる世界観が相変わらず最高でした。
2巻で更に磨きがかかり、読んでるだけでワクワクします。

思春期真っ只中の妖怪たちは、人じゃないのに人間くさく、でも仕草は人のものではなくて。その全てがとても可愛くて・・・!
前巻を盛り上げた少女と大蛇の純愛要素もしっかり継続。
この二人、面白い方向にこじらせてきたなぁ〜とニヤニヤしました。

1巻が綺麗に終わっていたから2巻はどうなるかな?と不安もあったけれど完全に杞憂。
ぜひ3巻もお願いします。長く付き合っていけるシリーズになると嬉しいな。

ちなみに、帯には「妖怪×ハリー・ポッター」とあるけれど、ほんと和製ハリポタとか妖怪学校版RDGって感じの作品なんですよね。そういう学園FTが好きな人にもっと広まりますように!

☆あらすじ☆
四月、綾乃は無事ディアーヌ学院高等部に進級した。中等部には雪之丞の従妹のまりんや、絵葉の弟大地や、人間の女の子桜子も入学してきた。そんな新学期の慌ただしい一週間が終わったころ、綾乃たちの学年に転校生がやってきた。ロシアから来た礼儀正しい水妖ヴォダーくんは、あっという間にみんなの人気者になった。だが、そのころから学院内で奇妙なことが起こり始める。学院の周辺で不審者が目撃され、寮の部屋からお八つが消える。なにかがおかしい……。妖怪と人間が一緒に学ぶ魔女学校を舞台に繰り広げられる、愉快な学園ファンタジイ。

以下、ネタバレありの感想です。

 

1巻ラストの騒動から時間が経ち、物語は4月の新学期からスタート。
物語は、高等部に進学した綾乃たちと、人間の新入生・影山桜子を交互に描きつつ、ディアーヌ学院で立て続けに起こる不可思議な事件を描いていきます。

 

桜子が持つ祖母の遺品の着物に取り憑く謎の幽霊。
ロシアからの転入生である水妖のヴォダーくん。
そして寮で連続するお八つ泥棒と、学園の周囲をうろつく謎の男。

謎めいていてもどこか可愛らしい(だってオヤツ泥棒!)様々な事件を、人魚伝説に絡めながら紡がれるストーリーはとても読み応えがありました。
前作もそうだけど伝奇要素の取り入れ方がユニークでユーモアを感じるんですよね。
妖怪が集まる魔女学校の図書館で人魚伝説について調べるっていう構図だけでワクワクしませんか?
魔女学校の課題学習って感じが楽しい。「妖怪が住みやすい家について調べる」という課題も面白そうでしたし。
課題を頑張る人間のヒロインを手伝うのも大蛇のフィアンセだったり、その姉の雪女だったり、鬼の副会長だったりっていうのがもう・・・・・・日常な非日常にニヤニヤが止まりません。

 

そういうわけで、妖怪学校×魔法学校という設定が生み出すユニークな学園の日常風景が、1巻に負けず劣らず、とても楽しい2巻でした。
1冊まるまる通して綾乃の恋と冒険を描く前巻とは代わり、今回は新入生たちの視点も多く入る群像劇風な物語となっていて。
綾乃が主人公であるのは間違いないのだけど、同時にこれは桜子と祖母の絆の物語でもあり、魔女学校の新入生たちの初めての冒険の物語でもあるのです。
登場する生徒たち一人ひとりが個性的かつ躍動的に物語を動かしていくのが本当に良い。
各キャラクターの動かし方や魅せ方は前巻よりも更に良くなっているように感じました。

 

ほとんどの生徒が妖怪なんだけど、その性根はそこらへんの少年少女となんら変わらないところも魅力的。
好きな子が他の男の子に夢中になっていて不機嫌な人狼くんとか(わんこ化して身体を洗ってもらってご満悦な堀口くん、可愛すぎか!)、自転車泥棒に痛い目をみさせてやろうと先生に化けて脅かす白狐の少年とか(大地と風斗のコンビ、お騒がせなんだけど憎めなくて好き)

そしてなんといっても、未だに(?)やきもち焼きな雪之丞がね・・・!

アロウと雪と綾乃の三角関係って前巻で綺麗にまとまったと思っていたんですけどねー。見事にこじれていた(笑)
人型時の「雪」がたどたどしく綾乃にスキンシップを取ろうとするのに対し、大蛇の「アロウ」は遠慮なく綾乃の体に絡みついてて、なるほどそういうところかーと私は天を仰ぎました。
二重人格ラブコメみたいになってるじゃないですか。なにこれ楽しいな!
綾乃は特に引っかかるところなく現状を受け入れてるし、これはひとえに雪自身の問題ですよね。
最後はコメディテイストにまとめていたけれど、この問題はもっと深く突っ込んで描いてくれてもいいなぁとか思ったり。
まぁ、真面目に人格問題を掘り下げることなく、このまま不毛な三角関係ラブコメを見せてくれても私は構わないのだけど。だって楽しいから!

 

綾乃と雪の純愛ラブコメを交えつつ、魔女学校全体の日常を描く「魔法学園」モノとしての特色を強めた第2巻でした。
他の生徒にもスポットを当てていけば、どれだけでも話を作れそう。すごく面白そうだし、楽しみです。
というわけで、どうかどうか3巻をお願いします・・・!

 

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